院長はどんなときに経営相談をするのか
──クリニック経営で判断が重くなるタイミング
クリニック経営では、診療と同じように判断が重くなる場面が何度も訪れます。
患者数、スタッフ、役割、経営判断。
日々の診療を続けながら考えなければならないことは多く、問題が一つだけということはあまりありません。
多くの院長は、
「誰かに相談した方がいいのだろうか」
「まだ相談するほどではないのではないか」
と迷う瞬間があると思います。
では、院長はどんなときに経営相談を考えるのでしょうか。
このページでは、クリニック経営で判断が重くなりやすいタイミングを整理しながら、関連する記事もまとめています。
経営相談は、大きな問題が起きてから行うものとは限りません。
「何から整理すればよいか分からない」ときにも、相談のタイミングは訪れます。
患者数や売上で迷いが出てきたとき
開業後しばらくして、患者数や売上が想定より少ないと感じることがあります。
そのとき、多くの院長は不安を抱えますが、すぐに広告や集患施策に進む前に整理したいことがあります。
患者数の問題は、単純に「増やす」だけでは整理できないこともあります。
診療内容、地域での役割、立ち上がり時期の見方など、複数の要素が重なっているからです。
採用やスタッフ問題が起きたとき
スタッフ採用が決まらない、採用しても定着しない、役割分担が曖昧で現場が回りにくい。
こうした問題も、院長が経営相談を考える大きなきっかけになります。
スタッフの問題は、人が悪いというより、体制・役割・働き方の設計が曖昧なままになっていることがあります。
そのため、感情論ではなく、何が噛み合っていないのかを整理することが大切です。
経営判断で迷いが出てきたとき
経営では、「何を選ぶか」だけでなく「誰が判断するのか」「何を基準に考えるのか」が曖昧になることがあります。
他院のやり方や一般的な正解に引っ張られ、自院に合う判断軸が見えにくくなることも少なくありません。
こうしたときは、正解探しよりも、論点・優先順位・院長として引き受ける範囲を整理し直すことが大切になります。
そもそも経営相談をしていいのか迷うとき
クリニック経営の相談は、税理士や社労士、医療機器会社、金融機関など、関わる相手が多いぶん、かえって相談先が分かりにくくなることがあります。
また、相談内容がまとまっていない、まだ問題が大きくなっていない、経営の悩みを言葉にしづらい。
そうした理由で、相談そのものをためらう院長も少なくありません。
相談前に整理しておきたいこと
相談するときに、最初から内容がきれいに整理されている必要はありません。
ただ、次の3つを少しだけ意識しておくと、いまの状況を言葉にしやすくなります。
① いま何に迷っているのか
問題そのものよりも、何が引っかかっているのかを言葉にしてみます。
例えば、患者数が少ないことより、「何から見直せばよいか分からない」が迷いの本体かもしれません。
② 何を決めようとしているのか
いま判断したいことが、採用なのか、役割なのか、診療の方向性なのか。
何について判断しようとしているのかを分けるだけでも、論点が少し見えやすくなります。
③ 何がまだ分かっていないのか
情報が足りないのか、考えが整理できていないのか、決める基準が曖昧なのか。
「分からない」の中身を分けると、次に向き合うべきことが見えやすくなります。
実際には、最初から論点が整理されている院長の方が少ないです。
むしろ、複数の悩みが重なっていて、何から話せばよいか分からない状態の方が自然です。
相談するほどではないかもしれないと思っている院長へ
経営相談という言葉を聞くと、
「そこまで大きな問題ではない」
「まだ自分で考えるべきではないか」
そう感じる院長も多いと思います。
実際、クリニック経営では、明確な問題よりも、
なんとなくの違和感、判断の重さ、複数の論点が重なっている状態の方が多いものです。
そのため、問題をすぐ解決するための相談というより、
考えを整理するための相談という形になることもあります。
もし今、
「何を整理すればいいのか分からない」
そんな感覚がある場合は、一度、考えを言葉にしてみる時間を持つのも一つの方法です。
相談の目的は、すぐに正解を出すことではなく、
いま何を整理するべきかを見える形にすることかもしれません。