ベースアップ評価料|令和8年度の提出対応の全体像を自院の区分別に整理【院長の経営相談Q&A】
本記事は「診療報酬改定(2026年)/ベースアップ評価料」に関する実務整理記事です。
令和8年度の制度移行に伴う提出対応を、自院の区分別に整理します。
本記事は、厚生労働省が公表している令和8年度ベースアップ評価料の届出・報告関係資料と、2026年5月8日までに発出された関連通知・疑義解釈(その5まで)をもとに、無床診療所を中心に整理しています。今後、追加の疑義解釈や事務連絡等が公表された場合には、内容を順次更新していきます。
ベースアップ評価料について、「すでに算定している場合も改めて届出が必要なのか」「令和8年6月から新たに算定する場合は何を確認すればよいのか」と迷う院長は少なくありません。
先に確認したいこと
- 令和8年3月31日時点でベースアップ評価料の届出を行っていたか
- 令和8年6月から新たに算定するのか
- 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)のみか、(Ⅱ)も関係するのか
- 様式95・96・98のどれが関係するのか
- 8月の中間報告・実績報告まで見通せているか
今回の制度移行では、単に提出期限だけを見るのではなく、自院がどの区分に当たるのかを先に整理することが大切です。
様式95・96・98の違いも、提出作業の違いというより、自院の制度上の位置づけの違いとして見た方が分かりやすくなります。
特に注意したいのは、継続算定側として整理できるかどうかです。高い点数区分の対象となる「継続的に賃上げを実施している医療機関」に該当するかは、原則として令和8年3月31日時点でベースアップ評価料の届出を行っていたかが重要になります。
4月以降に算定を開始した場合は、新規算定側として扱われる点に注意が必要です。
また、今回の届出対応は「6月1日必着」という締切だけで見ていると、実務上の動き方を見誤りやすくなります。5月下旬に届出が集中することを避けるため、地方厚生局では可能な限り5月18日までの提出への協力が案内されており、あわせて電子申請の利用開始は5月25日からとされています。
なお、制度の一次情報は厚生労働省の以下ページで確認できます。
まず整理するのは「自院がどの区分か」です
令和8年度の提出対応で最初に確認したいのは、次の3点です。
- 令和8年3月31日時点でベースアップ評価料の届出を行っていたか
- 令和8年6月から新たに算定するか
- 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)のみか、それ以外も関係するか
様式95・96・98の違いも、提出作業の違いではなく、こうした区分整理の結果として見えてくるものです。
先に様式を見に行くより、自院の位置づけを確かめる方が考えやすくなります。
なお、令和8年3月31日時点で届出を行っていなかった場合でも、一定水準以上の賃上げ実績がある場合には、継続算定側の高い点数区分として届け出られる特例があります。
実際の様式の分かれ方を確認したい場合は、以下の早見表も参考になります。
ベースアップ評価料の届出に必要な様式 早見表<令和8年度版>
令和8年3月31日時点で届出を行っていた医療機関
まず押さえておきたいのは、令和8年3月31日時点でベースアップ評価料の届出を行っていた医療機関であっても、令和8年6月以降も継続するには改めて届出が必要になるという点です。
「すでに出しているから自動で継続できる」とは考えず、制度移行に伴う再整理が必要だと受け止めた方が安全です。
継続算定の場合の流れ
- 令和8年5月:届出書提出
- 令和8年6月:新制度による算定開始
- 令和8年8月:令和7年度賃金改善実績報告書、令和8年度賃金改善中間報告書を提出
つまり、5月の届出だけで終わる制度ではなく、年度を通じて提出対応が続く前提で見ておく必要があります。
継続算定の場合の全体像は、以下の公表資料でも確認できます。
【令和8年5月以前にベースアップ評価料を算定している医療機関・訪問看護ステーション向け】手続きスケジュール
令和8年6月から新たに算定する医療機関
令和8年6月から新たに算定する場合、または4月以降に算定を開始したため継続算定側に該当しない場合も、5月中の届出が前提になります。
新規算定の場合の流れ
