なぜ、自院として判断できる状態を大切にするのか
院長は、日々の診療を続けながら、クリニック経営のことを考え続けています。
すでに開業している院長であれば、院内の業務フロー、患者さん、スタッフ、採用、制度対応、設備投資、資金繰りなど、考えることは一つではありません。
これから開業を考えている先生であれば、いつ開業するのか、どこで開業するのか、資金をどのように調達するのか、本当に事業として成り立つのか、自分が培ってきた経験をどのように地域の患者さんへ届けるのか、といったことを考える必要があります。
一つずつであれば整理できることでも、複数の判断が重なると、最後に残る「自院ではどうするか」をまとめにくくなることがあります。
まえやまだ純商店では、院長に代わって答えを決めるのではなく、現状・背景・論点・事実・選択肢・優先順位を整理し、院長ご自身が自院として納得して判断できる状態を整えることを大切にしています。
このページでお伝えすること
情報や意見があっても、判断がまとまらない理由
クリニック経営では、制度の資料、他院の事例、業者の提案、専門家の意見など、さまざまな判断材料を得ることができます。
それぞれの情報や意見が、間違っているわけではありません。
ただし、業者は自社の商品やサービスの立場から提案し、専門家はそれぞれの専門領域を中心に助言します。
院長は、それらの意見に加えて、患者さん、スタッフ、費用、院内運用、地域との関係、自院の診療方針まで考えながら判断しなければなりません。
その結果、事実として確認できていること、今後への不安、他院の事例、周囲の意見、院長自身が大切にしたいことが、頭の中で重なることがあります。
一般的に正しいとされる方法が、そのまま自院にも合うとは限りません。
地域、患者層、診療内容、スタッフ体制、資金、院長の考え方、今後目指す方向は、クリニックごとに異なるためです。
大切なのは、情報を増やすことだけではなく、今ある情報を自院の状況に照らして整理し、何を基準に判断するのかを明らかにすることです。
目の前の課題の奥に、本当に考えるべきことがある
相談のきっかけになった課題と、本当に考える必要があることが、同じとは限りません。
例えば、開業場所を選ぶとき
候補となる土地や物件を比較し、診療圏、賃料、競合する医療機関を確認することは必要です。
しかし、開業場所だけを考えても、自院の方向は決まりません。
- どのような患者さんに医療を提供したいのか
- これまで培ってきた経験を、地域でどのように活かしたいのか
- 自分が提供できる医療を、地域の患者さんへどう知ってもらうのか
- その場所で、無理なく診療を続けられる運営をつくれるのか
開業場所を選ぶ話だと思っていたら、本当に考えるべきだったのは、自分が培ってきた経験を、どのように地域の患者さんへ提供し、知ってもらうのかということかもしれません。
採用、システム導入、患者数、制度対応などについても同じです。
表面に見えている問題だけを解決すると、目の前の結論は出ても、その後の院内運用や別の課題に迷いが残ることがあります。
そのため、すぐに解決策を選ぶ前に、現在何が起きているのか、どのような状態を目指しているのか、本当に判断すべきことは何かを確認します。
問題をすべて一度に解決するのではなく、今、何を判断する場面なのかを明らかにすることから始めます。
クリニック外の第三者として行うこと
現場を最もよく知っているのは、院長やスタッフです。
患者さんの状況、スタッフの働き方、地域との関係、自院で大切にしたい診療について、日々向き合っているのも院長です。
そのため、まえやまだ純商店が院長より優れた答えを持っている立場だとは考えていません。
一方で、当事者だけで考え続けると、これまでの経緯、感情、院内の人間関係、取引先との関係などが重なり、論点を分けにくくなることがあります。
まえやまだ純商店は、クリニック外の第三者として、院長や開業を考えている医師が抱えている考えを、判断しやすい形に整理します。
言葉になっていない不安や違和感を整理する
「何となく気になる」「このままでよいのか」と感じていることを伺い、現在抱えている問題を見える形にします。
本当に考えるべき論点を確認する
表面に見えている課題だけでなく、その背景、ほかの業務とのつながり、確認が必要な事項を整理します。
事実、不安、意見を分ける
事実として確認できていること、今後への不安、一般論、業者や専門家の意見、院長自身の考えを分けて扱います。
判断の基準と次の行動を明らかにする
自院として何を大切にするのかを確認し、今決めること、あとでよいこと、誰に何を確認するのかを具体化します。
多くの情報を渡すことだけが目的ではありません。
院長に代わって答えを決めることでもありません。
院長ご自身が、自院の状況や大切にしたいことを踏まえ、納得して次の一歩を決められる状態を整えることが、まえやまだ純商店の役割です。
大切にしているのは、判断の先にある運用です
経営上の判断は、決めた時点で終わるものではありません。
制度へ対応した後、システムを導入した後、スタッフを採用した後に、院内で無理なく運用できることが重要です。
良い提案に見えても、スタッフが使いこなせない、患者さんへ説明しにくい、院長の負担が増えるという状態では、長く続けることが難しくなります。
何を選ぶかだけでなく、選んだ後に誰が、どのように続けるのかまで考える。
それが、自院として納得できる判断につながると考えています。
院長やスタッフが無理なく続けられるか、患者さんへ説明できるか、自院の診療方針や地域での役割と合っているか、別の場所へ負担が移らないか。
判断すること自体を目的にせず、その後も院内で続けられ、患者さんに必要な医療を提供できる状態につながるかを確認します。
地域で役割を果たし続けられるクリニックへ
まえやまだ純商店が目指しているのは、クリニックを大きくすることだけでも、売上だけを増やすことでもありません。
経営を続けるためには、数字や利益も重要です。
利益がなければ、スタッフの雇用を守り、設備を維持し、患者さんへ医療を提供し続けることはできません。
一方で、数字だけを基準に判断すれば、スタッフの負担、患者さんへの説明、院内運用の現実、院長自身の働き方が置き去りになることがあります。
良い医療を提供することと、事業として成り立たせることは、どちらか一方を選ぶものではありません。
患者さんに必要な医療を届け続けるために、院内で無理なく続けられる経営を整えることが必要です。
支えたいのは、目の前の問題を一時的に片付けることだけではありません。
院長、クリニック、スタッフ、そして地域の患者さん。
一つひとつの判断を、自院で続けられる体制づくりにつなげ、患者さんに必要な医療を届け続けられる状態を一緒に考えることです。
院長や開業を考えている医師が、自院として納得して判断し、その判断を積み重ねながら、地域で役割を果たし続けられることを目指しています。