なぜ“整理”から始めるのか|情報過多の時代に院長が見落としがちな最初の一歩 (情報と考えを整えるシリーズ第1回)
クリニックの開業準備や経営について調べ始めると、驚くほど多くの情報が目に入ってきます。
インターネット、SNS、セミナー、コンサル会社の発信──“答えらしきもの”は無数にあります。
本来は選択肢が多いほど判断しやすくなるはずですが、現実にはその逆で、情報が増えるほど迷いが増え、動けなくなる先生を多く見てきました。
その理由は、情報不足ではありません。
情報は十分すぎるほどある。でも整理されるべきは“考え方と想い”
いまは、開業や経営に関する情報がいくらでも手に入る時代です。
- 開業までのロードマップ
- 採用やマネジメント
- 経営数値や資金計画
- 診療報酬制度
- 集患・マーケティング
- 補助金
- 他院の事例
情報が足りなくて困ることは、ほとんどありません。
それでも多くの先生が迷い、立ち止まるのは次の一文に尽きます。
本質は “考え方や想いの整理が足りていない” ことにあります。
情報量の問題ではなく、
・何を大切にしたいのか
・どんな医療をつくりたいのか
・どこに不安があるのか
・何を優先すべきか
といった“内側の整理”が追いつかないことが、迷いの正体です。
内側が整理されないまま情報を浴び続けるほど、良い情報ほど逆に混乱を招きます。
情報は「集める」から「選ぶ」へと役割が変わった
迷いを減らし、自分に必要な情報だけを拾える状態にするにはどうすればよいのでしょうか。
答えはシンプルです。
“整理してから、選ぶ” という順番に変えること。
考えが整ってくると、同じ情報でも見え方が変わり、自分に必要なものが自然と取捨選択できるようになります。
整理の有無によって、判断の質は大きく変わります。
自分自身の経験が、“整理の時間”を重視する理由になっている
私自身、キャリアの大きな選択に直面した際、紙に書き出し、声に出し、誰かに話しながら、
・何が怖いのか
・何を大切にしたいのか
・どこから手をつければよいのか
を整理していきました。
開業を検討する先生方の状況も、このプロセスと全く同じです。
だからこそ、私はご相談の際、まず“現状と想いの整理”の時間を確保するようにしています。
WHY(なぜ)を整えることが、最短の一歩になる
多くのご相談は「どうすればいいですか?」=HOW から始まります。
しかし、HOW を集めても迷いが消えないのは、WHY が言語化されていないからです。
WHY → HOW → WHAT の順番で考えられるようになると、行動は一気に前に進みます。
整理は、そのスタート地点です。
この第1回で伝えたいこと(まとめ)
情報が多すぎることが問題ではありません。
“考え方や想いの整理”が追いついていないことこそが、迷いの原因です。
内側が整うと、情報は「迷いの材料」ではなく、「判断の助け」に変わっていきます。
整理は遠回りに見えて、実は最短ルートです。
次回は、「成功/失敗という基準より、自分軸で考えることの重要性」についてお伝えします。
情報が多い時代に、「何が正解か」ではなく、「自分はどうしたいのか」を言葉にすることが、開業や経営を前に進める第一歩です。
もし今、頭の中が少しごちゃついている感覚があれば、いったん立ち止まり、考えや想いを一緒に整理する時間を取ってみませんか。
頭の中の“もやもや”を整理し、次の一歩を見つけたいときに
日々の診療や業務のなかで、「言葉にしづらい違和感」を抱える院長先生は少なくありません。
初回整理セッションでは、経営の前提となる“考え”を丁寧に言語化し、納得感のある方向性を一緒に見つけていきます。
即答よりも、「腑に落ちる」時間を大切にしています。まずは話すことから、整理がはじまります。
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経営方針・組織づくり・診療体制・情報発信・人との関わり方など、幅広いテーマに対応。
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