開業準備、クリニック運営。 複数のテーマが重なると、何から考えるべきか分からなくなることがあります。 院長の代わりに決めるのではなく、 論点・優先順位・次の一歩を整理します。

クリニック開業・経営コラム

クリニック開業準備は何から始める?流れと最初に整理したいこと

クリニック開業準備を始めようとすると、診療圏調査、資金計画、物件選定、内装、医療機器、採用など、考えることが一気に増えます。

そのため、「何から始めればよいのか分からない」と感じる先生も少なくありません。

開業準備では実務の流れを知ることも大切ですが、その前に、自院としてどのような医療を提供したいのかを整理しておくと、後の判断が進めやすくなります。

この記事で整理すること

  • クリニック開業準備の一般的な流れ
  • いきなり物件や業者選定に入る前に考えたいこと
  • 最初に整理したい3つの視点
  • 実務準備に進む前の判断の前提

クリニック開業準備の一般的な流れ

クリニック開業準備は、一般的には次のような流れで進みます。

  1. 開業の方向性を整理する
  2. 診療圏調査を行う
  3. 事業計画を作成する
  4. 資金調達を検討する
  5. 物件を探す
  6. 内装・医療機器・システムを検討する
  7. 採用や院内体制を準備する
  8. 広告・ホームページ・届出などを進める

この流れ自体は、開業準備として必要なものです。

ただ、実際には、診療圏調査や物件選定に入る前に、整理しておきたいことがあります。

それは、どのようなクリニックとして開業したいのかという前提です。

いきなり物件や業者選定に入る前に

開業準備では、物件や内装、医療機器、電子カルテなど、目に見えるものから話が進みやすくなります。

もちろん、それらは重要です。

ただ、最初にそこから決め始めると、途中で迷いやすくなることがあります。

  • この場所でよいのか
  • どのくらいの規模にするのか
  • どの診療内容を中心にするのか
  • どの患者層に来てほしいのか
  • どこまでスタッフを採用するのか

こうした判断は、物件や機器だけでは決めきれません。

自院としてどのような医療を提供したいのか、地域の中でどのような役割を担いたいのかによって、選ぶべきものが変わるためです。

最初に整理したい3つのこと

開業準備の最初に整理しておきたいことは、大きく3つあります。

1.どのような医療を提供したいのか

まず整理したいのは、医師として積み重ねてきた経験を、開業後にどのような形で提供するのかです。

  • これまでどのような患者さんを診てきたのか
  • どの診療領域に強みがあるのか
  • どのような診療を続けていきたいのか
  • どのような外来なら無理なく続けられるのか

ここが言語化されると、診療内容や診療時間、スタッフ体制を考えやすくなります。

2.どの患者層に来てほしいのか

次に整理したいのは、どのような患者さんに来てほしいのかです。

「地域の患者さんを幅広く診る」といっても、実際にはさまざまな患者層があります。

  • 生活習慣病を継続的に診る患者さん
  • 急な体調不良で受診する患者さん
  • 専門性を求めて来院する患者さん
  • 働きながら通院したい患者さん
  • 高齢で通院しやすさを重視する患者さん

どの患者層を中心に考えるかによって、診療時間、予約方法、スタッフ配置、ホームページの見せ方も変わります。

3.地域の中でどんな役割を担うのか

もう一つ整理したいのは、地域の中でどのような役割を担うのかです。

クリニックは、単独で成り立つものではなく、地域の患者さん、近隣医療機関、薬局、介護事業所などとの関係の中で見られます。

  • 地域のかかりつけ医として幅広く診るのか
  • 特定領域に強みを持つクリニックとして見られたいのか
  • 専門医療機関との橋渡し役を担うのか
  • 慢性疾患の継続管理を担うのか

近年は、診療報酬改定や地域医療を取り巻く環境の変化により、クリニックに求められる役割も変わりつつあります。

そのため、「どこで開業するか」だけでなく、地域にどのような医療サービスを提供するのかという視点も、開業準備では整理しておきたいポイントです。

地域の中での役割が整理されると、診療圏調査や事業計画の見方も変わってきます。

開業準備の最初に整理したい問い

  • どのような医療を提供したいのか
  • どの患者層に来てほしいのか
  • 地域の中でどんな役割を担うのか

その後に進める実務準備

開業の前提が整理されてくると、実務準備に進みやすくなります。

  • 診療圏調査では、どの地域を見るべきか
  • 事業計画では、どの患者数・単価を前提にするか
  • 物件選定では、どの患者層が通いやすい場所か
  • 採用では、どんな役割のスタッフが必要か
  • システム導入では、どの業務を支えたいか
  • ホームページでは、誰に何を伝えるか

このように、最初に考え方を整理しておくと、その後の実務判断の前提になります。

開業準備で迷いやすいところ

開業準備では、さまざまな外部の専門家や業者と関わる場面があります。

それぞれの提案には意味がありますが、最終的に何を選ぶかは院長自身の判断になります。

  • 提案された物件が本当に合っているのか
  • 初期投資をどこまでかけるのか
  • どのシステムを導入するのか
  • スタッフを何人から始めるのか
  • 広告やホームページにどこまで費用をかけるのか

こうした判断の軸になるのが、最初に整理した前提です。

まとめ

クリニック開業準備は、実務項目が多く、どこから始めるべきか迷いやすいものです。

ただ、その前に前提を整理しておくと、後の判断が進めやすくなります。

  • どのような医療を提供したいのか
  • どの患者層に来てほしいのか
  • 地域にどのような医療サービスを提供するのか

開業準備は、手順をこなすだけではなく、自院としての判断軸を整理しながら進めることが大切です。

開業準備で、何から整理すればよいか迷っている先生へ

判断整理では、正解を代わりに決めるのではなく、開業準備で何を前提に考えるかを一緒に整理します。

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