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クリニック開業・経営コラム

心療内科・精神科経営シリーズ 第3回|診療報酬と経営戦略の考え方

本記事は「心療内科・精神科経営シリーズ」に属します。
診療報酬の基本構造を踏まえ、心療内科クリニックの経営設計にどう落とし込むかを整理しました。

心療内科クリニックの経営は、他の診療科に比べて再診料中心になりやすい特徴があります。
医師1名で診療を行う場合、どうしても収入の限界が早く見えてしまうことも少なくありません。
そのため、診療報酬の仕組みを理解したうえで、自院の経営戦略にどう組み込むかを考えることが欠かせません。

本記事では、心療内科クリニックにおいて押さえておきたい算定項目や、その経営への活かし方を整理します。

1. 心療内科の診療報酬の特徴

心療内科の診療報酬は、再診料をベースとした安定性がある一方で、大幅な増収が難しい構造になっています。
通院・在宅精神療法では、初診は30分以上、再診は5分以上の診察が求められ、さらに再診の頻度は週1回までに制限されています。

例えば、再診を10分と想定し、1日に30人を診ると約300分(5時間)を要します。
実際には事務処理や紹介状の作成もあるため、医師1名体制では診療可能数に明確な上限が生じます。
このように、診療報酬を考える際には「単価」だけでなく、診察時間と通院頻度の制限を踏まえて逆算し、1日の患者数や収入を見積もることが重要です。

2. 主な算定項目

  • 精神科初診料・再診料
  • 精神科専門療法(個別・集団)
  • 心理検査
  • 在宅医療や地域連携に関する加算(必要に応じて)

これらは診療の流れやスタッフ体制に直結するため、経営戦略を立てるうえで必ず確認が必要です。

3. 経営戦略への落とし込み

再診料の限界をどう補うか

加算をどう取り込むか

  • 精神科専門療法を組み込んだ診療体制
  • 心理検査を必要に応じて実施

自費診療の可能性

  • 自費カウンセリング、睡眠外来、ストレスチェック など

4. 導入にあたっての留意点

診療報酬は制度改定によって変動するため、長期的に「固定的な収益の柱」とするのは難しい面もあります。
そのため経営戦略を考える際には、診療報酬に依存しすぎず、自費診療や人材活用(心理士の導入など)と組み合わせる視点が重要です。

また、医療DXや予約料といった取り組みは、あくまで先生ご自身の診療方針に基づいて選択することが望ましいでしょう。

まとめ

心療内科クリニックの診療報酬は、再診料を中心とした安定性を持ちながらも、診察時間や通院頻度の制約によって収入の上限が見えやすい構造になっています。
そのため、算定項目を正しく理解し、予約料・心理士活用・自費診療などを組み合わせた戦略的な経営が必要です。
次回は「患者動線と初診・再診フロー設計」をテーマに、経営と診療の両面から整理していきます。

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