当社が考えるクリニック採用・スタッフマネジメントの基本方針

近年のクリニック経営において、採用やスタッフの定着はますます難しくなっています。労働人口の減少、医療従事者の働き方の多様化、物価高騰、診療報酬の横ばいまたは減額の可能性――こうした環境変化の中で、単に「人を採用する」「給与や福利厚生を厚くする」だけでは課題を解決できません。
当社(まえやまだ純商店)は、クリニックが持続的に成長するために次の3点が重要だと考えています。
1. 採用する人物像を明確に伝える
「未経験者・ブランクある方も歓迎します」という表現は門戸を広げるうえで有効です。ただし、実際に合わない人を採用してしまうと、教育にかかる時間や人件費、人間関係の調整など大きなコストが発生します。
だからこそ、「こういう業務をお願いしたい」「こういう経験が役立つ」「こういう人は向いていない」を分かりやすく伝えることが重要です。
- 例)「受付対応と会計を中心にお願いします。そのため接客経験がある方は活躍しやすいです」
- 例)「一人で黙々と作業したい方は、この職場には合わないかもしれません」
人物像を明確にすることで、求職者は働くイメージが持ちやすくなり、経営者はミスマッチによる早期離職リスクを抑えられます。
2. 人に頼りすぎない仕組みづくり
スタッフに過度な負担がかかる職場は長続きしません。効率化 × DX活用 × 外部委託の組み合わせで、現場の負荷を軽減しましょう。
- 効率化:業務フローの見直し、重複作業や紙運用の削減
- DX活用:AI電話、Web予約、電子カルテ連携、オンライン問診 等
- 外部委託:医療事務処理、レセサポート、採用広報、経理 等
これにより、現場スタッフは患者さん対応に専念できる環境を整えられます。例えば、
- 初診患者さんの不安に寄り添った丁寧な説明
- 高齢患者さんへの声かけや生活背景を踏まえた配慮
- ちょっとした表情の変化に気づき、医師へ適切に共有
- 治療方針を患者さん・ご家族に分かりやすく伝える
こうした対応はマニュアルやシステムだけでは補えない、人だからこそ生まれる付加価値です。
3. 安心して働ける環境づくり
制度や仕組みが整っているだけでは、長く働き続けるのは難しいもの。大切なのは、毎日の中で「ここなら安心して働ける」と感じられる環境です。
- 新しいスタッフが困ったとき、すぐ相談できる人がいる
- ちょっとした意見やアイデアも受け止めてもらえる雰囲気がある
- クリニックの方向性や方針がスタッフにも分かりやすく共有されている
これらが揃うと、「この職場なら続けていける」「ここで成長できる」という気持ちにつながります。
まとめ
本記事はシリーズのまとめ記事です。
- 応募前に求職者が知りたい情報とは?
- 面接で本当は聞きたいけれど聞けない質問
- 内定から勤務初日までに生じる不安と、その解消方法
- 定着率を高める教育・フォロー体制とは
など、具体策を解説しています。
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