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クリニック開業・経営コラム

クリニック開業前のスタッフ研修で押さえるべきポイント





開業二週間前から始まるスタッフ研修は、単なる業務習得の場ではなく「理念共有とチームづくり」の場です。ここでの過ごし方が、開業後の診療やスタッフの雰囲気に大きな影響を与えます。




1. 院長としての心構え


研修で院長が担う最も重要な役割は理念の共有です。「なぜこのクリニックを開くのか」「患者さんにどんな体験を届けたいのか」を最初に伝えることで、スタッフは“作業者”ではなく「仲間」として関わるようになります。完璧を求める必要はなく、試行錯誤を「成長のきっかけ」と捉える姿勢が信頼を育みます。




2. 依頼・任せ方の工夫


開業準備中には備品発注や制服準備など、スタッフに具体的な業務を依頼する場面が増えます。依頼を「作業」ではなく「信頼のバトン」に変えるためには以下がポイントです。



  • 目的を伝える(なぜ必要か)

  • 条件を明確にする(数量・期限・予算)

  • 報告ルートを決める(完了時の連絡方法)

  • 完了後に感謝を言葉で伝える




3. チームを強くする工夫


研修を業務習得だけで終わらせず、懇親の時間を取り入れることも効果的です。短時間のランチ会などで人柄を知り合うことで安心感が生まれます。強制ではなく自由参加にするのがポイントです。


また、受付から会計までの流れを決める際には、院長が基本方針を示し、リーダー役を任せることでスタッフの主体性が自然に育ちます。




4. 本番さながらのシミュレーション


患者役を交えて診療の流れを試す「シミュレーション」は非常に効果的です。



  • 初診・再診・保険証忘れなど複数のケースを想定

  • 所要時間を計測してボトルネックを把握

  • 失敗を歓迎し、改善点をチームで共有


これにより想定外の課題を事前に洗い出し、スタッフ同士の連携も強まります。




まとめ


クリニック開業前の研修は、理念を共有し、仲間意識を育み、改善を繰り返す場です。開業後の診療のスムーズさや雰囲気は、この準備期間の過ごし方で大きく変わります。


研修の成果を定着させるにはマニュアル作りが重要です。
→ 続きはこちら:クリニックのマニュアルを育てる運用の工夫





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