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2026年度診療報酬改定|皮膚科クリニックの変更点は?点数・レセプト・医療DXを整理

最終更新日:2026年8月11日

2026年(令和8年)6月1日に、令和8年度診療報酬改定が施行されました。皮膚科クリニックでは、初診・再診、物価対応、真菌検査、レセプトコメント、医療DXなど、日常診療に関係する変更があります。

まずは「何が変わったのか」を確認し、そのあとに、改定内容を自院の診療や院内業務へどう落とし込むかを整理します。

先に結論|2026年度改定で皮膚科が確認したい主な変更点

項目 2026年度の内容 まず確認すること
初診料 291点→291点 据え置き
再診料 75点→76点 1点引き上げ
外来・在宅物価対応料 初診時2点・再診時等2点 算定場面とレセコン設定
真菌培養加算 122点 対象となる検査・請求方法
電子的診療情報連携体制整備加算 初診15・9・4点/再診2点 施設基準・届出・院内運用
レセプトコメント 令和8年6月診療分から更新 使用薬剤ごとのコメントマスター

※個別の算定可否は、患者の状態、診療内容、施設基準等によって異なります。最新の告示・通知・疑義解釈等をご確認ください。

1.初診料・再診料・物価対応料はどう変わった?

初診料は291点で据え置き、再診料は75点から76点へ

改定前は初診料291点、再診料75点でした。2026年度改定後は、初診料291点は据え置き、再診料は76点へ1点引き上げられています。

外来・在宅物価対応料が新設

物価上昇への対応として、外来・在宅物価対応料が設けられました。2026年度は、入院中ではない患者に初診を行った場合は2点、再診等を行った場合は2点です。

「プラス改定だから収益が増える」と単純に見るのではなく、自院ではどの項目が関係し、実際の請求にどう反映されているかを確認することが必要です。

2.真菌検査で確認したいこと

皮膚科の日常診療では、白癬など真菌症の診断に関連する検査を行う機会があります。2026年度の診療報酬では、細菌培養同定検査に真菌培養加算122点が設定されています。

自院で確認したいこと

  • どの検査が算定対象になるのか
  • 院内検査か外部委託か
  • 電子カルテ・レセコンの設定は反映されているか
  • 検査の実施から請求まで、誰が確認するのか

点数だけでなく、検査を実施した事実が診療記録から請求までつながっているかを確認することが重要です。

3.生物学的製剤のレセプトコメントで確認したいこと

アトピー性皮膚炎などで生物学的製剤を使用する場合は、薬剤ごとの適正使用条件に加えて、レセプトコメントマスターの更新も確認しておきたいところです。

令和8年6月診療分から適用されるコメントマスターでは、デュピクセント皮下注について、IGAスコア、全身・頭頸部のEASIスコア、管理計画に基づく非薬物療法の実施確認年月日などに関するコメント項目の更新があります。

カルテとレセプトを別々に考えない

  • 診察時に何を確認・記録するか
  • 電子カルテのどこへ記録するか
  • 医療事務が請求時にどこを見るか
  • 不足があった場合、誰に確認するか

医師だけが把握している情報と、医療事務が請求時に必要とする情報が分断されると、確認作業や記載漏れが増えます。制度対応を院内の情報の流れとして設計することが重要です。

4.電子的診療情報連携体制整備加算|点数・届出を確認

2026年度改定では、電子的診療情報連携体制整備加算が新設されました。初診時は施設基準に応じて加算1が15点、加算2が9点、加算3が4点、再診時は2点です。

算定には区分に応じた施設基準を満たし、地方厚生(支)局への届出が必要です。令和6年度の医療DX推進体制整備加算を届け出ていた医療機関でも、2026年6月1日以降に新しい加算を算定するには改めて届出が必要とされています。

5.ここからは、自院の運用で考えること

ここまでが、2026年度改定についてまず確認しておきたい制度上の内容です。

一方、制度を理解しても、誰が対応するのか、現在の業務へどう組み込むのか、どこまでDXで補うのかは、制度だけでは決まりません。ここからは自院の診療体制として考える部分です。

制度対応を「院長や特定のスタッフが覚えて対応する仕事」にすると、改定のたびに確認作業が増えます。診察、検査、記録、請求までの流れの中に組み込めるかを見ることが重要です。

6.皮膚科は1回あたりの保険医療費が低い水準にある

院内運用を考える背景として、皮膚科の診療科特性にも目を向けておきたいところです。

厚生労働省の令和6年度データでは、医科診療所の1日当たり医療費は全体7,735円に対し、皮膚科は4,147円でした。内科9,470円、整形外科4,869円、眼科9,137円、外科8,288円など、他の主な診療科と比べても低い水準です。

