口コミ戦略の新しい考え方|クリニックカードよりも体験とデジタルで広げる

病気はセンシティブ。だからこそ口コミは「自然発生」と「デジタル誘導」に依存します。
口コミはなぜ重要か
クリニックの集患において、口コミの影響力は非常に大きなものです。患者さんが安心できるかどうかを判断する際、ネット上の評価や知人からの紹介は決定打になりやすいからです。
しかし、飲食店や美容院とは違い、医療は「病気=センシティブ」な領域です。そのため、口コミの広がり方には独自の特徴があります。
対面口コミが広がりにくい理由
- プライベート性が高い:健康状態や持病を、親しい人以外に積極的に共有することは少ない。
- 渡す場面が不自然:診察券やクリニックカードを友人に配る行為は、受け取る側に違和感を与えやすい。
- 話題にしづらい:病気や治療は雑談で気軽に出せる話題ではなく、口コミが自然に広がりにくい。
口コミが発生する現実的な場面
- 家族や親しい友人など、信頼関係のある人同士
- ママ友や地域サークルなど、共通の悩みを持つコミュニティ
- 「どこのクリニックに通っているの?」と聞かれたときの受動的な会話
つまり、医療の口コミは「積極的に広げるもの」ではなく「自然に発生するもの」と言えます。
有効な口コミ戦略は「体験+デジタル」
1. 通院体験を整える
- 待ち時間が短い
- スタッフの対応が丁寧で安心感がある
- 院内が清潔で落ち着く
こうした「体験の良さ」があれば、患者さんは自然に人に伝えやすくなります。
2. デジタルで誘導する
- Googleビジネスプロフィール:匿名で口コミを投稿できるため、センシティブな情報でも共有しやすい。
- 院内のQRコード案内:待合室や診察後の資料に「口コミはこちらから」と掲示する程度で十分。
- SNSやHPでの情報発信:医療内容そのものではなく「利用しやすさ」や「安心感」といった体験は患者さんが共有しやすい。
注意点:口コミは万能な武器ではない
口コミは強力な集患手段のように思われがちですが、万能な武器と考える必要はありません。
実際には、肯定的に「患者さんの安心感につながる」と評価する医師もいれば、否定的に「誤解や感情的な投稿が残るリスクがある」と捉える医師もいます。
- 肯定的な見方:「患者さんのリアルな声が信頼感を高める」「口コミがあるだけで安心材料になる」
- 否定的な見方:「ネガティブな感情が一方的に書かれてしまう」「削除や訂正が難しい」
つまり口コミは「良し悪し両方を含む現象」です。
色々な意見がある中で、まえやまだ純商店としては“口コミは万能な武器と考える必要はない”と整理しています。 過度に期待するのではなく、現実的なスタンスで向き合うことが大切だと考えています。
詳しくは 👉 「口コミとの付き合い方」記事 で整理しています。
まとめ
クリニックにおける口コミ戦略は、もはや「クリニックカードを配って広げる」ものではありません。
- 患者さんが自然に人に話したくなるような良い体験を提供すること
- 匿名・デジタルで共有できる仕組みを用意すること
この2つを軸にすることで、口コミは無理にお願いしなくても自然に広がります。口コミは「頼むもの」ではなく、体験と仕組みで育てていくものなのです。
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