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特定機能病院等紹介患者受入加算とは?届出・対象病院・算定要件と連携強化診療情報提供料との違い

特定機能病院等紹介患者受入加算は、対象となる病院から紹介を受け、 診療所または許可病床数200床未満の病院が初診を行った場合に、 60点を算定する加算です。

地方厚生局への事前届出は不要ですが、紹介元が対象病院に該当するか、 初診料を算定する診療であるかを確認する必要があります。

最初に確認したい結論

点数 60点
算定する医療機関 診療所または許可病床数200床未満の病院
紹介元 特定機能病院、地域医療支援病院、紹介受診重点医療機関、一定規模以上の病院など
届出 不要
主な確認事項 紹介元の区分、初診への該当、紹介を受けた事実

2026年度診療報酬改定では、外来機能の分化と病診連携を進める観点から、 この加算が新設されました。

本記事では、届出、対象病院、算定要件に加え、 連携強化診療情報提供料との違いや院内運用のポイントを整理します。

※本記事について
厚生労働省の令和8年度診療報酬改定に関する公表資料等をもとに、 2026年7月時点で整理しています。 実務では、最新の通知、疑義解釈、記載要領等もご確認ください。


目次


1.特定機能病院等紹介患者受入加算とは

特定機能病院等紹介患者受入加算は、 大病院等から地域の医療機関へ紹介された患者を、 クリニック等が初診で受け入れることを評価する点数です。

点数は60点です。 対象病院から紹介された患者について、 診療所または許可病床数200床未満の病院が初診を行った場合に算定します。

背景には、専門的な治療は病院、日常的な診療や継続管理は地域の医療機関が担うという、 外来機能分化の考え方があります。

2.算定要件

算定時には、主に次の点を確認します。

  • 紹介元が制度上の対象病院に該当すること
  • 紹介先が診療所または許可病床数200床未満の病院であること
  • 紹介患者について初診料を算定する診療を行うこと
  • 対象病院から紹介を受けた事実を確認できること

紹介状があれば必ず算定できるわけではありません

紹介状の有無だけでなく、紹介元の区分や初診料への該当など、 個々の患者について要件を確認します。

3.届出は必要か

特定機能病院等紹介患者受入加算は、 地方厚生局への事前届出は不要です。

施設基準の届出後に算定を開始する仕組みではなく、 個々の診療について要件を満たしているかを判断します。

確認の要点

  • 事前届出は不要
  • 対象病院からの紹介であることを確認する
  • 初診料を算定する診療かを確認する

4.対象となる病院

紹介元となる主な医療機関は、次のとおりです。

  • 特定機能病院
  • 地域医療支援病院
  • 紹介受診重点医療機関
  • 許可病床数400床以上の病院

ただし、地域医療支援病院、紹介受診重点医療機関、 許可病床数400床以上の病院については、 一般病床200床未満の病院が除かれる取扱いに注意が必要です。

病床数だけで判断せず、その病院が対象区分に該当するかを、 厚生労働省や都道府県等の最新資料で確認します。

対象病院の確認方法

近隣からの紹介が多い場合は、対象病院の一覧を院内で作成し、 受付や医事担当者が確認できる状態にしておくと運用しやすくなります。

区分が変更される可能性もあるため、 一覧には作成日や最終確認日を記載しておくとよいでしょう。

5.算定できる医療機関

算定できるのは、 診療所または許可病床数200床未満の病院です。

患者を紹介した大病院側ではなく、 紹介を受けて初診を行ったクリニック等が算定します。

算定の流れ

対象病院から紹介 → クリニック等で初診 → 紹介を受けた医療機関が60点を算定

6.連携強化診療情報提供料との違い

連携強化診療情報提供料は、 紹介後も医療機関同士が継続して治療管理を行い、 診療状況を示す文書を提供することを評価する点数です。

点数は150点で、 情報提供を行う医療機関ごとに患者1人につき 3か月に1回算定できます。

紹介から継続管理までの流れで整理する

  1. 新たに他の医療機関へ紹介する 患者の同意を得て、診療状況を示す文書を添えて紹介した場合は、 紹介元が診療情報提供料(Ⅰ)250点を算定します。
  2. 対象病院からの紹介患者を初診で受け入れる 要件を満たした診療所等が、 特定機能病院等紹介患者受入加算60点を算定します。
  3. 紹介後も共同して継続管理する 患者の同意を得て診療情報を文書で共有した場合は、 要件を満たす医療機関が連携強化診療情報提供料150点を算定します。
項目 特定機能病院等紹介患者受入加算 連携強化診療情報提供料
点数 60点 150点
評価する場面 対象病院からの紹介患者を初診で受け入れる場面 紹介後も継続して診療情報を共有する場面
算定する側 紹介を受けて初診を行った診療所等 診療情報を文書で提供した医療機関
主な前提 対象病院からの紹介、初診料の算定 患者の同意、継続管理、文書による情報提供等
算定回数 要件を満たす初診時 情報提供先ごとに3か月に1回
事前届出 不要 不要

