正解を急がず、納得して続けるために。 クリニック開業・経営の判断の前提を、静かに整える時間。

クリニック開業・経営コラム

生活習慣病中心外来という「前提」を整理する ── これからの定期外来設計を考えるために

生活習慣病を中心とした定期外来は、多くの医療機関で「いつの間にか当たり前の形」になっています。

毎月、あるいは数か月ごとに患者さんが来院し、状態を確認し、必要があれば微調整を行い、次の受診までの処方を出す。日々の診療の中で、特別に意識せずとも回っている外来です。

一方で、この外来の“形”について、あらためて言葉にして整理する機会は、意外と多くありません。忙しさや詰まり、スタッフの負荷といった感覚はあっても、それがどの前提から生まれているのかは、曖昧なままになりがちです。

本記事は、制度の解説や評価を目的としたものではありません。また、今すぐ何かを決めるための記事でもありません。生活習慣病を中心とした定期外来が、どのような前提と構造の上に成り立っているのかを、一度立ち止まって整理することを目的としています。

なお、このような整理を行う背景には、2026年の診療報酬改定を控えている、という状況もあります。

ただし、ここで扱いたいのは、改定によって何が有利か不利か、何を変えるべきか、といった話ではありません。制度が動く局面だからこそ、その前提として「自院の外来が、どんな構造で動いているのか」を言葉にしておくことが大切だと考えています。


この記事で扱わないこと

はじめに、本記事で扱わないことを明確にしておきます。

  • 診療報酬の点数や、改定による増減の話
  • 特定の制度名や、その是非に関する評価
  • 「厳しい」「危ない」といった、危機感を煽る表現
  • こうすべきだという正解の提示や、即断を促す結論

本記事は、判断を迫るものではありません。生活習慣病中心外来という構造を、できるだけ評価を加えず、言葉にして整理することを目的としています。

制度は今後も変わっていきます。その変化に向き合う前に、「自院の外来が、どんな前提で設計されているのか」を把握しておくことが、後々の選択を楽にしてくれます。


生活習慣病中心外来は、どんな構造で成り立っているか

生活習慣病を中心とした外来の特徴は、急性期対応よりも、継続的な管理や経過確認が主軸になる点にあります。

診察の多くは、状態が大きく変わっていないことを確認し、必要があれば微調整を行う、という内容です。「治す」というよりも、「維持し、見守り、必要なときに介入する」という役割を担っています。

この構造では、外来は自然と「定期的に回すもの」になります。一人ひとりの診療時間は比較的短く、一定のリズムで患者さんが来院する。多くの医療機関が、この前提のもとで日常診療を組み立てています。


長期処方・リフィルが前提になると、外来はどう変わるか

定期外来では、来院のたびに新しい判断を積み重ねるというよりも、大きな変化がないことを確認する診療が中心になります。

その結果、再診の意味合いは少しずつ変わってきました。「毎回判断する場」から、「状況を確認し、必要があれば調整する場」へ。

来院間隔が延びることで、診察内容と来院頻度の間にズレが生じる場面もあります。診療としては問題がなくても、外来運営の視点では、別の歪みが生まれやすくなる構造です。


軽症・安定期患者を、外来の中でどう捉えるか

生活習慣病中心外来を支えているのは、症状が安定している患者さんです。この層がいるからこそ、定期外来は成り立っています。

一方で、安定しているからこそ、一人ひとりの対応は細切れになりやすく、数が重なると、現場の負荷として現れやすい側面もあります。

ここで大切なのは、患者さん個人の問題として捉えないことです。誰かが悪いのではなく、そうなりやすい構造の中で外来が動いている、という整理が必要になります。


再診頻度と外来設計は、切り離せない

再診の間隔は、単なる診療上の判断ではありません。外来全体の流れや、スタッフの動きとも強く結びついています。

医師が感じている負荷と、スタッフが現場で感じている負荷は、必ずしも一致しません。詰まりや忙しさは、個々の能力の問題ではなく、設計の問題として現れることが多いのです。


外来の詰まり・スタッフ負荷を、経営視点で見直す

外来が忙しい理由は、単純に患者数が多いからとは限りません。同じ人数でも、設計次第で現場の負荷は大きく変わります。

診療の考え方と運営の考え方が整理されていないと、医師が無意識のうちに、多くの判断や調整を一人で抱え込むことになります。

外来をどう回しているのか。その前提を言葉にすることは、経営を語る以前の、大切な準備です。


今すぐ決めなくていいこと/今のうちに言語化しておくと楽なこと

ここまで読んで、何かを変えなければならないと感じる必要はありません。

今すぐ決めなくていいことは、無理に決めなくて大丈夫です。ただ、自院の外来が、どんな前提の上で設計されているのかを言葉にしておくことは、後の判断を助けてくれます。

制度が変わったときにも、焦らず選択肢を考えるために、まずは土台を整えておく。本記事は、そのための整理です。


おわりに|制度の前に、外来の構造をそろえる

本記事は、正解を示すものではありません。また、判断を迫るものでもありません。

生活習慣病中心外来という、多くの医療機関が共有している構造を、一度立ち止まって整理する。そのための、思考の補助線として読んでいただければ幸いです。



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