クリニック経営はホームページから始まる ― 患者の安心を生む情報設計
クリニックのホームページは、患者さんにとって「第一印象」を決める大切な場所です。診療内容や想いを伝える以前に、「安心して行けそうか」という印象がここで決まります。
診療時間やアクセスがわかりづらいだけで受診を迷う人は少なくありません。逆に、必要な情報が整理され、やさしい言葉で書かれているだけで、「このクリニックなら大丈夫そう」と感じてもらえます。
患者さんがまず知りたい7つの情報
医療者から見ると「当然の情報」でも、患者さんにとっては“受診を決める材料”です。最低限、次の7項目は明確にしておきましょう。
- 診療時間・休診日・受付時間
- アクセス方法(駐車場・公共交通機関)
- 診療科目と具体的な症状例
- 初診時の流れ(持ち物・受付方法)
- 費用の目安(例:内科初診で○○円程度)
- 院内の雰囲気(写真やスタッフ紹介)
- 最新情報(予防接種・臨時休診など)
これらが整理されているホームページは、それだけで患者さんに安心感を与えます。 一方で、更新が止まったページや、専門用語が並ぶ文章は不安を招きやすくなります。
医療用語の壁をなくす
「特定健診」「高齢者肺炎球菌ワクチン」など、医療者には当たり前の言葉も、患者さんには伝わりづらいことがあります。 大切なのは、生活の言葉に置き換えることです。
たとえば、
- 「特定健診」→「40歳以上の方が対象の健康診断」
- 「高齢者肺炎球菌ワクチン」→「肺炎を防ぐための予防接種」
こうした小さな工夫が、「自分にも関係ある」と感じてもらうきっかけになります。
費用の目安を示す意味
「金額が分からないから受診をためらう」という声は意外と多いものです。 細かい料金表を出す必要はありませんが、たとえば次のような書き方だけでも安心感が違います。
例:「初診でおおよそ1,000〜1,500円程度(3割負担の場合)」
これは単なる情報提供ではなく、患者さんの不安を取り除くコミュニケーションです。
ホームページは「経営の鏡」
ホームページは、単なる広報ツールではなく、経営の姿勢を映す鏡です。 情報が整理され、更新が行き届いているクリニックほど、「この医院はきちんとしている」と感じてもらえます。
- 分かりやすい情報 → 安心感 → 来院につながる
- 定期的な更新 → 信頼感 → 通院継続につながる
- 写真や雰囲気 → 親近感 → 選ばれる理由になる
「患者さんの立場で読めるか?」という視点で、年に一度はホームページを点検してみましょう。
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