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電子的診療情報連携体制整備加算【2026年改定】|加算1・2・3の違いと算定要件

更新日:2026年10月13日

本記事は、2026年度診療報酬改定に関する公表資料をもとに、クリニック向けに整理しています。診療報酬の取扱いは今後の通知や疑義解釈等で変更・追加される場合があります。実際の算定や届出では、最新の厚生労働省資料および管轄する地方厚生局の案内をご確認ください。

2026年6月の診療報酬改定を踏まえ、これまでの医療DX推進体制整備加算や医療情報取得加算が見直され、医療DXに関する評価が電子的診療情報連携体制整備加算として再編されました。

この加算を確認するときに、まず分かりにくいのが「加算1・加算2・加算3は何が違うのか」という点です。

先に結論|加算1・2・3の違い

  • 加算3:初診時4点。まず共通する基本要件を満たせるかを確認する区分です。
  • 加算2:初診時9点。共通要件に加え、電子処方箋、電子カルテ、電子カルテ情報共有サービス等に関する追加要件のうち、いずれかを満たせるかを確認します。
  • 加算1:初診時15点。共通要件に加え、複数の高度な追加要件を満たせるかを確認する区分です。
  • 再診時は、加算1・2・3の区分にかかわらず月1回2点です。
  • マイナ保険証利用率など、加算1・2・3に共通して確認が必要な要件もあります。

つまり、単純に点数だけを比較するのではなく、まず共通要件を確認し、そのうえで電子処方箋や電子カルテなどへの対応状況によって、どの区分を算定できるかを確認することになります。

本記事では、加算1・2・3の違い、施設基準・算定要件、経過措置、届出、マイナ保険証利用率、電子処方箋や電子カルテ情報共有サービス等との関係を順番に整理します。

1.加算1・2・3の違いと点数

電子的診療情報連携体制整備加算は、医療DXに関する体制の整備状況などに応じて、初診時の評価が加算1・2・3に分かれています。

区分 初診時 考え方 加算ごとの主な違い
加算3 4点 基本となる区分 まず共通する施設基準・算定要件を満たせるかを確認します。
加算2 9点 追加要件を満たす区分 共通要件に加えて、電子処方箋、電子カルテ、電子カルテ情報共有サービス等に関する追加要件のうち、いずれかを満たせるかを確認します。
加算1 15点 より高度な要件を満たす区分 共通要件に加え、電子処方箋、電子カルテ、電子カルテ情報共有サービス等に関する複数の高度な要件を満たせるかを確認します。

加算1・2・3という区分があるのは初診時です。再診時については、区分にかかわらず月1回2点です。

そのため、「加算1が15点だから加算1を目指す」と考える前に、現在の電子処方箋や電子カルテ等への対応状況を確認し、自院がどの区分の要件を満たしているかを見ることが先になります。

2.加算1と加算2は何が違うのか

加算1と加算2の大きな違いは、追加される要件をどこまで満たす必要があるかです。

加算2では、共通要件に加えて、電子処方箋の発行体制、指定された要件を満たす電子カルテ、電子カルテ情報共有サービス等に関する追加要件のうち、いずれかを満たせるかを確認します。

一方、加算1では、加算2よりも広い範囲の要件を満たす必要があります。

加算1と2を比較するときのポイント

「電子処方箋に対応しているから加算1」「電子カルテを使っているから加算1」と一つの設備やシステムだけで判断するのではなく、必要な要件を一つずつ確認することが重要です。

3.全区分に共通する施設基準・算定要件

加算1・2・3の違いを確認する前提として、全区分に共通する基本要件があります。

オンライン請求、オンライン資格確認、明細書の無償交付、院内掲示・ホームページ掲載などは、基本となる確認事項です。

また、健康相談体制については、一般的な健康相談というだけではなく、マイナポータルの医療情報等に基づき、患者からの健康管理に係る相談に応じる体制として確認する必要があります。

マイナ保険証利用率30%以上についても、加算1だけではなく、加算1・2・3に共通して確認したい重要な要件です。

マイナ保険証利用率の判定方法や対象期間については、算定する時期によって最新の取扱いを確認してください。実際の算定時には、厚生労働省の通知・疑義解釈等をご確認ください。

