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CPAP患者の使用時間が短いとき、外来としてどう考える?──2026年改定後の判断ポイント

更新日:2026年9月14日

本記事は「院長の経営相談Q&A」に属します。
2026年6月施行の診療報酬改定を踏まえ、CPAP患者さんの使用時間が短い場合に、算定上何を確認し、外来としてどのように対応を整理するかをまとめます。
※制度の詳細は、告示・通知・疑義解釈、管轄する地方厚生局の案内等をご確認ください。

よくあるご相談

CPAPを導入している患者さんの中に、使用時間が短い方が一定数いらっしゃることがあります。

2026年の診療報酬改定を受けて、「使用時間が短いと指導管理料は算定できないのか」「どの期間を見ればよいのか」「材料加算や充実管理体制加算はどうなるのか」と確認したいクリニックもあるのではないでしょうか。

この記事では、まず制度上の確認事項を整理したうえで、使用状況を院内で誰が確認するか、スタッフや機器メーカーとどのように役割を分けるかなど、外来運用として確認したいポイントを整理します。

先に結論

2026年度改定では、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2の対象患者のうち、所定の要件に該当する患者について、指導管理を実施する月の前月から数えて3か月すべてで1日平均使用時間が1時間未満の場合、指導管理料を算定しない取扱いが示されています。

一方、該当するCPAP機器等の材料加算は算定可能とされています。

まず自院の患者さんが制度上どの要件に該当するのかを確認し、そのうえで使用状況の確認方法や院内の役割分担を整理することが重要です。

2026年改定で何が変わったのか

2026年改定では、在宅持続陽圧呼吸療法、いわゆるCPAPに関する評価の考え方が見直されています。

CPAPを導入して継続的に診療しているだけでなく、対象となる患者について、実際の使用状況を確認することが算定上より重要になりました。

クリニックとしては、制度上の要件を確認するとともに、必要な使用データをどこで確認するのか、誰が確認するのか、診察前後のどの段階で共有するのかを整理しておく必要があります。

1日平均使用時間が1時間未満の場合

在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2の対象患者のうち、所定の要件に該当する患者については、指導管理を実施する月の前月から数えて3か月すべてで、1月当たりの1日平均使用時間が1時間未満の場合、指導管理料を算定しない取扱いが示されています。

そのため、「CPAPを利用している患者すべてに一律に同じルールが適用される」と捉えるのではなく、まず患者さんがどの算定要件に該当しているのかを確認することが必要です。

確認例

7月に指導管理を行う場合は、4月・5月・6月の使用状況を確認して判定します。

指導管理料を算定しない月であっても、該当するCPAP機器等の材料加算は算定可能とされています。

CPAPに関する該当の材料加算は、3月に3回に限り算定できます。

使用データの表示方法は、利用している機器や管理システムによって異なる場合があります。自院ではどの画面・資料を確認するのかを決め、患者さんごとに確認方法がばらつかないようにしておくと運用しやすくなります。

充実管理体制加算への影響

2026年改定では、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2が250点から240点へ見直され、新たに持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算15点が設けられています。

この加算では、CPAP療法の指導管理を行っている外来患者について、1日4時間以上使用した日が月20日以上ある管理月数の割合が、直近3か月の延べ管理月数の4割以上であることなどが要件とされています。

また、1日平均使用時間が1時間未満で指導管理料を算定できなかった月については、充実管理体制加算の計算における延べ管理月数の分母に含めないことが示されています。

使用時間が短い患者さんがいることだけで加算の可否を判断せず、算定対象となる管理月を確認したうえで、分母・分子を正しく把握する必要があります。

使用時間が短いときに何を確認するか

算定可否を確認した後は、使用時間が短くなっている背景を確認します。

例えば、患者さんから次のような状況が確認される場合があります。

  • マスクが合わない、装着時に違和感がある
  • 寝ている間に外してしまう
  • 装着すると眠りにくい
  • 口や鼻の乾燥などが気になる
  • 仕事や生活リズムとの関係で使用しにくい
  • 通院や費用を負担に感じている
  • 治療の必要性や効果について確認が必要になっている

使用時間が短いという数値だけで、患者さんの治療継続の意思や原因を決めつけることはできません。

使用時間が短い原因の評価や、その後の治療方針については、患者さんごとの状態を踏まえて医師が医学的に判断します。この記事では、そこから先の治療判断ではなく、必要な情報を院内でどのように確認・共有するかという運用面を中心に考えます。

使用状況を誰が確認するか

CPAP患者さんの使用状況を、医師が診察時に初めて確認する運用になっているクリニックもあります。

ただし、すべての確認を診察時に行うと、診察時間に確認作業が集中することがあります。

まず現在の運用を確認し、例えば次のように分けられないかを検討します。

  • 来院前に使用データを確認する
  • 一定の条件に該当する患者さんを抽出する
  • 受付時や診察前に必要な事項を確認する
  • 確認した内容を診察前に医師へ共有する
  • どの状態で医師へ引き継ぐかを決める

