クリニック開業や経営の迷いを整理し、 自分なりの「納得解」で進むために。 ――医師の考えに伴走する対話型支援。

クリニック開業・経営コラム

初診患者が迷わないクリニックへ|今週見直したい院内導線チェック

初めて来院する患者さんは、体調の不安に加えて「どこに行けば良いのか」「どうすれば良いのか」という緊張を抱えています。医療の質が高くても、導線や案内が曖昧だと“通いづらさ”が残り、再来や紹介に影響します。この記事では、院長が今週すぐにできる見直しだけに絞って、現場に落とし込むヒントをまとめます。

1.“初診目線”で院内を一周する(入口→受付→待合→診察→会計)

スタッフにとって当たり前の流れでも、初診の方には未知の体験です。朝礼前に3分だけ、入口から会計までを初診のつもりで歩いてみると、迷いやすい地点が見えてきます。

  • 受付が複数:入口に「初診の方は▲番窓口」と掲示
  • 診察後の動線:ドア付近に「会計はこちら→」の矢印
  • 掲示の飽和:優先度の低い掲示を一時撤去し、視線誘導を整理
  • 処置室前:待機位置を床ピクトで明示(足形や矢印)

ヒント:スタッフではなくご家族・友人の“初見レビュー”を1回お願いすると、改善点が一気に明確になります。

2.Before/Afterで伝わり方が変わる(現場の小改善)

Before:初診患者が受付前で戸惑い、スタッフがその都度声かけを行う状態。

After:入口に「初診の方はこちら」掲示+床矢印。受付混雑が緩和し、声かけ回数が減少。患者の不安が目に見えて小さく。

小さな表示の追加や掲示の整理だけでも、“迷わず流れる”体験が生まれます。これは満足度だけでなく、スタッフ負荷の軽減にもつながります。

3.ホームページで“来院前の安心”を設計する(写真+短文)

来院前に院内の流れを写真で可視化すると、初診の緊張が大きく下がります。外観/入口/受付/待合/処置室前の写真に、10〜15字の短文を添えるだけで十分です。

  • 外観:「〇〇通り沿い・駐車場〇台」
  • 入口:「ベビーカーOK・段差なし」
  • 受付:「初診の方は保険証をご提示ください」
  • 待合:「診察までこちらでお待ちください」
  • 処置室前:「順番になりましたらお呼びします」

ホームページ制作会社と相談し、「初診案内」ページに写真をまとめる構成にすると、より効果的です。院内でも矢印やサインを統一し、視覚的にわかりやすい導線に整えると、患者さん・スタッフ双方にとって快適になります。

4.毎週3分の“導線点検”で、迷いゼロを維持する

今週のチェック(朝礼前3分)

  • 入口と受付に「初診はこちら」が見える位置にあるか
  • 診察室出口に「会計はこちら→」の矢印があるか
  • 掲示が増えすぎていないか(優先度の低いものは一時撤去)

定期点検のコツは、増やすより“減らす”こと。情報量をしぼるほど、安心して動けます。

5.導線改善は「見えない経営投資」

  • 再来率が上がる:初診不安が軽く、次回も来院しやすい
  • 口コミが増える:「感じが良い」「分かりやすい」が共有される
  • スタッフ負荷が減る:誘導の声かけ回数が目に見えて減る

医療の質と同じくらい、患者体験の滑らかさが信頼を生みます。小さな見直しから始めましょう。

頭の中の“もやもや”を整理し、次の一歩を見つけたいときに

日々の診療や運営のなかで生まれる「言葉にしづらい違和感」を、一緒に言葉にしていきます。
初回整理セッションでは、経営の前提となる“考え”を丁寧に言語化し、納得感のある方向性を探ります。

即答よりも、「腑に落ちる」時間を大切にしています。まずは話すことから、整理がはじまります。

🗣️ 初回整理セッション(60分)

受付導線・スタッフ体制・情報発信・運営設計など、院内の“もやもや”を一緒に整理します。

▶ 初回整理セッションを申し込む

初回整理セッションの詳細はこちら

「即答より、納得を。」──まえやまだ純商店の考え方はこちら

記事一覧