- 令和8年5月:届出書提出
- 令和8年6月:算定開始
- 令和8年8月:令和8年度賃金改善中間報告書を提出
- 令和9年8月:令和8年度賃金改善実績報告書、令和9年度賃金改善中間報告書を提出
新規算定の場合は、「8月に何を出すのか」を年ごとに分けて見た方が混乱しにくくなります。
新たに算定する場合の流れは、以下の公表資料も参考になります。
【令和8年6月以降にはじめてベースアップ評価料を算定する医療機関・訪問看護ステーション】手続きスケジュール
令和8年度ベースアップ評価料の提出対応スケジュール
今回の制度移行は、単一の届出ではなく、年度を通じて複数の提出対応が発生します。
| 時期 | 主な対応 | 見ておきたい点 |
|---|---|---|
| 令和8年5月 | 届出書提出 | 3月31日時点で届出済みか、新規算定かで整理が分かれる |
| 令和8年6月 | 新制度での算定開始 | 自院の運用方針も確認したい時期 |
| 令和8年8月 | 中間報告書の提出 継続算定では令和7年度実績報告書も提出 |
継続算定と新規算定で中身が異なる |
| 令和9年5月 | 継続算定のための届出 | 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)のみ継続算定の場合は、施設基準届出が不要となるケースあり |
| 令和9年8月 | 令和8年度実績報告書・令和9年度中間報告書の提出 | 新規算定の場合は、ここで令和8年度分の実績報告が出てくる |
届出期限は令和8年6月1日必着ですが、実務上はそこだけを見ればよいわけではありません。
5月下旬以降の混雑を避けるため、可能な限り5月18日までの提出協力が案内されています。一方で、電子申請は5月25日から利用開始とされているため、提出方法も含めて整理しておく必要があります。
必要様式はどう分かれるのか
無床診療所では、代表的な様式として様式95・96・98が出てきます。
ただし、これを「どれを出せばよいか」という順番で見ると分かりにくくなります。
先に確認したいのは、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)のみなのか、(Ⅱ)も関係するのか、3月31日時点で届出済みなのか、新規算定なのか、といった区分です。
とくに、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)のみを継続算定する場合には、翌年度の施設基準届出が不要となるケースもあります。
ただし、ここでいう「届出不要」は、あくまで施設基準届出書(様式95)についての話です。中間報告書や実績報告書まで不要になるわけではありません。
※同一の給与体系に基づく複数の医療機関を持つ法人では、法人内の複数医療機関を通算して区分計算や報告書作成を行える仕組みが示されています。複数分院を持つ法人では、法人全体でどう整理するかという視点も必要になります。
提出対応は「期限」だけでは整理できません
ベースアップ評価料は、届出期限だけで判断してよい制度ではありません。
対象職員の範囲、賃上げ原資の見通し、継続算定の前提、評価料(Ⅰ)と(Ⅱ)の考え方によって、整理の仕方は変わります。
実際には、「評価料(Ⅰ)だけでよいのか」「勤務医や事務職員まで含めてどう説明するのか」「来年度以降も継続する前提で考えるのか」といった部分で判断が止まることがあります。
届出期限を確認したい場合は、こちらの記事でも整理しています。
ベースアップ評価料の届出はいつまで?2026年の提出期限と注意点
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ベースアップ評価料は、提出対応だけでなく、算定判断、患者負担、スタッフ説明、配分方法など、複数の論点に分かれます。
- ベースアップ評価料を算定しないとどうなる?算定しない選択と判断ポイント
- ベースアップ評価料で患者負担は増える?患者説明で押さえたいポイント
- ベースアップ評価料はスタッフにどう説明する?よくある質問と整理ポイント
- ベースアップ評価料はどう配分するか|院長が整理しておきたい3つの視点
一覧で確認したい場合は、こちらをご覧ください。
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