伴走支援の考え方

「とりあえずやっておきます」「資料を作っておきます」──こうした“御用聞き型”の支援は、短期的には便利に感じられるかもしれません。
しかし、経営や組織運営の視点でみると、なぜその作業が必要なのか、何のために進めるのかが置き去りになり、本質的な課題解決につながらないことも多くあります。

私が独立してまえやまだ純商店を立ち上げたのは、「言われたことをこなす支援」ではなく、院長先生とともに考え、整理し、納得して進める支援を形にしたかったからです。
先生の中にある思いや違和感を丁寧に言語化しながら、「自院として納得できる選択」をご自身で判断していただける状態をつくることを目指しています。

当社が大切にしている「クリニック経営の前提」については、
当社が考えるクリニック経営 にまとめています。

御用聞きではなく、「考えを整理する伴走」を

制度改定・採用難・地域連携・DXなど、院長が意思決定する場面は増え続けています。
こうした状況では、目の前の施策を積み上げることよりも先に、「自院として何を大切にし、どこを目指すのか」を整理することが欠かせません。

私はまず、先生の頭の中にある前提・思い・違和感を一度テーブルに並べ、
「なぜそれをするのか」「今やらなくても良いことは何か」を一緒に整理するところから始めます。
そのうえで、先生が自ら納得して判断し、スタッフと共有できる状態を整える。これが、私が考える伴走型支援の中心にある考え方です。

「依頼対応型」と「伴走型」のちがい

御用聞き型の支援（依頼対応型）は、「頼まれたことを早く、正確にこなす」ことに価値があります。
一方、伴走型の支援では、「何をすべきか」「どの順番で進めるか」を共に見極め、自院に合った選択肢を設計していく点に価値があります。

前者が“作業代行”であるなら、後者は“思考とプロセスの整理”と言えるかもしれません。どちらが優れているという話ではなく、目的が異なるのだと考えています。

私が大切にしているのは、依存を生まない関係づくりです。
外部任せにするのではなく、院長先生とスタッフが、自院の方針を理解し、自ら判断して動ける状態を整える。
それが、「治す医療」から「治し支える医療」へと移行する今の時代に必要な支援だと捉えています。

医療と働き方が変化する今、求められる支援

2026年度診療報酬改定では、医療DX、地域包括ケア、かかりつけ医機能の明確化など、
「データと連携を軸にした医療体制」がさらに進む見通しです。
同時に、医療従事者の労働人口減少が続き、“どんな体制で誰が支えるか”を再設計する必要性が高まっています。

こうした環境では、単に作業を依頼するだけでは十分ではありません。
制度の方向性を踏まえながら自院の立ち位置を整理し、現場で回る仕組みごと整えていく支援が求められています。

まえやまだ純商店では、制度・時代背景を理解しつつ、院長先生とともに課題を整理し、現場で動ける形へ落とし込み、
次の時代を見据えたクリニック経営を支えていくことを目指しています。

伴走支援の背景となる「クリニック経営の考え方」については、
当社が考えるクリニック経営 でも整理しています。

支援の進め方

具体的なプロセスや関わり方については、こちらに整理しています。
伴走支援の進め方（プロセス・範囲・進行イメージ）

note掲載記事

支援の背景や、医療に根づく「御用聞き文化」についての考察をnoteでまとめています。
なぜ「御用聞き文化」は医療業界に根づいたのか ── 支援のあり方を考え直すために