「患者数が減っている」「診療報酬が下がる」──いま必要なのは“行動を止めない”姿勢

はじめに
「最近、患者さんが減ってきているように感じる」
「診療報酬も下がる一方で、この先どうなるのか不安だ」
開業医の先生方から、こうした声をいただくことは少なくありません。診療の合間に経営の数字を振り返ると、将来への懸念が頭をよぎる――。それは決して特別なことではありません。
その一方で、例えば Googleマップを活用したMEO対策や情報発信といった取り組みを提案しても、「他のクリニックもやっていないから」「効果が見えにくいから」と実行には至らないケースがあります。
現状に課題を感じながらも、新しい行動を見送る。この構図は、クリニック経営における一つの“矛盾”なのではないでしょうか。
1.開業医は「医療」と「医業」の双方を担う
開業医は、診療を通じて地域の健康を守る「医師」であると同時に、組織を継続させる「経営者」でもあります。
- 医療:患者さんに適切で質の高い診療を提供する責任
- 医業:持続可能な経営を行い、スタッフや地域に安心を届ける責任
どちらか一方を果たせば十分、という立場ではありません。経営の持続性を確保できなければ、質の高い医療を提供し続けることも難しくなります。
2.行動を止めることは「現状維持」ではない
「他がやっていないから」「効果がわからないから」と行動を控える判断は、慎重さとして理解できます。ただし、患者さんの行動は変化しています。
- 検索や口コミをもとに受診先を決める時代
- 更新されない情報は信頼性の低下につながる現実
- 競合が一歩動けば差が広がるリスク
この環境下では、「何もしない=後退」を意味する可能性が高いのです。
3.経営努力は小さな一歩から
経営の工夫は必ずしも大きな投資を伴うものではありません。
- 診療時間や休診日の情報を正しく更新する
- 院内やスタッフの写真を最新に差し替える
- 口コミに短く返信する
こうした小さな一歩が積み重なり、患者さんの安心感につながります。
まとめ
診療報酬の下落や患者数の減少といった外部環境は、誰も避けることはできません。だからこそ、「医師」としての医療を守るために、「経営者」としての医業に取り組むことが欠かせないのではないでしょうか。
現状を受け入れたうえで行動を止めるのか。
それとも、小さくても確かな一歩を踏み出すのか。
この選択が、これからのクリニック経営に大きな違いを生み出します。
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