ベースアップ評価料の届出はいつまで?2026年の提出期限と判断ポイント
最終更新日:2026年6月2日(令和8年度ベースアップ評価料の6月1日算定開始に向けた届出期限終了後の内容に更新)
令和8年6月1日算定開始に向けた届出期限は終了しています。ただし、ベースアップ評価料の届出自体は現在も可能であり、本記事では令和8年6月1日算定開始時の届出対応を振り返りながら、算定するかどうかの判断ポイントを整理します。
ベースアップ評価料について、「2026年の届出期限はいつまでだったのか」「6月1日までに何を確認すべきだったのか」「今後、算定するかどうかをどう考えればよいのか」は、期限終了後も確認されるテーマです。
2026年6月2日追記
本記事で解説している、令和8年6月1日からベースアップ評価料を算定するための届出期限は終了しました。
ただし、届出対応の考え方、算定するかどうかの判断、スタッフへの説明、今後の制度対応を整理するうえでは引き続き参考になるため、記事を記録として掲載しています。
この記事の位置づけ
- 令和8年6月1日算定開始に向けた届出期限は、令和8年6月1日まで(必着)でした。
- 窓口混雑を避けるため、可能な限り5月18日までの届出が推奨されていました。
- 電子申請による受付は、5月25日から開始とされていました。
- 現在は、期限そのものよりも、自院として算定するか、見送るか、今後どう整理するかが重要になります。
ベースアップ評価料は、届出期限を確認すれば終わる制度ではありません。
期限を過ぎたあとも、院長が整理しておきたいのは、自院としてこの制度をどう位置づけるかという点です。
本記事では、2026年の届出期限を振り返りながら、算定判断や今後の対応を考えるための論点を整理します。
※本記事は、2026年6月施行予定の制度内容および公表資料をもとに整理しています。
今後、厚生労働省から追加の疑義解釈や事務連絡等が公表された場合には、内容を順次更新していきます。
目次
1.2026年6月1日算定開始に向けた届出期限
ベースアップ評価料を算定するためには、地方厚生局への届出が必要です。
令和8年度の制度移行では、継続算定している医療機関でも再届出が必要になりました。
令和8年6月1日から算定を行う場合は、令和8年5月7日から6月1日まで(必着)に届出が必要とされていました。
ここで注意が必要だったのは、「6月1日まで」が消印有効ではなく、厚生局への到着(必着)を意味していた点です。
郵送で提出する場合、期限ぎりぎりに発送しても、厚生局への到着が6月1日を過ぎれば間に合わない可能性がありました。
そのため、実務上は6月1日を最終期限として見るのではなく、書類確認や発送日を含めて、余裕をもったスケジュールを立てる必要がありました。
届出期限の基本整理
- 令和8年6月1日から算定する場合:令和8年5月7日から6月1日まで(必着)
- 「6月1日まで」は消印ではなく、厚生局への到着日
- 郵送の場合は、発送日ではなく到着日を基準に考える
- 期限直前ではなく、余裕をもって提出準備を進める必要があった
提出対応の全体像や年間スケジュールについては、以下の記事で整理しています。
ベースアップ評価料|令和8年度の提出対応の全体像を自院の区分別に整理【院長の経営相談Q&A】
2.「6月1日必着」と「5月18日まで推奨」の違い
ベースアップ評価料の届出については、「6月1日まで」という期限とは別に、可能な限り5月18日までに届出を行うことが推奨されていました。
これは、5月18日を過ぎたら届出できないという意味ではありません。
窓口の混雑を避け、確認作業を円滑に進めるため、できるだけ早めの提出が求められていたという整理です。
| 日付 | 意味 | 考え方 |
|---|---|---|
| 5月18日まで | 可能な限り早めに提出してほしい目安 | 書類が整うなら、この時期までの提出を目指す |
| 6月1日まで | 令和8年6月1日算定開始の届出期限 | 厚生局への到着が必要。期限ぎりぎりは避ける |
つまり、5月18日は「できるだけここまでに出したい目安」、6月1日は「6月1日算定開始に向けた必着期限」と考えると分かりやすいです。
3.電子申請はいつから使えたのか
ベースアップ評価料の届出については、電子申請による受付が5月25日から開始とされていました。
そのため、実務上は、紙で早めに提出するか、電子申請の開始を待つかを判断する場面がありました。
早めに書類が整っている場合は紙で提出する方法も考えられました。
一方で、電子申請を利用したい場合は、5月25日以降に提出することになりました。
