クリニック経営の相談事例|スタッフから退職の申し出があったとき院長と整理したこと
スタッフから退職の申し出があったとき、院長はすぐに「求人を出すべきか」「今の人数で回るのか」と考え始めることがあります。
もちろん、採用が必要になることもあります。
ただ、退職や休職が見えてきたときほど、いきなり求人の話に入る前に、今の業務や体制を整理することが大切になる場合があります。
この相談事例で整理したこと
- 人が減ったとき、どこで本当に困るのか
- 今の業務の持ち方に見直せる部分はないか
- すぐ採用する前に整理しておきたいことは何か
- 次に採用するなら、何を担ってもらう人なのか
相談内容|スタッフの退職・休職で人手不足になりそうだった
ある院長から、スタッフ体制について相談を受けました。
「スタッフから産休の相談がありました。」
「もう一人のスタッフも、将来的には退職を考えているようです。」
「このままだと人手が足りなくなるかもしれません。」
「すぐに求人を出した方がいいでしょうか。」
少人数で運営しているクリニックでは、一人の退職や休職が診療体制に与える影響は小さくありません。
受付、会計、電話対応、診療補助、書類作成など、日々の業務が限られた人数で回っているためです。
そのため、「まず求人を出す」と考えるのは自然な反応です。
ただ、この相談では、求人の前にまず現在の業務と体制を整理することから始めました。
整理したこと1|どこで本当に困るのか
最初に確認したのは、人が減ったときに、どの業務で困りそうなのかです。
- 受付が詰まるのか
- 会計が遅れるのか
- 電話対応が追いつかなくなるのか
- 診療補助に影響が出るのか
- 書類作成やレセプト関連に負担が出るのか
「人が足りない」と感じていても、実際に詰まる場所はクリニックによって異なります。
どこが本当に困るのかを分けて見ることで、すぐにフルタイムの採用が必要なのか、特定の時間帯や業務だけを補えばよいのかが見えやすくなります。
整理したこと2|今の業務の持ち方を見直せないか
次に、今の業務の持ち方を整理しました。
人が減ると、「同じ業務を、残った人数でどう回すか」と考えがちです。
しかし、そもそも今の業務をそのまま持ち続ける必要があるのかを見直すことも大切です。
- 手順を簡略化できる業務はないか
- 頻度を見直せる業務はないか
- 外部に任せられる業務はないか
- システムや予約導線で負担を減らせる部分はないか
- 院内で持つべき業務と、外に出せる業務を分けられないか
すべてを外部化すればよいという話ではありません。
ただ、人を一人増やす前に、今の仕事の持ち方を見直すことで、採用すべき人材像が変わることがあります。
整理したこと3|採用するなら、何を担ってもらう人なのか
業務を整理したうえで、採用が必要だと判断する場合もあります。
そのときに大切なのは、「人が足りないから採用する」だけで終わらせないことです。
次に採用する人に、何を担ってもらうのかを整理しておく必要があります。
- 受付・会計を中心に担う人なのか
- 電話対応を補う人なのか
- 診療補助まで含めて担う人なのか
- 午前・午後のどちらを厚くしたいのか
- 既存スタッフのどの負担を軽くしたいのか
ここが曖昧なまま求人を出すと、入職後に「思っていた業務と違う」というズレが生まれやすくなります。
求人票に書く条件だけでなく、実際に担ってほしい役割を整理しておくことが、採用後の定着にもつながります。
この相談で大切にしたこと
今回の相談では、スタッフの退職や休職を、単に「人が足りなくなる問題」としてだけ見ないようにしました。
もちろん、採用が必要になる場合はあります。
ただ、退職という出来事をきっかけに、今の業務の持ち方や体制を見直すこともできます。
今回の整理で大切にした視点
- すぐ求人を出す前に、どこで困るのかを確認する
- 今の業務をそのまま前提にしない
- 外部化・仕組み化できる部分がないかを見る
- 採用するなら、何を担ってもらう人なのかを整理する
採用は、条件や媒体だけで決まるものではありません。
どの業務を任せたいのか。どの負担を軽くしたいのか。クリニックとして何を院内で持ち、何を外に出すのか。
こうした前提を整理することで、次の一手が見えやすくなることがあります。
まとめ
スタッフから退職や休職の申し出があったとき、院長が不安になるのは自然なことです。
ただ、すぐに求人を出す前に、まずは今の業務と体制を整理してみることも大切です。
どこで本当に困るのか。今の業務の持ち方に見直せる部分はないか。採用するなら何を担ってもらう人なのか。
その整理ができると、求人を出す場合でも、より具体的に募集内容を考えやすくなります。
退職という出来事は、今の体制を見直すきっかけにもなります。
採用の前に、まず状況を整理することが役立つ場合があります。
スタッフ退職後の体制を、採用だけで考えきれないときに
スタッフの退職や休職が見えてきたとき、すぐ求人を出す前に、業務の持ち方や体制を整理することが必要になる場合があります。
判断整理では、正解や結論を代わりに出すのではなく、いま何が重くなっているのか、次に何を見直す必要があるのかを一緒に整理します。
※採用代行や求人作成代行ではなく、判断の前提を整理するための時間です。