クリニック経営の相談はいつするべきか分からなくなる理由──院長が判断を一人で抱え込みやすい3つの背景【院長の経営相談Q&A】
クリニック経営について相談したいと思っていても、
- まだ相談するほどではない気がする
- 何を相談すればよいのか分からない
- 具体的な問題が起きているわけではない
このように感じて、一人で考え続けてしまうことがあります。
実際、クリニック経営の相談は 「問題が起きてからするもの」 と思われがちです。
しかし多くの場合、院長が判断に迷いやすいのは、 問題がはっきりしているときではなく、論点が重なっているとき です。
この記事では、 クリニック経営ではなぜ相談のタイミングが分かりにくくなりやすいのか、 その背景にある構造を整理します。
目次
相談のタイミングが分かりにくくなるのは自然なことです
クリニック経営では、
- 患者数
- 採用
- 制度対応
- 診療内容
- 地域での役割
といった複数の論点が同時に動きます。
それぞれについて情報はあります。
制度の説明もあります。
専門家の意見もあります。
周囲の事例もあります。
それでも、
何から考えればよいのか分からない
という状態になることがあります。
これは院長の判断力が不足しているからではありません。
複数の論点が同時に存在しているため、 判断の順番が見えにくくなっている状態 です。
なお、 「何を相談すればよいか分からない」 と感じる場合は、
クリニック経営の相談では何を話せばいい?
クリニック開業の相談では何を話せばいい?
背景① 医療の現場には「情報提供」は多いが「判断整理」の役割が少ない
医療の現場では、
- 税理士
- 社労士
- 設計会社
- 医療機器業者
- 医薬品卸
- MR
多くの専門職が関わります。
それぞれの立場から重要な情報が提供されます。
しかし、 これらは基本的に 判断材料の提供 です。
複数の論点を並べて整理し、
- 何を先に考えるのか
- 何を後で考えるのか
- どこまで院長が決めるのか
これらを一緒に整える役割は多くありません。
そのため、
情報はそろっているのに判断だけが重くなる
という状態が起こりやすくなります。
背景② 「正解を探す相談」と「判断を整理する相談」が区別されにくい
クリニック経営の相談というと、
正しい方法を教えてもらう場
という印象を持たれることがあります。
もちろん制度対応などでは 正確な情報が必要です。
しかし実際の経営判断では、
- どの方向に進むのか
- どこまで対応するのか
- 何を優先するのか
といった問いに 一つの正解があるとは限りません。
「相談=正解を聞くもの」 という前提のままだと、
正解がなさそうなテーマほど 相談のタイミングが見えにくくなります。
背景③ 問題が起きていなくても判断が重くなることがある
もう一つの理由は、 問題が起きていない段階でも判断が必要になるという点です。
例えば、
- 制度改定への対応をどう考えるか
- 在宅医療を行うかどうか
- 生活習慣病管理をどこまで行うか
- 採用方針をどうするか
これらは、 問題が起きてから対処するものではありません。
方向を決める段階で整理が必要になるテーマ です。
困っているわけではない。
でも決めきれない。
この段階も、 十分に相談の対象になります。
相談は「問題解決の場」だけでなく「判断の前提を整理する場」でもあります
クリニック経営の相談というと、 問題が起きたあとに行うものという印象を持たれがちです。
しかし実際には、
- 何が論点なのか
- どこまで考える必要があるのか
- 何を基準に判断するのか
を整理するだけでも、 その後の判断は大きく変わります。
相談とは、
結論を受け取る場ではなく、 判断の前提を整理する場でもあります
相談のタイミングについては、 下記の記事でも整理しています。
クリニック経営の相談はいつ必要か|0〜10の整理モデルで考える判断の整理方法
相談するほどではない気がするときも整理してよいタイミングです
クリニック経営では、
まだ相談するほどではない気がする。
でも一人で整理しきれない。
という段階がよくあります。
そのようなときは、
- 何が重なっているのか
- どこが論点なのか
- 何から考えるのか
を整理するところから始められます。