開業や経営の“もやもや”を整理し、 自分なりの「納得解」で進むために。 ――医師の考えに伴走する、対話型の経営支援。

クリニック開業・経営コラム

これからの開業コンサルティングとの関わり方──任せるのではなく、考えを整理するという選択


※本稿は、制度や具体的なノウハウを解説する記事とは少し異なり、
開業やクリニック経営に向き合う際の「コンサルティングとの関わり方」や「考え方そのもの」を整理することを目的としています。


先日、クリニックを経営する開業医の先生が、診療やクリニック経営を行う傍ら、自身の経験をもとに開業支援・コンサルティング事業にも取り組んでいる企業のセミナーに参加する機会がありました。
診療と経営の現場を経験してきた立場から、開業についての考え方や判断のポイントを伝えようとする姿勢は、とても意義のある取り組みだと感じました。


そのセミナーの中で、特に印象に残った点がいくつかあります。


ひとつは、「勤務医のままでも生活は成り立つ」という前提に立ったうえで、開業をどう捉えるかという視点です。
開業とは、今より良くなるかどうかという単純な比較ではなく、借入というマイナスを背負ってでも、自らの意思で事業を立ち上げる覚悟があるかどうかが問われる――その指摘は、非常に本質的だと感じました。


また、コンサルタントとの関わり方についても、考えさせられる内容でした。
すべてを任せるのではなく、自分自身の考えや方向性を持ったうえで、その「穴」や「抜け」を一緒に埋めていく存在として関わることが重要であるという点です。
さらに、依頼するコンサルタントに何を求め、どこまでを自分自身で判断するのか、その役割分担をあらかじめ明確にしておく必要性についても触れられていました。


これらの話を聞きながら、開業医が診療やクリニック経営を行う傍ら、自身の経験を言語化し、開業支援やコンサルティング事業にも踏み出すケースが見られるようになってきました。
制度改定や地域医療構想など、外部環境が大きく変化する中で、こうした動きが生まれるのは、ごく自然な流れとも言えるでしょう。


なぜ「すべて任せる」関わり方はうまくいきにくいのか


開業準備やクリニック経営において、「専門家に任せたほうが早い」「自分は診療に集中したい」と考えること自体は、決して間違いではありません。
制度、手続き、広告、会計など、専門知識が求められる領域は数多く存在します。


一方で、開業は極めて個別性の高い事業です。
立地、診療科、患者層、スタッフ構成、そして院長自身の価値観によって、最適な形は大きく異なります。


そのため、「すべてを任せる」という関わり方を選ぶと、判断そのものが外部に委ねられてしまい、後になって
「本当はこうしたかった」
「自分の考えと少し違う」
と感じる場面が生じやすくなります。


問題は、任せることそのものではなく、判断まで手放してしまうことにあります。


コンサルは「正解を出す人」ではなく、考えを補完する存在


本来、コンサルタントが担える役割は、すべての正解を提示することではありません。
見落としがないかを確認し、選択肢を整理し、考えの抜けや偏りを補完すること。
そのうえで、最終的な判断は院長自身が行う――その関係こそが、健全だと感じています。


コンサルは代行者ではなく、思考の伴走者。
上下関係ではなく、並走する関係であることが重要なのだと思います。


これからの開業コンサルティングとの関わり方



  • すべてを任せきりにしない

  • 判断軸は院長自身が持つ

  • コンサルは思考を補助する存在として関わる

  • 役割分担を言葉にする


私自身は、開業やクリニック経営において、「代わりに決める」支援は行っていません。
あくまで、院長自身が判断できるように、考えを整理し、言語化することを大切にしています。



ここまでお読みいただき、
「任せきりにはしたくないが、何をどう考えればいいのかはまだ言葉になっていない」
そんな感覚を持たれた先生もいらっしゃるかもしれません。


開業やクリニック経営において、最初から答えがはっきりしているケースは多くありません。
だからこそ、結論を急ぐ前に、一度立ち止まって考えを整理する時間が、結果的に遠回りにならないこともあります。




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