4.加算3の算定要件

加算3は、加算1・2のような追加要件へ進む前に、まず共通する基本的な施設基準・算定要件を満たせるかを確認する区分です。

加算3を確認するときの主なポイント

  • オンライン請求に対応しているか
  • オンライン資格確認を行う体制が整っているか
  • マイナ保険証利用率の要件を満たしているか
  • 必要な院内掲示を行っているか
  • 自院で管理するホームページ等がある場合、必要な情報を掲載しているか
  • 明細書を無償で交付する体制があるか
  • 必要な健康相談に応じる体制を整えているか

「電子処方箋をまだ導入していないから、この加算自体を算定できない」と考えるのではなく、まず加算3の要件を満たしているかを確認することが重要です。

ただし、実際に算定する場合は、最新の施設基準や届出要件を確認してください。

5.加算2の算定要件

加算2では、共通要件を満たしたうえで、さらに追加される要件を確認します。

ポイントは、加算2では追加要件のすべてを満たす必要があるわけではないことです。

電子処方箋、所定の電子カルテ要件、電子カルテ情報共有サービス等に関する要件のうち、自院がどこまで対応しているかを確認します。

電子処方箋について

電子処方箋については、院外処方か院内処方かによって確認すべき内容が異なる場合があります。単に「電子処方箋を契約しているか」ではなく、制度上求められる発行・登録等の体制を実際に満たしているかを確認してください。

また、当面の取扱いとして、院内で処方を行うすべての医師が一律に電子処方箋へ対応しなければならないわけではないとされている部分もあります。

自院で電子処方箋を利用している場合は、「導入済み」という事実だけで判断せず、現在の運用が加算の要件を満たしているかを確認することが重要です。

電子カルテ情報共有サービス等については、電子カルテ情報共有サービスそのものだけでなく、一定の要件を満たす地域医療情報ネットワークの活用が関係する場合もあります。

6.加算1の算定要件と電子カルテ要件

加算1は、加算2よりも多くの要件を満たす必要がある区分です。

特に、電子処方箋、電子カルテ、電子カルテ情報共有サービス等への対応状況をそれぞれ確認する必要があります。

加算1で確認したい主な項目

  • 電子処方箋等に関する要件を満たしているか
  • 電子カルテに関する要件を満たしているか
  • 電子カルテ情報共有サービス等に関する要件を満たしているか
  • マイナ保険証利用率などの共通要件を満たしているか

加算1の電子カルテ要件は、単に「電子カルテを使っている」というだけでは判断できません。

電子カルテについて確認したいこと

  • 現在利用している電子カルテが、制度上求められる要件に対応しているか
  • 電子処方箋との接続に対応しているか
  • 電子カルテ情報共有サービスとの接続に対応しているか
  • 現在の契約だけで利用できるのか、追加契約が必要なのか

制度上の要件を確認したうえで、実際の製品・契約・接続状況については、自院が利用している電子カルテメーカーやベンダーへ確認する必要があります。

7.経過措置と見落としやすい注意点

電子カルテ情報共有サービス等の経過措置

電子カルテ情報共有サービスに係る要件については、経過措置が設けられている部分があります。

そのため、「現在まだ電子カルテ情報共有サービスを利用できない=直ちに対象外」と単純に判断するのではなく、算定する時点で適用される経過措置を確認してください。

また、国等による全国的な運用状況によって今後の取扱いが変わる可能性があるため、電子カルテメーカーやレセコンベンダーの対応予定も確認しておくとよいでしょう。

地域医療情報ネットワークを利用する場合

一定の地域医療情報ネットワークを活用する場合は、単にネットワークへ参加しているだけではなく、実際に診療情報を閲覧または共有していることが求められる場合があります。

