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クリニック開業・経営コラム

2026年診療報酬改定|生活習慣病管理料の見直しと紹介患者受入加算をどう整理するか

※2026年2月19日更新(答申内容を反映)

2026年診療報酬改定の答申が公表されました。
今回の改定で目立つのは、日々の外来の「受け止め方」や「つなぎ方」に直結する見直しです。

点数の増減というよりも、
「どの役割を引き受けるのか」をはっきりさせる改定だと感じています。


① 特定機能病院等紹介患者受入加算(60点)の新設

答申では、新たに
特定機能病院等紹介患者受入加算(60点)
が新設されました。

対象は、診療所または200床未満の病院です。
特定機能病院・地域医療支援病院などから紹介を受けて初診を行った場合に評価されます。

これは「紹介を増やすための施策」というより、
大病院から地域へ、外来を移していく流れを後押しする整理と読むのが自然です。

ここで大切なのは、
「紹介が来るかどうか」ではなく、
紹介を受けたときに、無理なく受け止められる外来になっているかです。

  • 予約・受付の時点で「紹介あり」を共有できる
  • 紹介患者を受ける枠を、無理のない範囲で確保している
  • 「ここまで診る/ここから戻す(再紹介する)」を言葉にできる

② 生活習慣病管理料の見直し

生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)についても見直しが示されました。
とくに大きいのは、「生活習慣病の管理として何を評価するのか」が、より明確になった点です。

■ 管理の範囲がより明確に

生活習慣病管理料(Ⅱ)は、
生活習慣に関する総合的な治療管理を評価するものと整理されました。

そのうえで、当該管理の範囲を超える医学管理や、生活習慣病とは直接関係が薄い管理、
時間外対応・救急対応に関する管理、情報提供等に関連する評価は、
包括の考え方が見直される方向が示されています。

ここで言いたいのは、制度が「細かい項目を増やした」というより、
生活習慣病の管理を“何でも入れ込む箱”にしない方向を明確にした、ということです。

外来での判断が、次のように曖昧なままだと、運用が苦しくなります。

  • 生活習慣病の患者さんを「どこまで自院で診るのか」をはっきり説明できない
  • 生活習慣病の管理と、それ以外の管理が混ざったままになっている
  • 制度変更のたびに、その場しのぎの対応が増えていく

逆に、
「ここまでは生活習慣病の管理として診る/ここからは別の管理として扱う」
という考え方が言葉になっていれば、改定が来ても揺れにくくなります。


③ 糖尿病患者の眼科・歯科連携(各60点)の新設

糖尿病を主病とする患者について、
眼科医療機関連携強化加算(60点)歯科医療機関連携強化加算(60点)
が新設されました(年1回)。

これは、
必要に応じて他科につなぐことを、きちんと評価する
というメッセージです。

「自院で抱え込む」よりも、
「適切につなぐ」ことが前提になっていきます。

ただ、現場ではここがつまずきやすいところです。
例えば、次のような状態になっていないでしょうか。

  • 眼科や歯科への紹介が、その場の判断や先生個人の感覚に任されている
  • 紹介するタイミングが院内で揃っていない
  • 患者説明の言い回しが、毎回ゼロからになっている

今回の改定は、
「連携が、個人の頑張りに寄りすぎていないか」
を見直すきっかけにもなります。


④ 生活習慣病管理料(Ⅰ)の検査要件の明確化

生活習慣病管理料(Ⅰ)では、
原則として、必要な血液検査等を少なくとも6か月に1回以上行うことが要件とされました。

形式的に「管理していること」にするのではなく、
状態を見ながら、適切に管理しているかがより問われる方向です。

制度の判断で迷う院長へ

今回の改定のように「受け止め方」と「つなぎ方」が動く局面では、点数そのものよりも、 どこまで診る/どこからつなぐの線引きで迷いが増えやすくなります。 そうした論点を、Q&A形式で整理しています(制度の“正解”を断定するのではなく、考える順番を整えるためのページです)。

院長の経営相談Q&Aを見る


まとめ|点数より、「どこまで診る/どこからつなぐ」

2026年改定は、
新しいことを大量に始める改定というよりも、
これまでの診療の役割を、より明確にする改定だと受け止めています。

点数を追う前に、

  • どこまで診るのか
  • どこからはつなぐのか
  • どの役割を引き受け、どこは引き受けないのか

を整理することが、結果として安定につながります。

もし今回の改定をきっかけに、
「自院の場合、何から整理すればいいのか分からない」
と感じているのであれば、
一度、論点を言葉にしてみる時間を持つのも一つの方法です。

改定が本格運用に入る前に、一度立ち止まって整理しておくかどうかで、来年度の負担は大きく変わります。


参考資料(出典)

本記事は、厚生労働省の令和8年度診療報酬改定に関する答申資料(該当抜粋)をもとに整理しています。
中央社会保険医療協議会 総会(第647回)個別改定項目について(2026年2月13日公開)

  • 生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の見直し、眼科・歯科連携強化加算、検査要件:該当ページ 286〜290
  • 特定機能病院等紹介患者受入加算(新設 60点):該当ページ 328

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