30代・40代のお金の不安と向き合う──正解ではなく“納得解”をつくる

30代・40代に重なるお金の不安
30代・40代は、お金の不安が一気に重なりやすい時期です。住宅ローンや子どもの教育費、老後資金に加え、親の介護が始まることもあります。開業を考えている医師にとっては、「この先、生活していけるのか」「どこで開業すれば流行るのか」という問いがつきまとうのも自然なことです。
実は、私自身も2025年現在42歳で、小さいながらも個人事業主として活動しています。毎月の収入の変動や将来への不安は、常に頭の片隅にあります。だからこそ、同じ世代である開業医や、これから開業を考える先生方の気持ちに共感しながら、この文章を書いています。
正解探しではなく、生き方から考える
不安に向き合うとき、どうしても「正解」を探したくなります。「どこなら安心か」「どうすれば患者さんが集まるか」といった問いに答えを求める気持ちは、ごく当たり前の反応です。診療圏調査や収支シミュレーションが大切なのも確かです。ただ、それだけを追いかけてしまうと、本当に大事なことを見失いかねません。
それは、「自分がどう生きたいのか」という視点です。どんな日々を送りたいのか。家族との時間をどれくらい大切にしたいのか。地域の中で、どんな存在でありたいのか。こうした問いに答えを見つけることが、お金の不安と上手に付き合う最初の一歩になるのではないでしょうか。
開業無料相談で多い質問
開業無料相談でも、よく次のような質問をいただきます。
「どこで開業すればいいでしょうか」
「どうやったら流行りますか」
「生活していけますか」
もちろん大切な問いです。ただ、その前にお話ししているのは、「何を提供して、どのように対価を得たいのか」ということです。
提供する“サービス”を明確にする
ここでいう「提供するもの」とは診療科目ではなく、患者さんや地域にどんなサービスや価値を届けたいのか、という視点です。たとえば「生活習慣病を長期的に見守りたい」「地域の高齢者に安心して相談してもらいたい」といった想いが、それにあたります。
それが“自分の軸”になります。軸があると、立地やサービスの選び方もぶれにくく、困難に直面しても「なぜ開業したのか」を思い出せます。逆に軸がないままでは、数字や周囲の声に振り回され、「本当にこれでよかったのか」と迷い続けることにもなりかねません。
ここで一息──正解を求めたくなる気持ち
開業を考えるときに「正解」を求めたくなるのは、人として自然なことです。大きな投資を前に安心したい、医師として正解に慣れている、失敗を避けたい、周囲に説明責任がある、不確実性に耐えるのが難しい――こうした理由から「これが正しい」と言ってほしくなるのです。
ただし、経営や生き方には唯一の答えはありません。だからこそ「正解を探す」のではなく、「自分なりの納得解をつくる」ことが大切になります。
お金の不安を判断基準に変える
お金の不安を完全に消すことはできません。けれども、「自分はどう生きたいか」という軸を持てば、その不安は迷いではなく判断基準へと変わります。たとえば「家族との時間を大切にしたい」という軸があれば、診療時間やスタッフ体制の決め方が見えてきますし、「地域で信頼されるかかりつけ医でありたい」という軸があれば、情報発信や地域活動の方向性も自然と定まります。
ここでお伝えした内容は、あくまで一つの考え方にすぎません。正解はひとつではなく、医師の数だけ答えがあります。ですから当社の無料相談でも「これが正しい」と断定することはなく、いくつかの選択肢を提示し、ご自身で納得できる方向を選んでいただくことを大切にしています。
考えを整理するための相手としての無料相談
初対面で「どう生きたいか」を語るのは、躊躇される方も多いでしょう。それで構いません。まずは考えを整理するための相手として、気軽に話していただくだけでも、何かしらの発見や気づきにつながるかもしれません。
※本記事は2025年に執筆しました。
関連記事
・勤務医から開業医へ――QOLより先に“事業の土台”を固める理由
・自己資金ゼロでクリニック開業は可能か?
・正解を示すのではなく、課題を共に探る支援
・クリニック創業時の自己資金の考え方
・クリニック開業時に金融機関が融資審査でチェックするポイント|自己資金・返済能力・審査基準・診療圏調査
まずは「考えを整理する」無料相談から
正解をお渡しするのではなく、複数の選択肢をご提示し、先生ご自身の軸に沿った“納得解”づくりを支援します。
無料相談の予約・お問い合わせ