既存記事で確認していた2026年5月29日の疑義解釈では、少なくとも概ね2月に1回以上、診療情報を閲覧または共有する取扱いが示されています。

この部分は加入時期による猶予なども関係するため、実際に地域医療情報ネットワークを要件として用いる場合は、最新の疑義解釈を確認してください。

ホームページ掲載

制度上必要となる情報について、院内掲示だけでなくホームページ等への掲載が求められる場合があります。

ただし、自ら管理するホームページ等を有していない医療機関については、ウェブサイトへの掲載要件に例外があります。

明細書発行体制等加算との関係

電子的診療情報連携体制整備加算を算定する場合は、明細書発行体制等加算との関係にも注意が必要です。

現在算定している点数だけを見るのではなく、本加算への移行によって実際にどの程度点数が変わるのかを確認してください。

8.届出と算定開始前に確認したいこと

電子的診療情報連携体制整備加算を算定する場合は、施設基準を満たしたうえで、所定の届出を行う必要があります。

従来の医療DX推進体制整備加算について届出を行っていた場合でも、新しい電子的診療情報連携体制整備加算を算定する際には、最新の届出の取扱いを確認してください。

届出期限や算定開始時期は、届出を行う時期や厚生局の取扱いによって確認が必要になるため、実際に届出を行う際には管轄する地方厚生局の最新案内を確認することをおすすめします。

算定開始前のチェックリスト

  • 自院が加算1・2・3のどの区分の要件を満たすか確認した
  • 共通する施設基準・算定要件を確認した
  • マイナ保険証利用率を確認した
  • 電子処方箋に関する現在の対応状況を確認した
  • 電子カルテが必要な要件に対応しているか確認した
  • 電子カルテ情報共有サービス等への対応状況を確認した
  • 必要な院内掲示・ホームページ掲載を確認した
  • 必要な届出と算定開始時期を確認した

9.自院で追加対応を考えるときの確認事項

ここまでは、電子的診療情報連携体制整備加算を算定するための制度上の要件を中心に整理してきました。

制度上必要な要件は、自院の考え方だけで変更できるものではありません。算定するのであれば、必要な条件を満たす必要があります。

一方で、現在のシステムでは要件を満たせず追加対応が必要な場合に、どの方法で対応するかは別の検討になります。

ベンダーへ確認したいこと

  • 現在利用しているシステムのままで要件を満たせるか
  • 追加契約が必要か
  • 追加費用はいくらか
  • 設定変更や機器追加が必要か
  • いつから利用できるか
  • 院内側で必要な作業は何か
  • 受付や診療時の運用はどのように変わるか

このとき、最初から「新しいシステムを導入する」と決める必要はありません。

まず現在利用している電子カルテやレセコン、電子処方箋、地域医療情報ネットワークなどの状況を確認し、既存の仕組みや契約で対応できる範囲を確認します。

そのうえで不足しているものがある場合に、追加対応の費用、院内運用への影響、今後のシステム更新予定などを含めて検討すると、自院として判断しやすくなります。

10.まとめ

電子的診療情報連携体制整備加算では、まず加算1・2・3の違いを理解し、自院がどの区分の要件を満たしているかを確認することが出発点です。

  • 加算3は初診時4点で、まず共通する基本要件を確認する区分です。
  • 加算2は初診時9点で、共通要件に加えて追加要件のうち該当するものを確認します。
  • 加算1は初診時15点で、より広い範囲の高度な要件への対応が必要です。
  • 再診時は区分にかかわらず月1回2点です。

そのうえで、マイナ保険証利用率、電子処方箋、電子カルテ、電子カルテ情報共有サービス等、院内掲示・ホームページ掲載、届出などを一つずつ確認します。

追加対応が必要な場合は、すぐに新しいシステムの導入を決めるのではなく、まず現在のシステムや契約でどこまで対応できるかを確認してください。

制度上の要件と、自院で追加対応をどう進めるかを分けて考えることで、「加算1・2・3のどれを算定できるのか」「次に何を確認すればよいのか」を整理しやすくなります。

制度の要件を確認したあと、自院の医療DXをどう進めるか

電子的診療情報連携体制整備加算の要件を理解しても、電子処方箋や電子カルテなどへの追加対応をどこまで進めるかは、自院の現在のシステムや契約、院内運用によって異なります。

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まえやまだ純商店 前山田純

この記事を書いた人

前山田 純 まえやまだ純商店

2011年から医療機関の開業・経営支援に従事。院長が一人では整理しきれない経営課題について、現状や論点、選択肢を整理し、自院として判断しやすい状態づくりを支援しています。正解を一方的に示すのではなく、院長が自院として納得して次の一歩を選べることを大切にしています。

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