正解を急がず、 判断が詰まった論点を、静かにほどくために。 患者の視点も踏まえて、 クリニック開業・経営の「考える前提」を整える時間。

クリニック開業・経営コラム

クリニック開業の相談では何を話せばいい?――開業場所や資金計画の前に整理しておきたいこと

Q:クリニック開業の相談では、どんなことを話せばよいのでしょうか。

A:最初から整理されていなくても大丈夫です。

開業を考え始めたばかりの先生から、「何を相談すればよいのか分からない」という声をよく聞きます。 開業というと、開業場所・診療圏・資金計画・収入といったことを最初から整理しておかなければならないように感じるかもしれません。 しかし実際の相談では、「まだ考えがまとまっていない」という状態から始まることも少なくありません。 むしろ、そうした状態から少しずつ考えを整理していくことが、開業準備の最初の一歩になることもあります。

⚪︎開業相談でよくある悩み

開業を検討し始めた先生と話していると、次のような悩みを聞くことがあります。

  • 何から相談すればよいのか分からない
  • どこで開業すればよいのか
  • 開業するとどれくらいの収入になるのか

勤務医として忙しく働く中で、突然「経営」というテーマに向き合うことになります。 そのため、「まず何から考えればいいのか」が分からなくなるのは、決して珍しいことではありません。

また、開業に関する情報を調べていくと、診療圏調査・事業計画・資金計画といった言葉が並びます。 その結果、「まず場所を決めなければいけないのではないか」と感じる先生も多いようです。

⚪︎ 成功や失敗の前に整理しておきたいこと

開業というと、売上や成功・失敗といった話が先に出てくることもあります。 しかしその前に、開業の前提となる考え方を整理しておくことも大切になります。

なぜなら、開業の形は医師としての経験、目指す医療、人生設計などによって変わるためです。 つまり開業には、一つの正解があるわけではありません。

そのため開業準備では、正解を探すというよりも、ご自身が納得できる答え(納得解)を整理していくことが大切になります。

⚪︎最初にお聞きすること

開業相談では、私が最初にお聞きすることがあります。 それは、「なぜ開業しようと思ったのですか?」という質問です。

この質問は、開業の理由を確認するためだけのものではありません。 例えば、これまで医師としてどのような経験をしてきたのか、どのような患者さんを診てきたのか、どんな医療を提供したいのか。 こうした背景を整理するきっかけになる質問でもあります。

開業準備というと、場所・資金・診療圏といった開業の条件から考えることが多いものです。 しかし実際には、医師としてどんな医療を提供したいのかというところから考えていくことで、開業の方向性が見えてくることもあります。

⚪︎ そこから役割が見えてくる

医師としての経験や、提供したい医療を整理していくと、 少しずつ地域医療の中でどのような役割を担うのかが見えてきます。

そしてその役割によって、診療内容・患者層・診療体制・スタッフ体制などが形になっていきます。 その結果、どのような事業計画が必要なのか、どの地域で開業するのがよいのかといった判断もしやすくなります。

医師としての経験
提供したい医療
地域医療の中で担う役割
事業計画
開業場所

⚪︎制度の流れも「役割」を求めている

近年の医療制度の議論を見ても、この「役割」という視点は重要になっています。 2026年の診療報酬改定では、外来医師偏在への対応や、かかりつけ医機能の強化といった議論が進められています。

これからのクリニックでは、「どこで開業するか」だけでなく、 地域医療の中でどのような役割を担うのかという視点が、より重要になっていく可能性があります。

⚪︎開業とは事業を引き受けること

開業準備や開業後の経営では、考え方が少しずつ変化していきます。 しかし最終的には、「どこまで事業を引き受けるのか」という問いに向き合うことになります。

開業すると、患者さんへの責任、スタッフへの責任、地域医療への役割、事業として続ける責任など、 診療以外の判断も増えていきます。

そのため開業準備では、「なぜ開業するのか」「どんな医療を提供したいのか」という問いを整理することが、 結果としてどこまで事業を引き受けるのかを考えることにもつながります。

⚪︎ まとめ

クリニック開業の相談は、最初からすべてが整理されている必要はありません。 むしろ、「まだ考えがまとまっていない」という段階から始まることも多いものです。

ただし、医師としての経験、どんな医療を提供したいのか、地域医療の中でどんな役割を担うのかといったことを整理していくことで、 開業の方向性は少しずつ見えてきます。

開業準備とは、正解を探す作業というよりも、ご自身にとって納得できる答え(納得解)を整理していく時間なのかもしれません。

開業を考え始めたばかりの段階でも、相談していただくことは可能です。 考えがまだまとまっていなくても問題ありません。対話を通して、少しずつ整理していくこともできます。

開業準備の「考え方」を一緒に整理したい方へ

開業場所や資金計画の前に、なぜ開業するのか/どんな医療をしたいのか/どんな役割を担うのかを整理しておくと、 その後の判断が少し楽になります。

開業準備・経営整理セッションの詳細はこちら

※「まだ考えがまとまっていない」状態でも大丈夫です。対話の中で、納得できる形を一緒に整えていきます。

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