ベースアップ評価料とは?制度の背景とクリニック経営の整理
更新日:2026年3月7日
本記事は2026年6月施行予定の制度をもとに整理しています。今後、厚生労働省から疑義解釈等が公表された場合は、内容を順次更新してまいります。
2026年度診療報酬改定では、医療機関の人材確保と賃金改善に関わる制度として、ベースアップ評価料の整理が示されました。
これは単なる点数の追加というよりも、医療提供体制を維持するための政策としての診療報酬という側面が強い制度です。
ベースアップ評価料とはどのような制度なのでしょうか。
本記事では、制度の目的や背景を整理し、クリニック経営への影響という視点から考えていきます。
- ベースアップ評価料とは
- なぜこの制度が生まれたのか
- 制度の趣旨を理解する意味
- 制度は永続するとは限らない
- クリニック経営という視点
ベースアップ評価料とは
ベースアップ評価料は、医療機関の職員の賃上げを目的として設けられた診療報酬です。
制度の特徴は、医療機関の利益を増やす制度ではなく、スタッフの処遇改善を目的とした制度であることです。
評価料として得られた原資は、
- 基本給
- 賞与
- 時間外手当
- 法定福利費
など、職員の賃金改善に充てることが前提となっています。
つまり制度としては、
- 売上は増える
- 利益として残る制度ではない
という特徴があります。
なお、ベースアップ評価料は、医療機関に勤務する職員の賃金改善を目的としています。
対象となるのは主に、
- 看護師
- 医療事務職員
- 看護補助者
- リハビリ職種
- その他医療機関で勤務する職員
などです。
2026年度改定では、対象職員の範囲拡大も示されており、従来よりも幅広い職員の賃上げを支える制度として位置づけられています。
一方で、医師を含めるかどうかなどの細かな取り扱いは、通知や疑義解釈まで含めて確認することが重要です。
なぜこの制度が生まれたのか
ベースアップ評価料が設けられた背景には、医療機関を取り巻く環境の変化があります。
- 物価の上昇
- 人件費の上昇
- 医療人材の不足
といった問題が強く意識されてきました。
そのため今回の制度は、医療機関の収益制度というよりも、医療提供体制を維持するための政策的制度という側面があります。
単に「点数が付いた」という話ではなく、現場で働く人を確保し、地域の医療体制を維持するために設計された制度として見る必要があります。
制度の趣旨を理解する意味
診療報酬制度は、単に医療機関の収益を調整する仕組みではありません。
医療提供体制を維持するための政策として設計されることも多くあります。
ベースアップ評価料もその一つであり、医療人材の確保や医療提供体制の維持といった政策目的を背景としています。
そのため、算定するかどうかを考える際にも、目先の増収だけで判断するのではなく、
- 自院の人員体制
- 今後の採用・定着
- 賃金改善をどう継続するか
といった経営全体の視点で整理することが大切です。
制度の内容は理解できたものの、自院としてどう位置づけるか迷う場合は、判断整理の入口ページも参考になります。
制度は永続するとは限らない
診療報酬制度は、社会状況や政策の影響を受けて変化します。
現在の制度が長期的に続くとは限らないという視点も持っておく必要があります。
特にベースアップ評価料は、物価・賃金・人材確保という社会的課題への対応として設計されているため、今後の経済状況や政策判断によって見直される可能性があります。
制度があるうちに対応するだけでなく、制度に頼らなくても人材を維持できる体制づくりまで考えておくことが重要です。
クリニック経営という視点
ベースアップ評価料は、単なる制度対応ではなくクリニック経営にも関わるテーマです。
制度の背景を整理することで、院長としての経営判断を考えやすくなります。
たとえば、
- どこまで賃金改善を継続できるのか
- 採用や定着にどうつなげるのか
- 自院の役割や診療体制と整合しているのか
といった視点は、単なる届出実務だけでは見えてきません。
制度の意味を理解したうえで、自院にとってどう位置づけるかを整理することが、今後の経営判断につながります。
診療報酬制度は政策の影響を受けながら変化していきます。制度の意味を理解することは、院長として経営判断を整理するうえでも重要です。
経営判断に迷ったときの整理については、こちらの記事でも解説しています。
制度対応をどう整理するか迷った院長へ
ベースアップ評価料は、制度の解説だけでは判断が難しいテーマです。
自院の人員体制や賃金改善の考え方を含めて整理したい場合は、まず入口ページをご覧ください。
はじめての方へ|入口ページを見るベースアップ評価料を算定すべきかという判断そのものを整理したい方は、こちらの記事もご覧ください。
制度対応をどう整理するか迷った院長へ
制度の理解だけでなく、自院としてどう位置づけるかを整理する時間があります
ベースアップ評価料は、点数の解説だけでは判断が難しい制度です。
人員体制・採用・定着・賃金改善をどこまで継続するかまで含めて考える必要があります。
整理の進め方が合いそうか確かめたい方は事前ミーティングをご利用いただけます。
※売り込みは行いません。合わないと感じた場合は、その時点で終了で構いません。
※相談内容が整理されていなくても問題ありません。