開業や経営の“もやもや”を整理し、納得して進むために。 ――医師の考えに伴走する、対話型の経営支援。

クリニック開業・経営コラム

「うちに向いていない人」を言語化すると採用が安定する理由


求人票や採用ページでよく見かける「未経験者歓迎」「やる気のある方なら誰でも」。
一見すると間口を広げる表現ですが、実は「うちに向いていない人」をあえて書くことで、結果的に応募が増え、長く働いてくれる人が集まりやすくなります。


クリニック採用で「向いていない人」を書くと良い理由


応募者は「自分がここで働けるか」を確かめながら求人票を見ています。
そのとき、“合わない人”の条件が書かれていると、「自分は当てはまらないな」と思う人が離れる一方で、「ここなら合いそうだ」と感じる人の応募意欲が高まります。



  • ミスマッチを防げる:合わない人を採用してしまうと、教育・人間関係・離職のリスクが増えます。事前に明記することで、お互いに無理のない採用が可能になります。

  • 本気度の高い応募者が集まる:自分に合う職場だと感じて応募する人は、モチベーションが高く、定着しやすい傾向があります。

  • 職場の雰囲気が安定する:価値観や働き方の相性が近い人が集まり、結果的にチームの空気が良くなります。


「うちに合わない人」を言語化する3つのステップ


日々診療に追われる院長先生にとって、「合わない人」を明確にするのは簡単ではありません。
次の3つの視点から整理すると、自然に言語化できます。


① 退職理由を振り返る


過去に離職したスタッフが辞めた理由を棚卸ししましょう。
「業務スピードが合わなかった」「患者対応が苦手だった」などの理由は、“向いていない人”を知るヒントです。


② 定着している人に共通する特徴を探す


長く働いているスタッフの共通点を言語化します。
「患者さんとの会話を楽しめる」「チームで支え合うのが得意」などを挙げると、逆に“向いていない人”も浮かび上がります。


③ 業務フローを分解する


受付・会計・診療補助・レセプト業務など、どの場面でつまずく人が多いかを観察すると、定着しにくいタイプが見えてきます。


書き方の工夫(ネガティブにせず伝える)


「向いていない人」をそのまま否定的に書くと、応募者に不快感を与えるリスクがあります。
少し表現を変えるだけで、印象が大きく変わります。



  • ✗ 「いい加減な人はお断り」

  • ○ 「患者さんとの会話を大切にできる方を歓迎します。人と接することが苦手な方には合わないかもしれません」


このように書くと、“合う人”は安心して応募でき、“合わない人”は自然と離れます。
お互いにとってストレスの少ないマッチングが生まれます。


具体的なケースから見る採用の安定化


あるクリニックでは、「未経験者歓迎」とだけ記載していたところ、患者対応に消極的な人材が入職し、数か月で退職してしまいました。
一方で、別のクリニックが「患者さんと会話を楽しめる人」と明記したところ、応募数は減ったものの、入職したスタッフは長く勤務を続け、職場全体の雰囲気も安定しました。


まとめ|「向いていない人」を示すことは、応募を減らすことではない


合う人に安心して応募してもらい、長く働ける環境を整えるための採用戦略として、「うちに向いていない人」を示すことが有効です。
さらに、経営者自身が“合わない人”を言語化する過程は、採用基準の整理にもつながります。


結果として、応募者の「数」だけでなく「質」も上がり、採用・定着の両面で経営を支える力になります。


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