※「1日当たり医療費」は医療費総額を受診延日数で除した指標です。個々のクリニックの患者単価は、患者構成、検査、処置等によって異なります。

保険診療を中心とする皮膚科では、一定の患者数を診療しながら外来を運営する構造になりやすい一方、患者数が増えれば受付、問診、診察、処置、説明、会計、レセプトの業務量も増えます。

だからこそ、患者数を増やすことだけではなく、限られた人員でも院長とスタッフが無理なく診療を続けられる体制をどうつくるかを考えることが重要です。

7.業務フロー・人員・DXを一緒に見直す

まず、皮膚科外来を「受付・予約 → 問診 → 診察・検査・処置 → 説明・会計 → レセプト」の流れで見ます。そのうえで、各工程について人が担うこと、役割分担を変えられること、デジタルで補えることを考えます。

スタッフを増やすか、Web予約・Web問診・自動精算などを導入するかを別々に決めるのではなく、どの業務に負担が生じているかを確認しながら、人とDXを同時に設計する方が実務に合います。

電子カルテ情報共有サービスも「導入」で終わらせない

電子カルテ情報共有サービスは、全国の医療機関や薬局等で患者の電子カルテ情報を共有するための仕組みです。診療情報提供書の電子共有や、健診結果、臨床情報などの閲覧につながります。

院内運用では、単に制度へ対応するのではなく、必要な情報を必要な場面で確認し、スタッフが無理なく診療を支えられる仕組みにできるかという視点も大切です。

誰が確認するか決まっていない、別画面へ再入力する、紙と電子を二重に確認する、といった運用が残れば、システムが増えても負担が減るとは限りません。

採用・定着も業務設計と切り離さない

採用についても、応募数だけではなく、自院に必要な役割や業務量が整理されているかを確認します。入職後の定着についても、個人の問題だけでなく、役割、体制、業務分担、院内運用を見る必要があります。

よくある質問

Q.2026年度改定で初診料・再診料はいくらになりましたか?

初診料は291点で据え置き、再診料は75点から76点へ1点引き上げられました。

Q.外来・在宅物価対応料は皮膚科でも算定できますか?

診療科を皮膚科に限定した評価ではありません。2026年度は、入院中ではない患者への初診時2点、再診時等2点が設定されています。実際の算定では最新の算定要件とレセコン設定をご確認ください。

Q.電子的診療情報連携体制整備加算は届出が必要ですか?

はい。区分に応じた施設基準を満たし、地方厚生(支)局への届出が必要です。令和6年度の医療DX推進体制整備加算を届け出ていた場合も、新しい加算を算定するには改めて届出が必要です。

Q.真菌培養加算は何点ですか?

2026年度の診療報酬情報では122点です。自院で行っている検査が算定対象になるか、実施方法や請求方法とあわせて確認してください。

Q.改定後、院内では何から確認すればよいですか?

まず自院に関係する改定項目を分け、次に「診察・検査・カルテ記載・レセプト請求のどこが変わるか」「誰が確認するか」を整理します。複数の課題が重なる場合は、優先順位から整理すると進めやすくなります。

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まとめ|制度を理解したあと、自院の診療体制へ落とし込む

2026年度診療報酬改定では、初再診、物価対応、真菌検査、レセプトコメント、電子的な診療情報連携など、皮膚科の日常診療に関係する変更があります。

まずは、制度上の点数・算定要件・施設基準・届出などを確認することが必要です。そのうえで残るのが、「自院では誰が対応し、日常の診療へどう組み込むか」という問題です。

特に皮膚科は、他の主な診療科と比べても1回あたりの保険医療費が低い水準にあります。患者数、人員、業務フロー、DX、固定費などを個別に考えるのではなく、無理なく診療を続けられる体制として組み立てていくことが重要です。

診療報酬改定を確認することは、そのための一つのきっかけになります。制度変更によって何が変わるのかを確認しながら、自院の診療や院内業務のどこを見直す必要があるのかを考えていきます。

診療報酬改定を確認したあと、自院の経営をどう見直すか

診療報酬改定の内容を理解しても、患者数、人員配置、業務フロー、DX、収益構造などを自院でどう組み合わせるかは、制度だけでは決まりません。

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参考資料

※本記事は2026年8月11日時点の公表資料をもとに整理しています。個別の算定可否、施設基準、届出、レセプト記載については、最新の告示・通知・疑義解釈等をご確認ください。

まえやまだ純商店 前山田純

この記事を書いた人

前山田 純 まえやまだ純商店

2011年から医療機関の開業・経営支援に従事。院長が一人では整理しきれない経営課題について、現状や論点、選択肢を整理し、自院として判断しやすい状態づくりを支援しています。正解をお伝えするのではなく、自院として納得して判断できる状態づくりを大切にしています。

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