違いを簡単に整理すると

  • 特定機能病院等紹介患者受入加算: 紹介患者を初診で受け入れることへの評価
  • 連携強化診療情報提供料: 紹介後も継続的に情報共有することへの評価

診療情報提供料(Ⅰ)との同月算定

連携強化診療情報提供料は、同一患者について、 同一の医療機関に対して診療情報提供料(Ⅰ)を算定した月には、 別に算定できません。

この制限は、連携強化診療情報提供料と診療情報提供料(Ⅰ)の関係です。 特定機能病院等紹介患者受入加算の算定要件とは分けて確認します。

初診日に行った情報提供

連携強化診療情報提供料は、 初診料を算定する日に行った情報提供は原則として算定対象外です。 個別の取扱いについては、最新の通知や疑義解釈をご確認ください。

7.カルテ・レセプト確認のポイント

紹介を受けた事実を確認できる記録を残す

紹介状を保存するとともに、電子カルテ上でも、 紹介元医療機関や紹介状を確認したことが分かる状態にしておくと、 算定根拠を確認しやすくなります。

記録項目の例

  • 紹介元医療機関名
  • 紹介状を確認した日
  • 紹介を受けて受診したこと
  • 初診料を算定する診療であること
  • 紹介状等の保存場所

具体的な記載文言が一律に定められているとは限りません。 自院の電子カルテや院内ルールに合わせて、 算定根拠を確認できる方法を決めておきます。

レセプトコメントやコメントコード

コメントの要否や入力方法は、 最新の記載要領、診療行為マスター、 レセプト電算処理システムの仕様等を確認します。

レセコン上の操作や審査上の取扱いが不明な場合は、 レセコン事業者や審査支払機関等へ確認してください。

8.院内運用で決めておきたいこと

安定して算定するためには、 受付、診察、カルテ記載、レセプト確認までを 一連の院内フローとして整理しておく必要があります。

対象病院の一覧を共有する

近隣の対象病院を一覧にし、 受付や医事担当者が確認できる場所に置いておくと、 算定漏れや確認漏れを防ぎやすくなります。

受付での確認方法を決める

紹介状を持参した患者について、 誰が紹介元を確認し、判断できない場合に誰へ確認するかを決めます。

患者さんへの説明をそろえる

病院から紹介された患者さんには、 今後の診療をどの医療機関が担当するのかを説明します。

説明例

  • 「日常的な診療は当院で継続します」
  • 「必要な場合は紹介元の病院とも情報を共有します」
  • 「状態が変化した場合は病院への紹介を検討します」

制度要件と院内運用は分けて考える

算定要件は全国共通ですが、 誰が対象病院を確認し、どこへ記録し、 どの段階でレセプトを確認するかは医療機関ごとに異なります。 「誰が・いつ・何を確認するか」まで決めておくことが大切です。

9.よくある質問

届出は必要ですか

地方厚生局への事前届出は不要です。 個々の患者について算定要件を確認します。

紹介状があれば必ず算定できますか

紹介状があるだけでは算定できません。 紹介元が対象病院に該当するか、 初診料を算定する診療かなどを確認します。

対象病院はどこで確認できますか

厚生労働省、都道府県、地方厚生局等が公表する 最新の資料で確認します。

カルテには何を記載すればよいですか

紹介元医療機関名、紹介状を確認したこと、 紹介を受けて初診を行ったことなど、 算定根拠を確認できる記録を残します。

レセプトコメントやコメントコードは必要ですか

最新の記載要領や診療行為マスター等で確認します。 操作方法や審査上の取扱いは、 レセコン事業者や審査支払機関等へ確認してください。

連携強化診療情報提供料と診療情報提供料(Ⅰ)は同じ月に算定できますか

同一患者について、同一の医療機関に対して 診療情報提供料(Ⅰ)を算定した月には、 連携強化診療情報提供料を別に算定できません。

退院後に紹介された患者も対象ですか

退院後であることだけでは決まりません。 紹介元が対象病院に該当し、 紹介先で初診料を算定する診療を行うかなどを確認します。

10.まとめ

特定機能病院等紹介患者受入加算は、 対象病院から紹介された患者を、 地域の診療所等が初診で受け入れることを評価する60点の加算です。

  • 地方厚生局への事前届出は不要
  • 算定するのは紹介を受けた診療所または200床未満の病院
  • 紹介元が対象病院に該当するかを確認する
  • 紹介状があるだけで必ず算定できるわけではない

紹介する場面では診療情報提供料(Ⅰ)、 紹介患者を初診で受け入れる場面では特定機能病院等紹介患者受入加算、 紹介後も共同管理する場面では連携強化診療情報提供料が関係します。

制度を理解したあとは、 対象病院の確認、カルテ記載、紹介状の保存、 レセプト点検などを自院の運用に合わせて整理することが大切です。

参考資料(出典)

※実務では、最新の点数表、留意事項通知、疑義解釈、 記載要領、診療行為マスター等もあわせてご確認ください。

まえやまだ純商店 前山田純

この記事を書いた人

前山田 純 まえやまだ純商店

2011年から医療機関の開業・経営支援に従事。 診療報酬や施設基準への対応、院内業務の整理、 スタッフへの共有などに携わってきました。 制度上の要件と、自院で決める運用上の論点を分けて整理し、 院長が判断しやすい状態をつくることを大切にしています。

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