正解を急がず、 クリニック経営で重なりやすい論点を整理するために。 患者さんの視点も踏まえながら、 開業準備や日々の経営で迷いやすい場面の前提を整える時間です。

クリニック開業・経営コラム

2026年度改定に向けて──外来機能・生活習慣病・OTC薬、診療所が備えるべき実務ポイント

2026年度の診療報酬改定は、外来機能の再設計かかりつけ医機能の整理が大きな柱です。本稿では、直近の中医協資料を踏まえつつ、診療所が「いま整えておくと後で効く」実務を、行動ベースでまとめます。

※本記事は、中央社会保険医療協議会(第621回・2025年10月17日開催) における議論資料を参考に構成しています。

改定の前提をつかむ|“制度の整理”と“説明可能性”が鍵

点数の増減そのものより、要件の明確化・提出物の整流化・連携の見える化が進む見込みです。現場に求められるのは、「やっていることを説明できる状態」に早めに整えておくことです。

要点:改定後に“急いで整える”より、平時に雛形と運用ルールを作っておく方が、負荷が小さくリスクも低い。

かかりつけ機能を“見える化”する|一本化・継続性重視への備え

機能強化加算や関連評価の“整理・一本化”が示唆される中、継続支援の体制を示せるかが分かれ目です。

  • 時間外対応の明文化:留守電・転送・折返し基準・記録様式をA4一枚に。
  • 紹介・逆紹介テンプレ:紹介状、返書、情報提供書のひな形を統一。
  • 在宅・介護連携の記録:連携先一覧・連絡経路・計画書控えの保管ルール。
  • 院内掲示:「かかりつけ医としての方針」を患者向けに簡潔表示。

生活習慣病管理を“根拠で運用”する|頻度より納得できる理由を

検査頻度や介入の一律化ではなく、個別最適の根拠をカルテ・計画書で示す方向へ。下記の整備で“説明可能性”を高めます。

  • 計画書の一言:「安定のため3か月ごと採血」「合併症リスク高く毎月確認」など理由付け。
  • 連携のルーチン化:糖尿病→眼科、生活習慣病→歯科の案内文と起票トリガー。
  • 多剤併用チェック:月1回のチェック項目を定義(誰が・何を・どう記録)。
  • 外来データ提出加算の準備:レセコン出力の手順書化+担当者の役割固定。

ポイント:「どのくらい」より「なぜその間隔・内容か」を、短く書いて残すだけでも十分有効です。

外来機能の分化に備える|“逆紹介を受け入れる体制”を前倒し

慢性疾患の継続管理は診療所主体へ。病院側の逆紹介率改善の流れを取り込み、受け入れの“段取り”を先に用意します。

  • 受け入れ案内シート:診療内容・主な機器・当日対応可否・検査枠を1枚に。
  • 初診/検査の確保:週〇枠を逆紹介用に確保(枠の公開ルールも明文化)。
  • 返書テンプレート:検査共有様式・返送期限・担当者の固定。

OTC類似薬の保険外化議論に備える|院内“説明力”をそろえる

保険適用の見直し議論が続く領域。院内スクリプトと掲示で説明を平準化し、現場の負担と誤解を減らします。

  • 自院リスト化:OTC類似薬の候補一覧(代替手段と注意点付き)。
  • 説明スクリプト:「保険適用の見直しが議論されています」「代替候補はこちら」等の定型文。
  • 掲示・配布物:セルフメディケーション税制の対象薬と活用の簡易説明。

今日からできる“30分チェック”

A. 書式・雛形の棚卸し

  • 紹介・返書テンプレは1ヶ所で最新版管理できている
  • 時間外対応・連携方針のA4掲示案がある
  • 生活習慣病の計画書に「理由」の記載欄がある

B. 役割と運用の固定

  • 外来データ提出の担当・手順・締切が決まっている
  • 逆紹介受け入れ枠の決定と公開ルールがある
  • OTC説明スクリプトを全員が見える場所に保存

クリニック経営で迷いが重なってきた院長へ

状況を整理して、次の一手を考える伴走を行っています

患者数、スタッフ、制度対応、役割分担。
クリニック経営では、どれも大事だと分かっていても、何から整理すればよいか分からなくなることがあります。

まえやまだ純商店では、そうした経営の迷いを整理し、院長が自院としての優先順位と次の一手を考えるための伴走を行っています。

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こんな状況の院長から、ご相談をいただくことが多いです

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