はじめに ― 資金計画は「不安」から「整理」へ

開業を考えるとき、最初に浮かぶのは「どれくらいお金が必要なのか」という不安ではないでしょうか。
実際、診療科目・地域・規模によって必要資金は大きく異なります。
だからこそ大切なのは、「いくらかかるか」ではなく、「どう備えるか」の視点です。

1. 開業資金の基本構造を知る

開業資金は、大きく3つに分けて考えると整理しやすくなります。

  • 設備資金:内装工事費、医療機器、什器備品など
  • 運転資金:家賃、人件費、薬剤や消耗品など、開業後数か月分の運営費
  • その他費用:広告宣伝、調査費、開業支援サービスなど

「内装費を抑えるよりも、開業後の運転資金を確保する」──これは多くの先生が口をそろえて言うポイントです。
見た目よりも「続けられる余力」を残す設計が重要です。

2. 自己資金と融資の考え方

自己資金をどの程度準備するか、またどのくらい融資を受けるか。
これは「借りられる金額」ではなく、「無理なく返せる金額」を基準に考えることが大切です。

  • 自己資金は、金融機関に対する「信頼の証」になる
  • 融資は、返済可能額から逆算して決める
  • 「満額借りる=成功」ではなく、「長く続けられる形」が目的

初期投資を厚くすれば設備は整いますが、運営の余白が失われる危険もあります。
“今必要なもの”と“あとからでも導入できるもの”を分けて考えましょう。

3. 返済計画は“悲観的に”つくる

返済計画を立てるときは、理想よりも少し厳しめに見積もることをおすすめします。
特に開業初年度は、想定通りに患者数が増えないケースも多いからです。

  • 初年度は「余裕を残す」計画にする(例:3〜6か月分の運転資金)
  • キャッシュフローを毎月確認し、修正できる仕組みを作る
  • 返済のために診療をするという状況を避ける

数字だけではなく、「安心して診療に集中できるリズム」を整える。
それが資金計画を立てる本当の目的です。

4. よくあるつまずきと、その回避策

「内装にかけすぎて運転資金が足りない」「借入額を多く設定しすぎた」──これらは現場でよく聞く話です。
資金計画は「理想」よりも「現実」を起点に設計しましょう。

  • 内装・機器よりも、開業後の運転資金を優先
  • 返済スケジュールは、悲観シナリオで再計算
  • 採用・広告・人件費など、固定費の上振れを常に想定

将来の安心は、最初の数か月の余裕から生まれます。
“攻めより守り”の計画が、結果的に最短距離になります。

おわりに ― 数字よりも「続けられる形」へ

開業資金の正解は、誰かが決めてくれるものではありません。
先生ご自身がどんな医療を、どんなペースで続けたいかを整理するところから始まります。
その考え方を形にするために、私が伴走しています。

このままでいいのか、一度整理したほうがいいと感じたときに

開業準備や日々の診療を続けるなかで、「何となく引っかかっていること」をそのままにしていませんか。
初回整理セッションは、結論を急いで出す場ではなく、「今の考えを一度、整理する時間」です。

即答よりも、「腑に落ちる」時間を大切にしています。まずは話すことから、整理がはじまります。

🗣️ 初回整理セッション(60分)

例えば、こんな場面で使われています。

  • 開業準備を進める中で、判断に迷う場面が増えてきた
  • 制度や環境の変化を、どう捉えればいいのかわからない
  • 一人で考え続けるより、整理した方がいい気がしている
▶ 考えを整理する時間をつくる|初回整理セッション

※売り込みや即決を求めることはありません

初回整理セッションの詳細はこちら

「即答より、納得を。」── まえやまだ純商店が大切にしている考え方

まずは考え方を知りたい先生へ —— Podcastのご案内

日々の診療や経営の中で感じる、「言葉にしづらい違和感」や「判断の迷い」を、
制度や現場の視点を交えながら、声で整理していく番組です。

初回整理セッションの前に、私の考え方や伴走のスタンスを知りたいという先生にもおすすめです。

※外部サービスが新しいウィンドウで開きます

関連記事