まえやまだ純商店

クリニック開業・経営コラム

2026年診療報酬改定で内科クリニックが整理しておきたい5つのポイント

2026年診療報酬改定では、生活習慣病管理料、充実管理加算、紹介・逆紹介、継続受診など、内科クリニックの外来運営に関わる見直しが複数示されています。

ただし、制度の変更点を個別に理解しても、それだけで自院の対応が決まるわけではありません。

高血圧、糖尿病、脂質異常症をはじめとする慢性疾患の患者さんを、今後も継続して支えるためには、検査、療養計画、受診継続、地域連携、スタッフの役割分担まで含めて考える必要があります。

この記事では、点数や算定要件の細かな解説ではなく、内科クリニック院長が2026年診療報酬改定をどう受け止め、外来運営へ落とし込むかを整理します。

2026年改定で内科クリニックが最初に確認したいこと

2026年診療報酬改定では、単に点数が変わるだけでなく、内科クリニックが地域でどのような外来機能を担うのかが、あらためて問われています。

内科では、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病だけでなく、心不全、呼吸器疾患、睡眠時無呼吸症候群を含む慢性疾患を継続して診る場面が多くあります。

そのため、改定情報を確認するときは、制度を一つずつ追うだけでなく、自院の外来運営に引きつけて考える必要があります。

まずは、次の問いに分けて整理すると考えやすくなります。

  • 自院では、どのような患者さんを継続的に診ていくのか
  • どこまで自院で管理し、どの段階で専門医療機関へ紹介するのか
  • 必要な検査や受診継続を、誰がどの流れで支えるのか
  • 療養計画や説明、記録をどのように院内運用へ落とし込むのか
  • 院長だけに確認や判断が集中しない体制をどう整えるのか

2026年改定全体の方向性や、内科以外も含めた変更点については、以下の記事で整理しています。

2026年診療報酬改定の全体像を確認する

内科クリニックとしては、改定全体を追い続けることよりも、自院の患者層と外来運営に関係する論点を選び、実際の流れへ落とし込むことが重要です。

生活習慣病外来をどう設計するか

内科クリニックにとって、生活習慣病外来は運営の大きな柱です。

高血圧、糖尿病、脂質異常症の患者さんは、症状が大きく変化していないように見えても、定期的な検査、治療方針の確認、生活習慣の振り返りが必要です。

2026年改定では、生活習慣病管理料や充実管理加算を通じて、継続的な管理、必要な検査、療養計画、眼科・歯科を含む連携が、これまで以上に意識される内容になっています。

ここで重要なのは、単に「どの点数を算定するか」ではありません。

生活習慣病外来を、自院で無理なく続けられる運用として整えられるかが問われます。

生活習慣病管理料(Ⅰ)・(Ⅱ)の患者像を整理する

生活習慣病管理料(Ⅰ)と(Ⅱ)は、点数だけを比較して選ぶものではありません。

自院の患者層、検査体制、説明に使える時間、スタッフの配置、患者さんへの案内方法を踏まえ、どちらを中心に運用するかを考える必要があります。

  • どのような患者さんを(Ⅰ)の対象として考えるのか
  • どのような患者さんは(Ⅱ)で継続するのか
  • 検査や説明に必要な時間を確保できるか
  • 療養計画書の準備や確認を誰が担うのか
  • 患者さんに制度の違いをどのように説明するのか

検査・療養計画・連携を一つの流れとして考える

生活習慣病外来では、検査、診察、療養計画、次回受診、必要な連携が、それぞれ別の業務として扱われがちです。

しかし、外来運営としては、一連の流れとして設計した方が安定しやすくなります。

  • 次回の検査予定を、いつ登録するのか
  • 検査漏れを、誰がどの画面や帳票で確認するのか
  • 療養計画書を、誰が準備し、どこまで説明を補助するのか
  • 眼科や歯科への受診案内を、どの患者さんに行うのか
  • 連携先からの情報を、どのように診療へ反映するのか

生活習慣病管理料や充実管理加算の詳細については、以下の記事で整理しています。

生活習慣病管理料と充実管理加算を、外来設計として考える

生活習慣病管理料の制度内容と運用上のポイントを確認する

患者さんが継続して通院できる外来をどう整えるか

慢性疾患外来では、一度診察したかどうかだけでなく、患者さんが必要な受診を続けられているかが重要です。

高血圧や糖尿病のように、症状だけでは変化が分かりにくい疾患では、受診が途切れても患者さん自身が問題を感じていないことがあります。

そのため、継続受診を患者さん本人の自己管理だけに任せず、外来全体で支える視点が必要です。

継続受診を支える仕組みは、院長一人では回りません。

予約、受付、検査、看護、診察、会計、次回案内までをつなげ、どの職種が何を確認するかを整理することで、外来運営は安定しやすくなります。

受診中断をどのように把握するか

受診中断への対応を考える前に、まず「受診が途切れている患者さんを把握できるか」を確認する必要があります。

  • 次回予約を取らずに帰宅した患者さんを確認できるか
  • 定期受診の予定日を過ぎた患者さんを抽出できるか
  • 検査予定がある患者さんを別に管理できるか
  • 電話やLINEなど、案内方法のルールが決まっているか
  • 連絡する患者さんの基準を院内で共有できているか