ただし、電子申請を待つ場合でも、6月1日必着の期限がなくなるわけではありません。
電子申請開始後の期間は限られていたため、入力内容や添付書類の確認をあらかじめ進めておくことが重要でした。
実務上の整理
- 早めに準備できる場合:紙での提出を検討
- 電子申請を使いたい場合:5月25日以降に対応
- 電子申請を待つ場合も、6月1日までの提出期限を意識する必要があった
- 提出方法よりも、事前の確認と準備を早めに進めることが重要だった
4.期限の確認だけで判断しない方がよい理由
ベースアップ評価料は、届出期限だけで判断する制度ではありません。
期限を確認したあとには、算定後の運用やスタッフへの説明、賃金改善の考え方も整理する必要があります。
賃上げ率(3.2%・5.7%)は達成しないと算定できないのか
2026年度診療報酬改定では、賃上げの目標として3.2%(看護補助者・事務職員は5.7%)が示されています。
ただし、この数値は各医療機関に義務として課されている達成条件ではありません。この水準に到達していない場合でも、ベースアップ評価料の算定は可能です。
一方で、算定によって得られた評価料は対象職員の賃金改善に充てることが前提となっている制度です。
つまり、届出期限だけでなく、算定後の運用をどのように整理できるかという視点もあわせて確認しておくことが重要になります。
特に今回の改定では、評価料の段階的な引き上げに伴い、年度単位で計画的に賃金改善へ充当する運用管理がより求められる形になっています。
そのため、算定するかどうかは届出期限だけで判断するのではなく、算定後にどのような賃金改善の考え方を持てるかという視点も含めて整理しておく必要があります。
5.算定するかどうかを考えるときの整理ポイント
今回の改定では、病院や有床診療所には「継続的な賃上げを行わない場合に入院料等が減算される」という仕組みが設けられています。
一方で、無床クリニックにはこの減算ペナルティはありません。
そのため、無床クリニックにとってベースアップ評価料は、「制度上の義務として対応するもの」というよりも、自院の採用・定着、スタッフ処遇、患者負担、運用負担をどう考えるかという判断として整理する必要があります。
算定するかどうかを考えるときには、次のような論点が関係します。
- 対象職種・対象外職種への説明をどう考えるか
- スタッフにどのように受け止めてもらうか
- 今年だけでなく今後も見据えて継続性をどう考えるか
- 制度対応に必要な事務体制をどう整えるか
- 患者負担が増える場合に、どのように説明するか
つまり、期限確認は入口にすぎません。
本当に必要なのは、自院としてこの制度をどう位置づけるかという整理です。
制度の理解だけでは判断は決まりません。自院としてどう考えるかの整理が必要になります。
算定判断を考えるときの整理イメージ
| 整理の軸 | A:早めに算定を進める場合 | B:慎重に検討する場合 |
|---|---|---|
| 見ていること | 採用・定着、院内への説明、早期対応の必要性 | 継続可能性、運用負担、制度変更時の影響 |
| 生じやすい論点 | 対象職種への説明、院内バランス、事務負担 | 見送る理由の整理、スタッフへの伝え方、今後の再判断 |
| 院長が整理したいこと | なぜ今算定するのか、その目的を言葉にできるか | なぜ今は見送るのか、その理由を院内で共有できるか |
6.期限後に整理したいこと
令和8年6月1日算定開始に向けた届出期限は終了しました。
ただし、ベースアップ評価料については、期限後も整理しておきたいことがあります。
たとえば、すでに届出を行った医療機関では、算定後の賃金改善の考え方、スタッフへの説明、患者負担への説明、今後の報告対応などが論点になります。
一方で、今回は算定を見送った医療機関でも、今後の採用・定着、処遇改善、制度変更への備えをどう考えるかは整理しておく必要があります。
無床クリニックでは、制度上、算定しない選択もあり得ます。
ただし、算定しない場合でも、スタッフの処遇改善、採用・定着、患者負担、将来の制度見直しなど、整理しておきたい論点があります。
期限を確認したあとに、算定するかどうかの判断材料を整理したい場合は、次の記事も参考になります。
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ベースアップ評価料は、点数や届出期限だけで判断しにくい制度です。
算定する場合も、見送る場合も、院長として説明できる形に整理しておくことが大切です。制度内容、スタッフへの説明、運用負担、今後の処遇改善を含めて、自院として引き受けられる判断を整理していく必要があります。