医師の“考えを整理する時間”をつくる|治す医療から、治し支える医療へ

クリニック開業・経営コラム

広告戦略の原点は「自院が提供しているサービス」の整理から


手法を考える前に――まず「自院が提供しているサービス」を明確にすることが大切です。




クリニックの広告戦略を考えるとき、多くの方が「どんな広告媒体を使うか」「SNSを始めるべきか」といった方法論から考えてしまいがちです。けれども、本来の出発点はもっと基本的なところにあります。


それは――「自院が提供しているサービス(=供給)」を整理することです。




広告は「提供しているサービス」を伝える活動


広告は、ゼロから新しいものを生み出す魔法ではありません。自院がすでに提供しているサービスや強みを、地域の方にわかりやすく届けるための活動です。


たとえばテレビCMやYouTubeの動画広告を思い出してください。新しい診療科や治療法を突然つくり出しているわけではありません。すでに存在しているサービス――「診療時間が長い」「待ち時間が少ない」「生活習慣病に強い」といった特徴――を、わかりやすい言葉や映像に変えて、地域の方に伝えているのです。


広告の役割は「存在しないものを飾り立てること」ではなく、「提供しているサービスをどう見せるか」にあります。




提供しているサービスを整理する4つの視点


1. 診療科・診療内容


どんな診療を、どんな方針で行っているのか。
例:一般内科に加え、糖尿病や高血圧といった生活習慣病を長期的にサポート。


2. 利用しやすさ


診療時間、予約方法、アクセス、駐車場など、患者さんの生活に合う利便性。
例:平日夜も診療、オンライン予約、駅から徒歩3分。


3. 環境・体制


医療機器や院内環境、システム面など。安心や快適さにつながる要素。
例:最新の超音波検査機器、プライバシーに配慮した診察スペース、感染症対策の徹底、WEB問診や予約システムの導入による滞在時間の軽減


4. 理念や想い


「どんな地域医療を実現したいか」という背景もサービスの一部です。
例:患者さんと長く付き合える“かかりつけ医”として地域に貢献する。




サービスを整理するメリット



  • 伝える内容が絞れる:すべてを並べるのではなく、本当に大切な価値を前面に出せる。

  • 言葉がブレない:ホームページ、チラシ、SNSなど媒体が変わっても一貫性を保てる。

  • 費用対効果が高まる:無駄な広告を避け、投資が「自院の強みを伝える活動」に直結する。




まとめ:原点を固めてから次のステップへ


広告戦略の原点は、手法や媒体の選択ではありません。まずは「自院が提供しているサービス=供給」を整理することです。



  • どんな診療をしているのか

  • どんな利便性を提供できるのか

  • どんな体制や環境を整えているのか

  • どんな想いを持っているのか


これらを言葉にして初めて、広告は地域に届く力を持ちます。次のステップでは、このサービスに対して「地域が何を求めているのか(需要)」を重ね合わせていきます。広告戦略とは、このサービス(供給)と需要をつなぐ橋渡しそのものなのです。





無料相談のご案内


「自院の強みをどう整理したらいいか分からない」「広告の方向性をどこから考えたらいいか不安」という先生へ。


まえやまだ純商店では、クリニック開業・経営に関する無料相談を承っています。
ご自身のクリニックの状況に合わせて、一緒に「供給(提供しているサービス)」を整理するところから伴走いたします。


無料相談はこちらから



記事一覧