広告戦略は「地域が求めているもの(需要)」から逆算して考える
                老若男女すべてに届く広告は存在しません。だからこそ「誰に求められているか」を意識する必要があります。
※この記事はシリーズの第2回です。
第1回はこちら 👉 広告戦略の原点は「自院が提供しているサービス」の整理から
近年、クリニックを取り巻く環境は大きく変化しています。診療科ごとの専門クリニックが増え、休日診療所やオンライン診療といった新しい選択肢も広がりました。患者さんは「自分に合ったクリニック」を探しやすくなり、選ぶ基準も多様化しています。
このような状況の中で「老若男女すべての人に来てほしい」と打ち出してしまうと、広告メッセージはぼやけてしまいます。結果的に、誰の心にも強く届かない広告になってしまうのです。
需要を理解することが第一歩
広告戦略を考えるとき、重要なのは「地域がどんな医療を求めているのか=需要」を理解することです。これは患者さんを狭く限定するという意味ではなく、地域で生活する人々がどんな状況で困り、どんな支援を望んでいるのかを把握することです。
需要を整理するための3つの視点
- 人口構成:地域には子育て世代が多いのか、高齢者が多いのか、それとも働き盛りの世代が多いのか。
 - 生活スタイル:車での通院が一般的なのか、駅近が選ばれやすいのか。共働き世帯が多いのか、単身世帯が多いのか。
 - よく聞かれる声や困りごと:「夜も診てほしい」「子どもと一緒に来やすい環境がほしい」「薬の管理が大変」など。
 
需要から逆算する広告の形
需要を理解したら、それをもとに広告の内容を逆算します。
- 子育て世代が多い地域なら:「駐車場完備」「夕方診療」「LINE予約」など、忙しい親世代が利用しやすい要素を前面に出す。
 - 高齢者が多い地域なら:「送迎サービス」「薬の一元管理」「生活習慣病の長期フォロー」といった安心感を訴求する。
 - 働く世代が多い地域なら:「夜間外来」「駅近」「仕事帰りに立ち寄れる」といった通いやすさを打ち出す。
 
「絞ること」は排除ではない
需要を踏まえてターゲットを定めることは「他の人を拒むこと」ではありません。
たとえば「働く世代を意識した診療時間」と打ち出しても、高齢者や子どもが受診してはいけないわけではありません。むしろ「このクリニックは自分たちのことを考えてくれている」と感じてもらうことで、結果的に幅広い世代から選ばれることにつながります。
まとめ
今の時代、広告戦略は「誰にでも伝えたい」では届きません。
「地域が何を求めているのか(需要)」を理解し、そこから逆算して広告を設計することが大切です。
- 地域にどんな世代が多いのか
 - どんな生活スタイルが一般的か
 - どんな困りごとや要望があるのか
 
そして、この需要の整理は、前回の記事で考えた「供給=自院が提供しているサービス」と重ね合わせてこそ意味があります。広告戦略とは、供給と需要を結びつける橋渡しの作業なのです。
無料相談のご案内
「地域の需要をどう整理したらいいか分からない」「広告のターゲットをどう決めればよいか悩んでいる」という先生へ。
まえやまだ純商店では、クリニック開業・経営に関する無料相談を承っています。
ご自身のクリニックの状況に合わせて、一緒に「需要の整理」から広告戦略を考えるお手伝いをいたします。