精神科・心療内科クリニックが次回診療報酬改定に備える3つの視点

はじめに
2024年度の診療報酬改定では、精神科・心療内科に大きな影響がありました。とくに精神科再診料が減額され、診療単価の低下を実感されている先生も多いのではないでしょうか。
次回の2026年度改定に向けては、外来機能の再編や生活習慣病管理の評価見直しなど、さらなる変化が予想されます。本記事では、精神科・心療内科クリニックが改定に備えるための3つの視点を整理します。
1. 外来機能の見直しへの対応
- 改定のたびに議論される「かかりつけ医機能」「外来管理加算」の在り方を注視する。
- 長期フォローが多い精神科外来は、短時間診療とみなされると評価が下がりやすい点に留意する。
対応のポイント
- 診療内容の記録充実:治療方針・説明内容・指導の根拠をカルテに明確化。
- 患者説明ツールの整備:リーフレットや院内掲示で来院の意義・治療方針を可視化。
- 外来機能報告制度への対応:地域での役割を定義し、報告体制を整備。
👉 「診療した事実」だけでなく、説明・記録・仕組みが評価される時代です。
2. 収益構造の多角化
精神科再診料の減額を踏まえ、「再診料依存」からの脱却が必要です。
具体策
- 認知行動療法・精神療法の導入:評価対象となり、患者さんの満足度向上にも寄与。
- 専門外来の立ち上げ:睡眠障害、依存症、発達障害など地域ニーズに基づく外来を設計。
- 多職種連携:訪問看護やデイケアと組み合わせ、診療の幅と収益源を拡張。
👉 医師単独で診療時間を延ばすのではなく、チーム医療で質と効率を両立させることが重要です。
3. 医療DXと情報発信の強化
- 医療DX推進体制整備加算など、DX関連評価は今後も注目領域。
- マイナ保険証、電子処方箋、オンライン資格確認などの対応有無が算定・加算に直結。
加えて、精神科・心療内科の患者さんはインターネットで情報収集を行う傾向が強いため、次の発信を継続しましょう。
- ホームページでの診療方針の明確化
- 院内掲示での安心感の提供(来院の流れ・治療方針・費用目安など)
👉 DX整備と情報発信は「算定対策」であると同時に、患者さんに選ばれるクリニックづくりにも直結します。
まとめ
次回改定に備える3つの視点は、
- 外来機能の見直しに早めに対応すること
- 再診料依存から脱却し、収益構造を多角化すること
- 医療DXと情報発信を強化すること
診療報酬改定は避けられない変化ですが、準備の早さがリスクを強みに変えます。
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