サッカー戦術から学ぶチーム経営の本質|フロンターレの“全員サッカー”に見るクリニック運営のヒント
サッカーを観ていると、チームの動き方とクリニック運営が重なって見えることがあります。私は川崎フロンターレのサポーターとして、等々力のスタンドから“全員で戦う”姿を見続けてきました。
医療とサッカーはまったく異なる世界ですが、「守る」「攻める」「支え合う」という考え方には共通点があります。本稿は、特定の診療科に限らず、どのクリニックにも通用するチーム運営のヒントをまとめたものです。
1.カテナチオに学ぶ:「倒れないチーム」をつくる
イタリアの戦術「カテナチオ」は、守備を徹底し失点を最小化する考え方。経営で言えば、まず大きなリスクを減らすことです。
- 経費・在庫を適正化し、固定費の暴走を防ぐ
- 療養担当規則や医療広告ガイドラインを丁寧に遵守する
- 患者・スタッフ・地域との信頼を損なわない運営を徹底する
“守備”とは、短期利益より信頼のマネジメントを優先する姿勢です。
2.フロンターレに学ぶ:“全員サッカー”の組織連携
川崎フロンターレの強さは、ピッチの11人に限らず、スタッフ・スポンサー・地域・サポーターまでが一体となること。クリニックも同じで、医師・スタッフ・患者・地域の「全員経営」が基盤になります。
- 受付が不安を受け止め、看護師が生活変化に気づき、医師が全体を方向づける
- 小さな“ありがとう”をチームで共有し、前向きな循環をつくる
- 地域から「このクリニックがあってよかった」と思われる関わり方を増やす
3.「守り」と「攻め」を同時に機能させる
戦術が優れていても、攻守の切り替えが遅ければ勝てません。経営も同様に、守り(安全・規範)と攻め(改善・挑戦)の両立が鍵です。
- 守り:規則遵守・インシデント共有・院内掲示/説明文書の整備
- 攻め:ICT/医療DXの段階導入、スタッフ育成、地域連携の拡充
偏ると、守りすぎて進化が止まる/攻めすぎて足元が崩れる——。守りながら攻めることが、続く運営の条件です。
4.チーム経営のチェックリスト
- 役割分担は明確か(誰が・いつ・何をするか)
- 情報共有の仕組み(朝会・引継メモ・チャット)は機能しているか
- 患者の声を定期的に振り返る場があるか(受付/看護の気づきを可視化)
- 月1回の“振り返りミーティング”で、小さな改善を継続できているか
5.おわりに――“戦術”より「考え方」をチームで共有する
最も大切なのは、目先の戦術より「考え方の共有」です。どれだけ仕組みを整えても、チームが同じ方向を向かなければ成果は続きません。
フロンターレの“全員サッカー”が教えてくれるのは、誰か一人ではなく、互いの役割を理解して支え合うチームが強いということ。
日々の診療では、①スタッフが安心して動ける環境づくり、②小さな改善の継続、③医師の「方向づけ」の言語化——この三つを積み重ねていきましょう。
経営は、戦術よりも「考え方」。
一人で抱えず、チーム全員で目的を共有すること。
それが、日々の現場を動かす“本当の強さ”です。
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即答よりも、「腑に落ちる」時間を大切にしています。まずは話すことから、整理がはじまります。
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