スタッフが集まりにくい。

応募が来ない。

採用できても教育に時間がかかる。

せっかく採用できても、思ったより早く退職してしまうこともあります。

こうした悩みは、特定のクリニックだけの問題ではありません。

私自身、開業支援やクリニック経営支援の現場で、採用やスタッフ体制について相談を受けることがあります。

その際、「どの求人媒体が良いですか」「どう募集すれば採れますか」という話になることもありますが、その前に整理したいことがあります。

それは、今、自院は何に困っているのかということです。

採用は大切な選択肢です。

しかし、採用だけで全てを解決しようとすると、採用市場や退職のタイミングに振り回されることもあります。

これからのクリニック運営では、採用だけに頼るのではなく、今いる人員でどう続けていくかという視点も重要です。

本記事では、続けられるクリニック運営を考えるために、採用だけに頼らない視点を整理します。

なぜ採用だけで解決しようとすると苦しくなるのか

採用はクリニック運営において重要な取り組みです。

一方で、採用できれば全て解決するわけではありません。

医療機関全体で人材確保が難しくなり、働き方の選択肢も増えています。

  • 応募が集まりにくい
  • 採用できても定着するとは限らない
  • 教育や引き継ぎに時間がかかる
  • 採用費用が増えている

こうした状況のなかで、採用だけを前提に運営を考えると、応募状況や退職のタイミングに左右されやすくなります。

だからこそ、採用活動と並行して、今ある業務や人員の整理も考えていくことが大切です。

まず整理したいのは「誰を採るか」ではなく「何に困っているか」

採用を考えるとき、多くの場合は「どんな人を採るか」に意識が向きます。

しかし、その前に整理したいのは「何に困っているのか」です。

例えば、次のようなことはないでしょうか。

  • 電話対応が集中している
  • 受付業務が特定スタッフに偏っている
  • レセプト業務が属人化している
  • 院長への確認事項が多い
  • 新人教育がその場任せになっている

困りごとが整理できると、本当に採用が必要なのか、それとも業務整理や役割分担で対応できるのかが見えやすくなります。

まずは人材像ではなく、課題の整理から始めることが大切です。

続けられるクリニック運営のために考えたい4つの視点

採用は大切です。

ただし、採用だけに頼るのではなく、次のような視点もあわせて考えることで、運営は安定しやすくなります。

業務を整理する

受付、会計、電話対応、発注、レセプトなどの業務を書き出し、誰がどの業務を担っているのかを整理します。

業務の偏りや属人化が見えることで、改善の優先順位が見えやすくなります。

短時間勤務という選択肢を考える

フルタイム採用だけでなく、繁忙時間帯だけの勤務や週2〜3日の勤務なども選択肢になります。

必要な時間と役割を整理することで、応募できる人の幅が広がる場合があります。

ITや外部サービスを活用する

Web予約、Web問診、自動精算機などを活用することで、院内スタッフの負担を減らせる場合があります。

重要なのは「何を減らしたいのか」を整理したうえで活用することです。

教育しやすい形をつくる

チェックリストや業務フローを整備しておくことで、新人教育の負担を減らし、立ち上がりを支援できます。

これは定着率にも関わる大切な視点です。

院長や特定スタッフへの依存を減らす

採用できたとしても、院長や特定スタッフに知識や業務が集中している状態では、運営は安定しにくくなります。

たとえば、次のような状態です。

  • 院長しか判断できないことが多い
  • ベテランスタッフしか分からない業務がある
  • 新人教育が特定スタッフ任せになっている
  • 休みや退職が出ると、業務が止まりやすい
  • 変更点が口頭だけで共有されている

この状態では、新しく人を採っても、また同じ課題が繰り返される可能性があります。

大切なのは、院長や特定スタッフの経験を否定することではありません。

その経験や判断基準を、院内で共有できる形に少しずつ変えていくことです。

知識や業務を共有し、引き継げる状態をつくることが、続けられるクリニック運営の土台になります。

院長や特定スタッフへの依存を減らすための具体的な仕組みづくりについては、次の記事で整理しています。
院長や特定スタッフへの依存を減らすために|クリニックの仕組みづくりで考えたい6つの視点

まえやまだ純商店の支援スタンス

まえやまだ純商店は、採用代行や人材紹介を行う会社ではありません。

私たちが行っているのは、「今何に困っているのか」「どこから整理するべきか」を一緒に考えることです。

採用活動そのものの前に、次のようなことを整理することで、打ち手が見えやすくなる場合があります。

  • 本当に採用が必要な課題なのか
  • 業務整理や役割分担で対応できる部分はないか
  • ITや外部サービスを使う余地はないか
  • 教育や引き継ぎをしやすくするには何が必要か
  • 院長や特定スタッフに依存している業務はどこか

採用は大切な選択肢です。

しかし、採用だけに頼るのではなく、今ある人員・業務・仕組みを整理することで、次の一手が見えやすくなることがあります。

まえやまだ純商店は、続けられるクリニック運営を考えるための「現状整理」と「次の一歩の整理」を支援します。

まとめ

スタッフが集まりにくい。

応募が来ない。

採用しても教育に時間がかかる。

せっかく採用できても、思ったより早く退職してしまうこともあります。

こうした状況の中で、採用だけに頼ってクリニック運営を考えると、応募状況や退職のタイミングに左右されやすくなります。

まずは「誰を採るか」ではなく、「何に困っているのか」を整理すること。

そこから、業務整理、教育、IT活用、役割分担など、自院に合った選択肢が見えてくることもあります。

続けられるクリニック運営を考える第一歩として、今の状況を整理することから始めてみてはいかがでしょうか。

採用やスタッフ体制の悩みは、求人票や採用媒体だけの問題とは限りません。
業務整理、役割分担、教育、IT活用、院長や特定スタッフへの依存など、複数の論点が重なっていることもあります。

まずは、似たような相談事例や支援テーマを確認しながら、今、自院では何を優先して考えるべきかを考えてみませんか。

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