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クリニック開業・経営コラム

中医協・支払い側の意見から読み解く:2026診療報酬改定で「クリニックが注視すべき6つのポイント」

※本記事は、令和7年12月26日時点で示された「中医協」が公表した資料をもとに、クリニック経営の観点から整理したものです。

はじめに|「改定率」より前に、少し立ち止まって見ておきたいこと

2026年(令和8年)診療報酬改定は、2026年6月施行とされています。まだ詳細点数は確定していませんが、 2025年12月26日の中央社会保険医療協議会(中医協)で示された「支払い側の意見」を読むと、 今回の改定でどこが問題視されやすいのか、どの領域が見直しの俎上に上がりやすいのかは、ある程度見えてきます。

この記事では、点数の増減を追いかけるのではなく、支払い側が制度をどういう目線で見ているのかを手がかりに、 クリニックが注視しておきたいポイントを、できるだけ実務に引き寄せて整理します。

1.診療報酬改定の概要|令和8年度改定の位置づけ

今回の改定は、医療従事者の賃上げ、医療DXの推進、医療資源の効率的活用など、いくつかの政策課題を背景に進んでいます。 その一方で、支払い側の資料からは、「増やす」より「整理する」色合いも感じられます。

たとえば、評価が重なっているところ制度の趣旨と算定実態にズレがあるところは、 今回の改定で「整える対象」になりやすい――この前提を置くだけでも、読み方がかなり変わります。

2.支払い側の主張の全体像|何を問題視しているのか

支払い側の意見を一言でまとめると、次の問いに集約されます。

「その評価は、本来の目的に沿って算定されているか?」

具体的には、他の加算・管理料と機能が重複していないか算定実態と制度趣旨が一致しているか医療の質(アウトカム)にどうつながるのかといった視点が、繰り返し示されています。 つまり「点数がどうなるか」以前に、説明できるかどうかが問われやすい、ということです。

3.支払い側が注目している論点|優先度順に6つ整理

① 外来管理加算

外来管理加算は、算定範囲や実際の診療内容、他評価との関係が論点になりやすい領域です。 「外来=一律に評価」という捉え方より、診療の中身や密度との整合性が問われる方向に動く可能性があります。

② 生活習慣病管理料

生活習慣病管理料は、長期処方・リフィル処方の流れとも密接で、「管理」と「処方中心」の境界が見られやすい領域です。 今後、算定要件の整理や運用の厳格化が検討される可能性もあるため、自院の運用を言語化できるかがポイントになります。

③ 特定疾患療養管理料

特定疾患療養管理料は、対象疾患の妥当性、他管理料との併算定、管理内容の実態が論点になりやすい領域です。 「算定できる/できない」だけでなく、どう管理しているかを説明できるかが問われやすくなります。

④ 医療DX系加算

医療DX関連は、導入そのものだけでなく、実際の活用が焦点になりやすい領域です。 「入れた」より「どう使っているか」へ。現場負担と質向上のバランスを含めて、制度設計が進む可能性があります。

⑤ その他の小加算・実務負担(煩雑さ)

個々の点数は小さくても、要件が複雑で実務負担が大きいものは、整理・統合の対象になりやすい領域です。 「現場の手間に見合っているか」という視点で、見直しがかかる可能性があります。

⑥ 「重複評価」と見なされやすい領域(波及しやすい視点)

今回の支払い側意見全体を通じて共通するのが、「同じ行為を、別の評価で重ねて点数化していないか」という視点です。 これは特定の項目に限らず、今後の議論の“軸”として波及していく可能性があります。

4.今後のスケジュールと、改定の読み方

今後の大まかな流れは、次のように想定されています。

  • 2026年1月下旬:短冊(改定項目案)
  • 2026年2月:諮問・答申・告示
  • 2026年3月上旬:詳細点数・内容確定(運用・算定要件の具体化)

この段階で大切なのは、「今すぐ決める」ではなく「どこを見るかを揃える」ことです。 改定の議論が進むほど、「何が変わるか」より「なぜそこが変わるのか」が効いてきます。

5.クリニックが“先回りして整える”実務チェック

ここからは、院内での整理に使える形に落とします。ポイントは「削られるかどうか」ではなく、説明できるかどうかです。

チェックリスト(院内での棚卸し用)

  • 今算定している管理料・加算について、「何を評価する点数か」を院内で説明できる
  • 他の評価と役割が重複していないかを確認できている
  • 算定要件を「形式」ではなく「実態」で満たしている(運用が伴っている)
  • 医療DX関連について、導入後の運用・活用(誰が何をするか)を言語化できる
  • スタッフが算定趣旨を理解し、現場の動きが揃っている

この棚卸しができていると、短冊や点数が出てきたときに「何を優先して見るか」が明確になり、結果として慌てにくくなります。

まとめ|支払い側の狙いと、クリニックの「影響マップ」

支払い側の意見から見えるのは、一律評価からの見直し重複評価の整理制度趣旨と実態のすり合わせです。 今回の改定は、「今すぐ動け」というより、考え方と目線を揃えておけというメッセージに近いかもしれません。

点数を追う前に、自院の診療と評価の関係を一度整理しておく――それが、結果的にもっとも堅実な準備になるはずです。


※本記事は、令和7年12月26日時点で示された中医協・支払い側の意見をもとに整理しています。
今後、短冊の公表や改定内容の具体化など動きがあり次第、当ブログでも随時整理し、記事としてお伝えしていく予定です。

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