最終更新日:2026年6月10日

クリニック開業の準備では、電子カルテ、超音波検査装置、レントゲン装置、心電計など、さまざまな医療機器の導入を検討することになります。

その際によく出てくるのが、「リースと購入、どちらがいいのか」という疑問です。

月額負担を抑えやすいリース。資産として保有できる購入。どちらにもメリットとデメリットがあり、一概に正解を決めることはできません。

本記事では、医療機器のリースと購入の違い、費用や資金繰りへの影響、判断するときの考え方について整理します。
正解を一つ選ぶためではなく、自院に合った判断軸を整理するための補助線としてお読みください。

1. 医療機器のリースとは?

リースとは、リース会社が医療機器を購入し、その機器を一定期間利用する契約です。

クリニック側は毎月リース料を支払いながら機器を使用します。契約期間は5年〜7年程度が多く、契約満了後は返却・再契約・買い取りなどの選択肢を検討することになります。

開業時は多くの設備投資が重なるため、初期費用を抑える目的でリースを活用するケースもあります。

リースの特徴

  • 初期費用を抑えやすい
  • 毎月の支払額が一定になりやすい
  • 資金繰りを計画しやすい
  • 途中解約が難しい場合が多い
  • 総支払額は購入より高くなることがある

2. リースと購入の違い

リースと購入の違いは、単純に「月払いか一括払いか」だけではありません。

比較項目 リース 購入
初期費用 少ない 大きい
月額負担 発生する 借入がなければ少ない
総支払額 高くなることがある 比較的抑えやすい
資産計上 契約内容による 資産として保有
更新・入替 比較的検討しやすい 自己判断

どちらが有利かは、機器の種類や資金計画によって変わります。

そのため、「リースだから得」「購入だから得」と単純化するのではなく、開業全体の資金計画の中で考えることが重要です。

3. どちらが向いている?判断の考え方

リースか購入かを考える際は、まず開業全体の資金計画を見る必要があります。

リースが向いているケース

  • 開業時の自己資金を厚く残したい
  • 運転資金を優先したい
  • 機器更新の可能性が高い
  • 毎月の支出を平準化したい

購入が向いているケース

  • 十分な自己資金や融資枠がある
  • 長期間使用する予定である
  • 総支払額を抑えたい
  • 機器を資産として保有したい

実際には、「すべてリース」「すべて購入」ではなく、機器ごとに分けて考えるケースもあります。

例えば、長期間使用する大型機器は購入、更新頻度が高いシステム機器はリースといった組み合わせも考えられます。

4. 契約前に確認したいポイント

リースか購入かを判断する前に、次の項目を確認しておくことをおすすめします。

  • 総支払額はいくらになるか
  • 契約期間は何年か
  • 途中解約の条件はどうなっているか
  • 保守契約は含まれているか
  • 更新時の選択肢は何か
  • 開業後の資金繰りにどの程度影響するか

特に開業直後は、想定通りに患者数が伸びるとは限りません。

そのため、機器単体で考えるのではなく、患者数が想定より少なかった場合でも支払いを続けられるかという視点で確認しておきたいところです。

5. まとめ

医療機器のリースと購入に、すべてのクリニックに共通する正解はありません。

重要なのは、目先の月額負担や総額だけで判断するのではなく、開業後の資金繰りや診療方針まで含めて考えることです。

医療機器の導入は、単なる設備投資ではありません。
どのような医療を、どのような形で続けていくかという経営判断の一部でもあります。

医療機器選びの前に、判断の前提を整理しておきませんか

リースか購入かで迷うときは、契約条件だけではなく、開業全体の資金計画や診療方針がまだ整理しきれていないことがあります。

まえやまだ純商店では、正解を代わりに決めるのではなく、開業準備における論点や優先順位を整理する支援を行っています。

※実務代行ではなく、判断の前提を整理するための支援です。

はじめて利用される方は、支援の考え方や進め方もご覧ください。

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