すべての患者さんへ一律に連絡する必要はありません。

自院として、どのような患者さんは受診継続を支える必要があるのかを決めておくことが大切です。

スタッフの役割を、業務単位で整理する

「受付が担当する」「看護師が担当する」と職種だけで分けると、実際の運用では抜けや重複が起こることがあります。

そのため、業務単位で役割を整理する方が現場へ落とし込みやすくなります。

  • 検査予定の登録
  • 検査漏れの確認
  • 療養計画書の準備
  • 患者さんへの次回案内
  • 受診中断患者の抽出
  • 紹介状や返書の管理

職種ごとの役割整理については、以下の記事でも一例を紹介しています。

生活習慣病外来を無理なく回すための、職種ごとの役割整理

紹介・逆紹介と地域連携をどう考えるか

内科クリニックでは、すべての患者さんを自院だけで完結して診ることはできません。

専門的な検査や治療が必要になったときは病院や専門医療機関へ紹介し、状態が安定した後は地域のクリニックで継続的に診るという役割分担が必要です。

2026年改定では、紹介・逆紹介や外来機能分化に関わる制度も示されています。

ただし、内科クリニックとして考えるべきことは、制度上の加算だけではありません。

どの段階で紹介するかを、自院として決めておく

紹介の判断は患者さんごとに異なりますが、院内で一定の考え方を共有しておくことはできます。

  • 自院で経過をみる範囲
  • 専門医へ相談する目安
  • 緊急性が高い場合の紹介先
  • 紹介後に自院で再び診る条件
  • 返書や診療情報を確認する流れ

院長の頭の中だけに基準があると、スタッフは患者さんへの説明や紹介準備を進めにくくなります。

細かな医学的判断を共有するのではなく、紹介までの手続きや情報管理の流れを整理しておくことが重要です。

逆紹介後の患者さんをどう受け止めるか

病院から逆紹介された患者さんを継続して診る場合、自院で担える管理内容を確認する必要があります。

  • 定期的に必要な検査
  • 専門医療機関へ再紹介する基準
  • 病院との情報共有方法
  • 患者さんへ説明しておくこと
  • 院内での記録や注意事項

紹介患者の受け入れや外来機能分化については、以下の記事で詳しく整理しています。

紹介患者の受け入れを、内科クリニックとしてどう考えるか

電子的な診療情報連携に関する制度と、クリニック運用のポイント

制度上できることと、自院で続けられることを分けて考える

診療報酬改定への対応では、要件を満たせるかどうかが最初の確認事項になります。

ただし、実際のクリニック運営では、制度上は算定できることと、現場で無理なく続けられることを分けて考える必要があります。

たとえば、生活習慣病管理料(Ⅰ)や各種加算の要件を満たせたとしても、検査、説明、記録、連携、患者対応が院長や一部のスタッフに集中すれば、運用は続きにくくなります。

反対に、最初からすべてを整えようとすると、現場の負担が大きくなり、かえって制度対応が目的化することもあります。

点数の有利不利だけでなく、自院の外来として継続できるかを確認することが大切です。

患者層、検査体制、スタッフの人数、説明時間、システムの使い方、院長が大切にしたい診療を踏まえ、どこまで取り組むかを考える必要があります。

すべての制度へ同じように対応する必要はない

2026年改定で示された制度のすべてが、自院に同じ重要度で関係するわけではありません。

内科クリニックとしては、次のように分けて考えると整理しやすくなります。

  • 自院の主要な患者層に直接関係する制度
  • 今後、算定や届出を検討する制度
  • 現時点では対象外だが、方向性を把握しておく制度
  • 個別患者への対応で確認が必要な制度

たとえば、睡眠時無呼吸症候群の患者さんを継続して診ている内科では、CPAP管理に関する制度改定も重要になります。

CPAP管理料と持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算を確認する

また、外来データ提出加算や充実管理加算の違いについては、以下の記事で整理しています。

外来データ提出加算と充実管理加算の違いを確認する

院内で続けられる形に小さく整える

制度対応は、全部を一度に変えることではありません。

まずは、自院で負担が大きくなっているところや、確認漏れが起こりやすいところから、小さく整える方法もあります。

  • 検査予定の登録方法を統一する
  • 療養計画書を準備する担当を決める
  • 紹介状の返書を確認する流れを決める
  • 受診中断患者を月に一度確認する
  • 院長へ確認する事項をまとめて共有する

こうした小さな見直しでも、比較に使う時間や迷う時間を減らし、院長が診療やスタッフとの対話へ使える時間を増やすことにつながります。

まとめ|内科外来を続けるために、自院として整理する

2026年診療報酬改定は、内科クリニックにとって、単なる点数変更ではありません。

  • 生活習慣病外来をどのように設計するか
  • 高血圧、糖尿病、脂質異常症の患者さんをどう継続して支えるか
  • 検査、療養計画、受診継続をどのように回すか
  • 紹介・逆紹介と地域連携をどう整えるか
  • スタッフとどのように役割を分けるか
  • 制度上できることを、どこまで自院の運用へ落とし込むか

こうした論点を、一つずつ自院の状況に置き換えて考える必要があります。

制度対応は、情報を集めること自体が目的ではありません。

自院として何を続け、どこまで担い、何を仕組みにするか。

その判断材料を整理することが、内科外来を無理なく続け、地域で役割を果たし続けるための土台になります。

制度対応と外来運営のあいだで、考えがまとまりにくくなってきた院長へ

2026年改定を、自院の外来運営として整理したいときに

診療報酬改定では、制度要件を確認するだけでは、自院としての対応を決めきれないことがあります。

生活習慣病外来、継続受診、紹介・逆紹介、スタッフの役割分担など、複数の論点が重なると、院内の当事者だけでは考えがまとまりにくくなったり、特定の課題だけに意識が偏ったりすることもあります。

まえやまだ純商店では、院長に代わって答えを決めるのではなく、現状、論点、選択肢、優先順位をクリニック外の第三者として整理し、院長が自院として判断しやすい状態を整える支援を行っています。

まず相談事例や考え方をご覧いただいたうえで、状況確認面談をご利用いただけます。

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