「スタッフが辞めたから、すぐに募集をかけよう」――多くのクリニックで、当たり前のように繰り返されてきた流れです。
しかし、実際に募集をしても応募が集まらなかったり、採用できても数カ月で退職してしまうケースが少なくありません。労働人口が減少し続ける今、「人を採ることで解決する」という従来の発想だけでは限界があります。
本記事では、採用に踏み切る前に院長先生が整理しておきたい4つのステップを紹介します。
ステップ1:業務の棚卸しから始める
欠員が出たときこそ、まずは業務を見直すチャンスです。
日々の仕事を棚卸しして、次のように確認してみましょう。
- その業務は本当に必要か?
 - 他のスタッフが兼務できないか?
 - マニュアル化・標準化できる作業ではないか?
 
一つひとつ見直すと、ムダや重複、改善の余地が見えてきます。
ステップ2:自院のチームでカバーできる工夫を探す
「医師にしかできない業務」「看護師でなければできない業務」は、実は限られています。
診療に直結しない部分は、役割分担の見直しだけで補えることもあります。
スタッフ同士が得意分野を活かし合うことで、チームとしての柔軟性も高まります。
ステップ3:外部やシステムの力を取り入れる
それでも難しい場合は、外部委託やシステム導入を検討しましょう。近年は生成AIの活用も現実的な選択肢になっています。
- 書類作成の効率化:紹介状・診断書など定型文書の下書きをAIに任せる
 - 問い合わせ対応の自動化:診療時間や持ち物など、よくある質問をAIが回答
 - スタッフ教育の効率化:マニュアルや説明資料をAIが作成し、研修に活用
 
AIを取り入れることで、少人数でも安定して運営できる仕組みを整えられます。
ステップ4:それでも人が必要なら採用へ
業務の整理、自院での工夫、外部・AIの活用――これらを行ったうえで、それでも人手が必要な場合、はじめて採用に踏み切りましょう。
この順序を踏むことで、採用は「欠員補充」ではなく「持続可能な体制づくり」の一環になります。
まとめ
人材不足の時代に、採用だけで課題を解決しようとすると経営が不安定になります。
業務の見直し → 自院での工夫 → 外部・AIの活用 → 採用
この4ステップを習慣化することが、長く続くクリニック経営の基盤になります。
「自院の業務をどう整理すべきか」「AIを導入するなら何から始めるか」──院長先生お一人で抱え込むには大きなテーマです。
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