スタッフが“続く”職場に共通する、院長の日常の関わり方
はじめに
スタッフが長く働き続けることは、どんなクリニックにとっても大きなテーマです。
ただ、現実には「評価制度もない」「マニュアルも整っていない」という環境の方が多いのではないでしょうか。
それでも定着率を高めているクリニックには、共通点があります。経営者の日常的な関わり方が温かく、一貫しているということです。
制度やお金をかけずとも、日々の小さな行動の積み重ねで「ここで働き続けたい」と思える職場はつくれます。
この記事では、スタッフ定着(離職防止)の観点から、今日から実践できる具体策を整理します。
1.感謝と声かけを「後回しにしない」
最小コストで最大効果。まずは一言の質と頻度を上げるところから。
「ありがとう」「助かったよ」──その一言が、スタッフの心を支えます。
小さなチームほど、院長の言葉が職場の空気を決めます。
忙しいときほど感謝の言葉は後回しになりがちですが、あえて意識的に伝えるだけで雰囲気は大きく変わります。
「自分の仕事が認められている」という実感が、明日も頑張ろうという力になります。
2.理念や想いを、日常会話の中で共有する
会議だけでなく“ふだんの一言”で意味づけを重ねる。
「うちのクリニックをどうしていきたいのか」。
経営者の想いをスタッフが理解できるかどうかは、定着に直結します。
たとえば「地域に根ざしたかかりつけ医でありたい」という理念を、会議で掲げるだけでなく、日常のエピソードとして伝える。
「今の対応、まさにうちの理念につながってるね」といったフィードバックを重ねることで、スタッフも自分の仕事の意味を実感できます。
3.小さな裁量を任せ、自信を育てる
“任せる→認める”の循環が、スタッフ定着の土台になる。
「自分に任されている仕事がある」と感じられることが、働き続けるモチベーションにつながります。
大きな仕事を任せる必要はありません。たとえば、
- 待合室の掲示を季節に合わせて工夫してもらう
- 患者さんへの案内方法を改善してみてもらう
といった小さな裁量でも十分です。
そのうえで「いい工夫だったね」「助かったよ」と声を添えると、スタッフの中に“信頼されている”という実感が残ります。
4.無理のない働き方を一緒に考える
“助け合える前提”を示すことが、安心して続けられる条件になる。
少人数のクリニックでは、一人が無理をすると全体に波及します。
だからこそ「お互いに助け合える」環境をつくることが大切です。
急な家庭の事情や体調不良が起きたときも、「大丈夫、みんなでカバーしよう」という院長の姿勢が伝われば、安心感が生まれます。
それは同時に「ここなら続けられる」という信頼にもつながります。
5.月に一度の“立ち止まり”を習慣にする
形式より“頻度と安全性”。雑談ベースで早期の温度調整を。
忙しい日々の中でも、月1回でもいいので“立ち止まる時間”をつくりましょう。
形式ばった会議でなくても構いません。
昼休みや終業後に「最近どう?」「何か困っていない?」と声をかけるだけでも十分です。
こうした小さな対話の積み重ねが、早めの不満解消やチームの温度調整につながります。
小さな行動が、職場を変えていく
開業初期は、診療や経営で精一杯になりがちです。
完璧なマネジメントを目指すよりも、まずは「今日できる一歩」から始めましょう。
1日1回の感謝の言葉、スタッフの表情を見てのひと言──。
その小さな積み重ねこそが、スタッフが安心して働ける空気を育てていきます。
まとめ
スタッフが長く働き続けるために必要なのは、特別な制度や複雑な評価システムではありません。
経営者の日常のふるまい、その積み重ねこそがチームを支えます。
- 感謝の言葉を後回しにしない
- 理念や想いを日常の中で共有する
- 小さな裁量を任せる
- 無理のない働き方を一緒に考える
- 月に一度の“立ち止まり”を習慣にする
「続けてもらう」ために必要なのは仕組みではなく、関係性。
その関係性を育てる第一歩は、院長自身の小さな行動から始まります。
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