クリニック経営の相談はいつ必要?0〜10の整理モデルで考える相談のタイミング
クリニック経営の相談は、問題が大きくなってから行うものと思われがちです。
たとえば、
- 患者数が少ない
- 採用がうまくいかない
- 制度対応が分からない
といった「明確な問題」が起きたときに初めて相談するもの、と考えられることがあります。
しかし実際には、
- 開業するかどうか迷っている
- この方向でよいのか判断しきれない
- 在宅医療を行うべきか考えている
- 制度改定の影響を自院としてどう受け止めるか整理したい
といった段階でも、十分に相談の対象になります。
相談が必要かどうかは、問題の大きさではなく、判断や整理が必要な状態かどうかで考えた方が実態に近いと感じています。
この記事では、クリニック経営の相談が必要になるタイミングを整理するために、私が普段用いている「0〜10の整理モデル」を紹介します。
目次
クリニック経営の相談は「問題が起きてから」だけではありません
クリニック経営の相談というと、何か大きな問題が起きたときに行うものと思われることがあります。
ですが実際には、相談が必要になるのは次のような場面です。
- まだ問題として言語化できていないが、違和感がある
- 選択肢はあるが、どれを選ぶべきか判断しきれない
- 制度や外部環境の変化を、自院としてどう受け止めるか整理したい
- 実行したあとに、想定とのズレや迷いが出てきた
つまり、相談のタイミングは「困り切ったとき」だけではなく、「考えを整理しないと次に進みにくいとき」にも訪れます。
クリニック経営にはいくつかの段階があります
クリニック経営では、「実行」だけが注目されがちですが、その前後にもいくつかの段階があります。
0:違和感・課題・実現したいこと
1:状況整理
2:論点整理
3:判断軸整理
4:方針決定
5:実行
6:再整理
7:改善
8:仕組み化
9:組織化
10:拡張
相談が必要になるのは、必ずしも5の「実行」の場面だけではありません。
むしろ、0〜4の段階や、実行後の6の段階で整理が必要になることは少なくありません。
0:違和感・課題・実現したいこと
相談の多くは、この段階から始まります。
たとえば、
- 開業するか悩んでいる
- 採用がなかなか決まらない
- 在宅医療を行うべきか迷っている
- 制度改定の影響が読めない
- 患者層の変化が気になっている
といった状態です。
まだ「問題」として整理し切れていない段階ですが、経営の方向性を考えるうえではとても重要な入口です。
また、「まだ相談するほどではない気がする」と感じやすい背景については、下記の記事でも整理しています。
この段階では、「何を相談すればよいのか分からない」と感じることも少なくありません。相談の入り口で何を話せばよいのかについては、下記の記事でも整理しています。
1〜3:状況整理・論点整理・判断軸整理
ここでは、
- 何が起きているのか
- どこが論点なのか
- 何を基準に判断するのか
を整理します。
クリニック経営では、「正解」を探すよりも、どのような基準で判断するかを整えることが重要になる場面が多くあります。
「相談が必要かどうか」で迷うときも、実際にはこの段階にいることが少なくありません。
4:方針決定
ここは院長にとって非常に重要な段階です。
たとえば、
- 外来中心でいくのか
- 在宅医療を強化するのか
- 生活習慣病管理を軸にするのか
- 専門性を維持するのか
といった方向性を決めます。
ここは代わりに決めてもらうものではなく、院長自身が納得して決めることが重要だと考えています。
5:実行は多くの支援が対象にしている段階です
開業支援や運営支援の多くは、
- 人員配置
- 設備導入
- 届出対応
- 業務運用
といった「実行」を中心に行われます。
もちろん重要な段階ですが、その前の整理がないまま進むと、後から迷いが残ることがあります。
6:実行後の再整理は見落とされやすい段階です
実際には、
- やってみたが違和感が残る
- 想定していた形と違う
- 継続できる体制か判断したい
といった相談も多くあります。
この「再整理」の段階も、クリニック経営ではとても重要です。
つまり、相談は実行前だけでなく、実行後に立ち止まって見直したいときにも必要になります。
7〜10:改善・仕組み化・組織化・拡張
再整理のあとには、
- 運用の改善
- 業務の仕組み化
- 組織としての体制づくり
- 役割の拡張
といった段階があります。
これらはクリニックの成長や継続にとって重要なプロセスですが、多くの場合は、実務的な運用支援や組織支援の領域になります。
「〇〇する方法」を探す前に整理しておきたいこと
クリニック経営の相談では、
〇〇する方法を知りたい
という形で相談が始まることがあります。
もちろん具体的な方法が必要な場面もありますが、多くの場合は、その前に整理しておきたい背景があります。
- なぜこの問題が起きているのか
- 何を基準に判断するのか
- どの方向を目指すのか
こうした前提を整理することで、納得して進める道が見えてくることがあります。
私が対応しているのは0〜4と6の段階です
私はクリニック経営のすべての段階を支援するのではなく、
違和感・課題・実現したいことの整理から方針決定までの段階(0〜4)
そして
実行後の再整理(6)
に対応しています。
実行そのものよりも、院長が納得して判断できる状態を整えることが重要だと考えているためです。
なお、なぜ私がクリニック経営の0〜10すべてを支援していないのかについては、こちらの記事でも整理しています。
なぜ私はクリニック経営の0→10を支援しないのか(note)
1ヶ月単位で、継続かスポットかをご自身で選べます
こうした整理は、1回の相談で完結する場合もあれば、一定期間かけて整理していく場合もあります。
そのため支援は1ヶ月単位で行っており、継続するか、スポットで利用するかは状況に応じてご自身で選べる形にしています。
最初から長期契約を前提にするのではなく、その時点で必要な整理に応じて考えていただければと思っています。
すべてを外部に任せたい場合は別の支援が適しています
人員配置や業務設計、設備導入などの実行を中心に支援を受けたい場合は、他の支援の方が適していることもあります。
一方で、
- 方向性を整理したい
- 判断の基準を整えたい
- 制度との関係を整理したい
といった段階では役に立てることがあります。
支援範囲をどのように考えているかについては、上記のnoteでも整理しています。
まとめ|相談のタイミングは「整理が必要になったとき」です
クリニック経営の相談は、「問題が起きてから」だけではありません。
違和感を感じたとき、方向性を考えたいとき、判断の基準を整理したいとき、実行後に見直したいときも、十分に相談の対象になります。
相談のタイミングは、困り切ったときではなく、整理が必要になったときと考えると分かりやすいかもしれません。
なお、「相談するほどではない気がする」と感じやすい背景については、こちらの記事でも整理しています。
実際にどのような内容を相談の入り口として話せばよいのかについては、こちらの記事も参考になります。
「まだ相談するほどではないかもしれないが、考えを整理したい」と感じる方へ。
継続的な整理が必要な場合には、状況に応じて1ヶ月単位でご相談いただくことも可能です。