サッカー戦術から考えるクリニック経営 — 川崎フロンターレの全員サッカーに学んで

私は川崎フロンターレのサポーターで、毎シーズン、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu(等々力陸上競技場)に通えるようシーズンチケットを購入して応援しています。
サッカー観戦をしていると、自然と「クリニック経営」と重ねて考えてしまうことがあります。
もちろん医療はサッカーの試合とは比べものにならないほど重い責任を伴います。
ただ、「組織をどう動かすか」「どう支え合うか」という観点では、サッカーから得られるヒントが少なくないのです。
カテナチオ=まずは失点しないこと
イタリア代表に象徴される戦術「カテナチオ」は、守備を徹底して1点を守り切る戦い方です。
クリニック経営に置きかえると、
- 経費を抑える
- 保険診療のルールを正しく理解して運営する
- 患者さんの満足を守る
つまり「大きな損失を避けること」が最優先、という考え方です。
フロンターレに学ぶ“全員サッカー”
一方で、川崎フロンターレの強さは「全員サッカー」。
これはピッチ上の選手だけでなく、スタッフ・スポンサー・地域、そしてサポーターまで含めて“一緒に戦う”という考え方です。
クリニックでも同じです。
医師やスタッフだけでなく、患者さんや地域の人たちも「一緒に支えてくれる存在」として考えると、経営の見え方が変わります。
- スタッフが役割を果たすことで、日々の運営が安定する
- 患者さんが信頼して通い続けることで、地域に根付く
- 地域全体が「このクリニックがあってよかった」と思うことで、長期的に支えられる
つまり「全員経営」です。
サッカーでいう“12人目の選手”がサポーターであるように、クリニックでも“患者さんと地域”が支えてくれる存在なのです。
そして、患者さんの立場に立てば、
「待ち時間が長いとつらい」「説明が分かりにくいと不安になる」
という当たり前の気持ちがあります。
だからこそ、スタッフ全員で声をかけ合い、導線を工夫することが、結果的に“守備”にも“攻撃”にもつながるのです。
今の医療が直面している課題
現実の医療経営には課題が山積みです。
- スタッフの採用が難しくなっている
看護師や事務スタッフを集めるのが年々大変になっています。サッカーで言えば、有力選手がなかなか取れないクラブのようなものです。 - デジタル化による効率化が求められている
予約や会計を自動化したり、タブレットで問診を入力する仕組みが広がっています。サッカーでいえば、データや分析を活用してチームを強くするような取り組みに近いです。
守備を固めるだけではなく、こうした“新しい工夫”を取り入れることで、攻撃にもつなげられます。
守備と攻撃の両立
経営をサッカーにたとえるなら、
- カテナチオ型で失点を減らし、倒れない体制をつくる
- フロンターレのように全員で前へ出て、地域の期待に応える
この2つをバランスよく組み合わせることが、持続可能なクリニック経営につながります。
おわりに
サッカーには「守る」戦術も「攻める」戦術もあります。
クリニック経営も同じで、まずは安定を守り、そのうえで地域や患者さんと一緒に前に進むことが大切です。
私は「まえやまだ純商店」という屋号で、クリニック開業・運営の伴走支援を行っています。
フロンターレの全員サッカーのように、医師・スタッフ・患者さん・地域が一緒になって支え合うクリニックを実現するために、院長先生と一緒に考え続けていきたいと思います。
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