ポリファーマシーとは


ポリファーマシー(Polypharmacy)は、一般に「5種類以上の薬剤を継続的に服用している状態」と説明されることが多いですが、 本質は薬剤数の多さ自体ではなく、不必要または有害な薬剤が含まれていることにあります。 特に高齢者に多く見られ、服薬アドヒアランスの低下、副作用・相互作用の増加、医療費の増大などが問題になります。


背景と課題


日本の高齢化は急速に進んでおり、複数の慢性疾患を抱える患者さんは今後さらに増加します。 糖尿病・高血圧・脂質異常症・心疾患などが重なると、ガイドライン準拠でも薬剤数が増え、 ポリファーマシーにつながりやすい構造があります。さらに複数診療科からの処方惰性的な継続処方が整理されないまま続くことも課題です。


診療報酬改定との関係


これまでの改定では「薬剤総合評価調整加算」など、是正のための評価が導入されてきました。 次回改定に向けても、薬剤適正使用の推進や多職種連携の強化が議論されており、 クリニックにおける薬剤管理体制は一層重視される可能性があります。


クリニックでの具体的対応策



  • 定期的な処方レビュー:診療のタイミングで薬剤一覧を確認し、不必要な薬の中止や簡素化を検討

  • 薬剤師との連携:院内・院外の薬局と情報共有し、服薬状況をモニタリング

  • 患者さんへの説明:服薬の目的や副作用の可能性を丁寧に伝え、減薬への理解を得る

  • 包括的診療:生活習慣病管理の一環として薬物療法の全体最適を意識


患者さんへの周知と地域連携



  • 院内ポスターやパンフレットで「薬を整理することの大切さ」を啓発

  • ホームページやブログで情報発信し、患者さん自身の気づきを促す

  • 在宅医療や訪問薬剤管理と連携し、継続的な見直し体制を構築


まとめ


ポリファーマシーは「薬剤数」ではなく、必要性とリスクのバランスをどう保つかが本質です。 診療報酬の動向を踏まえ、内科クリニックの積極的な介入がいっそう重要になります。


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