2026年診療報酬改定・CPAP(在宅持続陽圧呼吸療法)管理料はどう変わる?|定着支援体制として読み解く制度のポイント
制度の詳細は疑義解釈や追加通知により変更される可能性があるため、制度の「正解」ではなく、自院での判断材料として読んでいただければ幸いです。
2026年診療報酬改定では、在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)の評価体系において、算定要件の整理や使用実績の評価など、これまでの運用の前提を見直す内容が含まれています。
特に今回の改定で重要なのは、機器を導入しているかどうかではなく、治療が継続されているかどうかが評価の対象として整理されている点です。
この記事では、2026年改定における在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)関連の主な変更点を整理した上で、今回の制度をどのように読むべきか、また小規模診療所でも無理なく取り組める定着支援の考え方についてまとめます。
在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)診療の評価は「導入」から「継続」へ整理されつつある
2026年診療報酬改定では、在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)の評価体系において、
- 算定要件の整理
- 使用実績の評価
- 遠隔モニタリングの活用
など、これまでの運用の前提を見直す内容が含まれています。
特に今回の改定で重要なのは、機器を導入しているかどうかではなく、治療が継続されているかどうかが評価の対象として整理されている点です。
今回の改定は、機器提供型の管理から継続支援型の管理へと、評価の軸足が移りつつある制度として読むことができます。
2026年改定における在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)関連の主な変更点
今回の改定では、在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)診療の評価に関して、いくつかの重要な整理が行われています。
例えば、以下のような点です。
- 導入基準(AHI)の整理
- 使用時間に基づく算定要件の明確化
- アドヒアランス評価の導入
- 持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算の新設
これらは単なる算定条件の変更というよりも、治療が継続されているかどうかを診療として評価する方向性を示しているものと考えられます。
「4時間×20日×4割」という要件が示している制度の方向性
今回新設された「持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算」では、直近3か月以内の延べ管理月数において、「CPAPを1日4時間以上使用した日が20日以上ある月」の割合が4割以上であることが要件の一つとされています。
この要件が示しているのは、単に機器を導入しているかどうかではなく、実際に治療が継続されているかどうかを評価する制度設計になっているということです。
在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)は、導入されたこと自体よりも、継続されていることによって効果が得られる治療です。そのため今回の改定は、機器管理としての在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)診療から、慢性疾患の継続管理としての在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)診療への位置づけの変化を示すものとも考えられます。
重要なのは、件数を増やすことそのものではなく、どこまで定着支援を診療所として担うのかという整理です。
なぜ「定着支援」が評価される制度になっているのか
在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)は、導入されたことよりも、継続されていることによって初めて効果が現れる治療です。
例えば、
- 高血圧
- 心不全
- 脳血管疾患
- 糖尿病
などの合併症予防との関係も指摘されています。
そのため今回の改定は、導入数ではなく継続状況を評価する制度設計へ整理されたものと考えられます。
また近年は、遠隔モニタリングによって使用状況を把握できる環境が整ってきており、継続支援を診療として評価する基盤が現実的になってきたことも背景にあります。
在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)は「診察室だけで完結する治療ではない」
在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)は、診察室だけで完結する治療ではなく、自宅で継続することで効果が得られる治療です。
そのため、
- クリニックで行うこと
- 自宅で行うこと
- 通院頻度
- 費用の目安
をあらかじめ共有しておくことが、安心して治療を継続することにつながります。
治療中断の背景には、機械そのものの問題だけでなく、続け方がよく分からない、費用が見えにくい、通院の流れが分からないといった不安が含まれることも少なくありません。
今回の改定が、導入数ではなく継続状況を評価する制度として整理されている背景にも、こうした治療の特性があると考えられます。
役割分担の整理そのものが定着支援になる
在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)では、医療機関が確認する内容と、患者さん自身が自宅で継続する内容が分かれています。
例えば医療機関では、
- 使用状況の確認
- AHIの評価
- 装着困難の調整
- 継続状況の確認
などを行い、患者さん自身は、
- 毎日の装着
- 違和感の共有
- 通院継続
を担います。
こうした役割の整理そのものが、定着支援の一部になります。
今回の改定は、こうした役割分担を前提とした継続支援を、診療として評価する方向性の一つとも読むことができます。
小規模診療所でも実施可能な基本確認項目
在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)診療は、特別な専門外来を設けなくても、院内で基本的な確認項目を共有するだけで定着率が変わることがあります。
以下は、小規模診療所でも無理なく実施できる基本確認項目です。
医師
□ 使用時間を確認している
□ AHIを確認している
□ カルテに記録している
□ 使用時間が短い患者を把握している
□ 使用時間が短い理由を把握している
看護師
□ 使用困難の訴えを共有している
□ マスク違和感を共有している
□ 使用困難の内容を具体的に共有している
受付
□ 来院間隔が空いた患者を把握している
□ 来院中断が疑われる患者を医師へ共有している
こうした確認は、医師だけで完結させるというよりも、看護師や受付も含めて情報共有できるほど、無理のない継続支援につながります。
オンライン診療・遠隔モニタリングとの関係
近年は、CPAP機器の使用状況を遠隔で確認できる環境が整ってきており、オンライン診療や遠隔モニタリングと組み合わせた継続支援が現実的な運用として可能になっています。
今回の改定は、こうした技術的背景を踏まえ、継続支援を診療として評価する方向性の一つとも読むことができます。
ただし、オンライン診療の導入そのものが目的になるのではなく、どこまで定着支援を診療所として担うのかという役割整理の中で位置づけることが重要になります。
在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)診療は「件数」ではなく「役割設計」の問題として整理できる
今回の改定は、件数の多少を評価するものというよりも、継続支援体制をどのように整備しているかを評価する制度として読むこともできます。
在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)は導入されたこと自体よりも、継続されていることによって効果が得られる治療であるため、重要なのは、件数を増やすことそのものではなく、どこまで定着支援を診療所として担うのかという整理です。
つまり今回の改定は、在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)診療を拡大するかどうかだけを問うものではなく、診療所としてどのような体制で継続支援に関わるのかを問いかけている制度として捉えることもできます。
制度だけでは整理しきれない論点もある
在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)診療をどこまで診療所の役割として担うのか、どこまで体制として整備するのかは、制度だけでは判断できません。
診療方針、地域での役割、スタッフ体制とあわせて整理する必要があります。
制度の理解だけでは決めきれない論点を整理したい先生へ
在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)診療をどこまで担うのか、どこまで体制を整備するのかは、点数や要件だけでは決まりません。
自院の診療方針や地域での役割、スタッフ体制も含めて整理したい場合は、入口|開業準備・経営整理セッションでご相談いただけます。