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クリニック開業・経営コラム

問題先行型と方法先行型、どちらが成果を出すのか?



クリニック経営のご相談でよくあるのが「方法を教えてほしい」という声です。
ただし本当に大切なのは「どんな問題を解決すべきか」を整理すること。本記事では、問題を知ろうとする姿勢と、方法を知ろうとする姿勢の違いについて整理し、経営の現場でどう活かせるかを考えます。


短期的に成果を出す「方法先行型」


新しい仕組みやツールを取り入れると、すぐに変化が見えることがあります。例えば予約システムの導入で電話対応が減る、オンライン問診を追加して来院率が上がるなどです。診療報酬の加算要件を満たす仕組みを追加することで、収益が伸びるケースもあります。


ただし方法はあくまで「手段」にすぎません。状況に合わない方法を導入すると、コストや手間ばかりかかり、成果が得られないこともあります。


長期的に成果を出す「問題先行型」


一方で「問題」を掘り下げる姿勢は、すぐに結果は出ません。新患減少の原因は宣伝不足なのか、立地の問題か、導線設計の不備か…。スタッフ定着率の低下も、給与水準より職場環境やチームワークに要因があることが少なくありません。


本質を見極めるには時間がかかりますが、一度たどり着けば継続的な改善につながります。


成果を出すクリニックの共通点


成果を出しているクリニックは、問題と方法をバランスよく扱っています。
まず問題を整理して優先順位を決め、その上で方法を選び、試しながら改善を重ねています。この姿勢があれば、診療報酬改定や地域人口の変化といった外部要因にも柔軟に対応できます。


伴走型支援の役割


私が「伴走型支援」と呼んでいるのは、問題を共に見極めるプロセスです。方法だけをお伝えするのは簡単ですが、それでは一時的な効果で終わることもあります。「なぜその方法が必要なのか」を院長先生と一緒に考え、自院に合った形に落とし込むこと。外部に丸投げするのではなく、納得しながら進められるよう支えることが、私の役割です。


まとめ



  • 短期的に成果が出やすいのは方法先行型

  • 長期的に成果が出やすいのは問題先行型

  • 本当に成果を出すのは、問題を理解しつつ方法を選べるクリニック


「今すぐできること」も大切ですが、「本当に取り組むべきこと」を一緒に考えることで、経営の安定性は大きく変わります。


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