新しい業務を増やす前に、「現在は誰が、いつ、何を確認しているのか」を一度書き出すと、重複している確認や診察時に集中している作業が見えやすくなります。

スタッフや機器メーカーとの役割分担

使用状況の確認や患者さんへの案内を、すべて院長が行う必要はありません。

一方で、院長が行っている確認業務をそのままスタッフへ移すだけでは、スタッフの仕事が増えるだけになる可能性があります。

役割を変える前に確認したいこと

  • 現在、誰が使用データを確認しているか
  • どのシステムや資料を使っているか
  • 同じ情報を複数人が確認していないか
  • 現在のシステムで一覧表示や抽出ができないか
  • メーカーとの契約上、どこまで確認・対応してもらえるか
  • スタッフが確認する範囲と医師へ引き継ぐ範囲を分けられるか

使用データの抽出や機器の操作説明などについて、現在利用しているCPAP機器メーカーや管理サービスで対応できることがないか確認するのも一つです。

新しいシステムやサービスの導入を先に考えるのではなく、まず現在利用しているものの機能や契約内容を確認し、そのうえで不足している部分を整理した方が判断しやすくなります。

CPAP外来の運用を考える順番

① 制度上の対象と使用状況を確認する

  • 患者さんがどの算定要件に該当するか
  • 直近3か月の使用状況はどうなっているか
  • 指導管理料を算定できる月か
  • 材料加算の算定状況はどうなっているか
  • 充実管理体制加算の計算へどう反映するか

② 現在の確認方法を把握する

使用データをどこで確認しているのか、誰が確認しているのか、診察までにどのように共有されているのかを確認します。

③ 医学的判断と事務・運用上の確認を分ける

患者さんへの治療方針は医師が判断します。一方で、使用データの確認、算定確認、患者さんへの事務的な案内、医師への情報共有などは、院内で役割を整理できる部分です。

④ 今あるスタッフ・システム・契約で対応できるか確認する

新しい人員やシステムを追加する前に、現在の役割分担を変えられないか、既存システムの機能を利用できないか、メーカーとの現在の契約内で対応できないかを確認します。

⑤ 運用後に負担や見落としを確認する

実際に運用した後、確認に時間がかかりすぎていないか、特定のスタッフへ負担が集中していないか、確認漏れが起きていないかを見直します。

運用を変える前に確認したいこと

2026年改定に対応するからといって、CPAP外来全体をすぐに作り替える必要があるとは限りません。

また、持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算を算定できる可能性があることと、自院で算定を目指すかどうかは分けて考える必要があります。

対象となる患者数、現在の確認方法、スタッフの業務量、利用中のシステム、必要となる記録や管理を確認したうえで、現在の運用のままで対応できることと、変更が必要なことを分けます。

まず確認したいこと

  • 対象患者は何人いるか
  • 現在、使用状況をどのように確認しているか
  • 確認にどの程度時間がかかっているか
  • 誰に業務が集中しているか
  • 現在のシステムや契約で対応できることは何か
  • 制度上追加で必要になる確認や記録は何か

これらを確認したうえで、現在の方法を続ける、役割を変える、業務を減らす、既存の仕組みを活用するなど、自院に必要な変更を検討する方が整理しやすくなります。

まとめ

2026年改定では、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2の対象患者のうち、所定の要件に該当する患者について、CPAPの使用状況が指導管理料の算定に関係する取扱いが示されています。

まず確認したいのは、患者さんがどの要件に該当するのか、直近3か月の使用状況はどうなっているのか、指導管理料や材料加算をどのように扱うのかという制度上の部分です。

その後、院内では、使用データを誰がどのタイミングで確認するのか、医師へどのように共有するのか、現在のスタッフ・システム・メーカーとの契約でどこまで対応できるのかを確認します。

医学的な治療判断と、算定や院内運用の整理を分けて考えることで、自院で見直す必要がある部分を把握しやすくなります。

CPAP外来の院内運用を整理したいときに

制度上の要件は確認できても、「誰が使用状況を確認するのか」「現在の業務のどこへ組み込むのか」「既存システムやメーカーとの役割をどう分けるのか」など、院内運用まで含めると整理が必要になる場合があります。

まえやまだ純商店では、診断や治療方針などの医学的判断ではなく、クリニック運営に関する内容について、現在の状況、これまでの経緯、院長の考え、すでに行っていることを確認したうえで、何を整理する必要があるかを一緒に考えます。

無料相談の内容を踏まえて、当方で対応できること・できないことを判断します。対応可能な場合には、必要な支援内容と費用をお伝えし、合意いただいた場合にご依頼をお受けします。

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まえやまだ純商店 前山田純

この記事を書いた人

前山田 純 まえやまだ純商店

2011年から医療機関の開業・経営支援に従事。院長が一人では整理しきれない開業・経営上の課題について、現在の状況や背景、論点、選択肢を整理し、自院として次の一歩を判断しやすい状態を整える支援を行っています。

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