クリニック開業前のスタッフ研修で大切にしたい3つの視点
開業を目前に控えた「スタッフ研修」は、単なる業務習得の時間ではありません。
院長がどんな思いでクリニックを立ち上げるのか──その“軸”を共有し、チームとして動き出すための大切な期間です。
1.研修の目的は「理念を形にすること」
研修の場で最も大切なのは、「なぜこのクリニックを開くのか」という想いを言葉にして伝えることです。
「どんな診療を目指すのか」「患者さんにどう感じてもらいたいか」──院長の考えを共有することで、スタッフは単なる“作業者”ではなく、共にクリニックをつくる“仲間”になります。
完璧なビジョンでなくても構いません。迷いながらも「一緒に考えよう」という姿勢こそが信頼を生みます。
2.“任せ方”が信頼を育てる
開業準備中は、備品発注や制服手配、案内表示の確認など、スタッフに仕事をお願いする機会が増えます。
その一つひとつが、実は「信頼関係を築くチャンス」です。
依頼をただの“作業指示”で終わらせないための工夫として、次の4点を意識してみてください。
- 目的を伝える(なぜ必要なのか)
- 条件を明確にする(数量・期限・予算)
- 報告ルートを決める(完了報告の方法)
- 完了後には感謝を言葉で伝える
「頼んでよかった」「任せても大丈夫」という感覚が積み重なることで、開業後のチーム力は格段に高まります。
3.チームづくりの土台は“安心感”
研修期間中に小さな懇親の時間を設けることも効果的です。
短時間のランチや雑談の場で人となりを知るだけで、業務連携はスムーズになります。
強制ではなく「希望者のみ」くらいの緩やかさがちょうど良いでしょう。
また、受付〜会計までの流れを整理する際には、院長が基本方針を示しながらも、部分的にリーダー役を任せるのがおすすめです。
“自分ごと”として動けるスタッフがいることで、チーム全体に主体性が広がります。
4.本番前のシミュレーションで自信をつくる
研修終盤では、患者役を交えたシミュレーションを行うと効果的です。
初診・再診・保険証忘れなど、複数のケースを想定して実際に動いてみましょう。
- 受付から会計までの所要時間を測る
- 混乱しやすい箇所を洗い出す
- 失敗を責めず、改善点を共有する
開業前に“失敗できる場”をつくることで、本番の安心感が違います。
スタッフ同士の連携力も、ここで大きく育ちます。
まとめ:研修は「チームの立ち上げ期」
開業前のスタッフ研修は、理念を共有し、信頼を築き、チームとして動き出すための準備期間です。
この時間をどう過ごすかで、開業後の雰囲気や定着率は大きく変わります。
次の記事では、研修で得た学びを日常に定着させるための「マニュアルづくり」について紹介します。
→ “作って終わり”にしないマニュアル運用|クリニックで根づく仕組みづくり
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